オリンピック女子1500メートル競技をみた。競泳の水泳を見るのは久しぶりである。まだ予選段階だから本来のスピードを出しているのかわからないがとにかくすいすいと気持ちよく泳いでいる姿に感動というか疲れを知らない選手の体力に敬服する。タイムは16分前半のようでこれは女子の記録で私が幼い頃の古橋橋爪選手時代とは全く違う今の水準に驚いてしまった。
あのフジヤマのトビウオと言われた古橋広之進選手(故人)が出した1500メートル18分19秒0の当時の大記録を知らない人は高齢者ではいないだろう。1949年(昭和24年)のロスアンジェルス大会の記録であったが、あの頃のターンは手を付いて足でけるターンだった。その後日米の水泳競技が行われハワイ出身の日系二世フォード・コンノ選手がとんぼ返りターンなどで記録をどんどん伸ばしていった。この頃から日米の差が広がり始め日本選手は米国選手に太刀打ちできなくなってしまったように記憶している。日米水泳競技会も中止されてしまった。当時の選手紹介の場内アナウンスは「第一のコース ~君 日本、第二のコース~君アメリカ、第三のコース~」であった。場内が一瞬緊張する時だった。オンユアーマーク セットアップ ドンとピストルがなって飛び込むのである。今は電光掲示板で静かな選手紹介だ。
解説を聞いていると足はそれほど動かさなくてよいという。なるほど選手全員がそれほどハタバタやっていない。長距離レースになると体力温存でそうなるのかもしれない。私たちの中学生時代の先生の教え込みではそうではなかったような記憶で足を動かさない泳法でやればもう少し良い水泳ができたのかもといまさら悔やんでも詮無いことながらあの時代に戻りたい気もしないでもない。