シロクロヒタキ(Enicurus scouleri) Little Forktail
早朝。宿から出て歩いていると、何か小さな鳥が、私達からは死角になった地上から垂直上方向に向って何度もフライングキャッチをしていた。
この飛翔の際に、腰から外側尾羽にかけての逆Y字に見える白が目立って見えたため、「カワビタキかな?」と言う私。
しかし言葉とは裏腹に、胸の中でざわめく何かを感じた。そして心の片隅にある鳥の名前が浮かんできた自分に驚いた。
けれどそう簡単に見られるものではないよ、と自らに言い聞かせながらその鳥がとまっている地面が見える位置まで移動した時、なんということだろう、浮かんだ鳥の名前と目に飛び込んできた姿が一致したのだ。
「シロクロヒタキ!」
ショートボディ・エンビシキチョウといった感じの姿はとても愛らしく、図鑑の写真を何度も見ては想いを馳せていた憧れの鳥。台風の直撃による崖崩れ等の影響でシロクロヒタキの営巣地が削られ、近年は個体数が少なくなっているという。
シロクロヒタキははじめ灯りに寄った虫を求めて林縁まで出てきていたけれど、そのうちセキレイのように沢に沿って餌を探し始めた。
ミヤマビタキ(Muscicapa ferruginea) Ferruginous Flycatcher
混群の中、1羽だけ混ざっていたミヤマビタキ。この鳥も台湾に来て是非見たいと思っていた、日本でも記録がある鳥である。
まだ若い個体はこのように頭部に細かい斑がある。
【2010/09/26/台湾、嘉義 Chia-i,Taiwan】