南極観測船「しらせ」が昭和基地のある東オングル島を後にした。先月29日に日本時間午後2時だった。2月4日に帰国予定の隊員を基地からヘリで運び入れ今年の予定ミッションがすべて完了した。
例年しらせが南極観測基地を離れるのは2月に入ってからで今年は天候が良かったのか順調な運びで予定行動が早々と完了したようで早めの離岸となったに違いない。昭和基地に接岸したのが5日午後8時50分(日本時間)だったから基地に滞在は24日間という短い期間だった。越冬隊員を乗せての出発が2月4日だから丁度その日は立春である。南半球は立秋を迎えるところだ。やや太陽が傾いて秋めいてくる頃だ。ちょっぴり寂し気な気分が漂い始めるころに「しらせ」がお別れの「ボー」という汽笛を鳴らして遠ざかる姿を眺める次の越冬隊員の気持ちはどんなものだろうか。「しらせ」の乗組員の皆さんは「しらせ」のエンジンが往路よりははるかに気合を込めた勢いでうなりをあげているように張り切っておられる姿が目に浮かぶ。これからの行程も順調であって欲しい。越冬隊員はオーストラリアから空路帰国される予定とか。「しらせ」に帰港は4月である。