伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ31

2018-04-19 22:16:42 | ジャコシカ・・・小説
「声をかけて、心掛けておきます」

 清子は続けて何か言いたげだったが、かまわず猛はさっさと受話器を置いた。

 置いた後、少こし何かを考えていたが、やがてぼそりと言った。

 「あいつ、農家にはやりたくないなあ」

 「大賛成よ」

 耳聡く聞きつけたトキが、大きく頷きながら合鎚を打った。

 しかしその後で、少こし後ろめたそうに言った」

 「でも、豊には早くいい人に来てもらいたいんだから・・・・」

 「まったくなあ」

 猛は思わず顔を歪めて、ゴリゴリと頭を掻いた。






 「昼までは保っだろう」

 外に出て海を眺めていた鉄五郎は、戻ると昨夜作った延縄の仕掛けを箱に詰めて言った。

 既に朝の食事は済ませている。

 
 高志は慌てて防寒着を着て続いた。

 「餌のガンガン」

 鉄さんは後を見ずに言う。

 今日の漁の手順は、朝食の時に説明を受けていた。ガンガンはブリキで出来た背負い箱、つまり

御用(ごよう)篭(かご)だ。

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