ヤマムスメ(Urocissa caerulea) Taiwan Magpie
台湾の人は話好きで、私達が機材を持って歩いていると台湾語で気さくに話しかけてくる。
「何探してるの、台湾藍鵲(ランチュィ)?ああ、見つかるといいね。」
とまぁ、言葉は分からないけれどおおよそこんな内容だ。
森の切れ目から山の稜線を見ると、カンムリワシが飛んでいた。ヒメアマツバメとコシアカツバメも飛び回っている。沢にはカワビタキと、いきなりとんでもない声がしたと思ったらその主は大きなルリチョウだった。キセキレイもいる。
神奈川に帰化しているため日本でも見慣れたタイワンリスは、やはりあの特徴的な声で鳴いては樹の幹を走ってルリチョウと威嚇し合っていた。
ゴシキドリは、遠くの木と木の間を飛んだ。オウチュウは見晴らしの良い木の梢でフライングキャッチをしている。
だいぶ日が高く昇った頃、目的の鳥が飛んできた。
藍色の羽衣を纏ったヤマムスメである!
なんと、屋台の人が置いたブドウの実を食べに降りて来ていたヤマムスメは、神々しいイメージとは裏腹に何か台湾の人みたいな懐っこさを感じさせた。
飛翔の際には尾羽が段々になって開くため、世にも美しい。
【2010/09/21/台湾、台北 Taipei,Taiwan】