作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv41039/
以下、早稲田松竹HPよりあらすじのコピペです(青字は筆者加筆)。
=====ここから。
オーストラリアの都会に暮らす14歳の姉(ジェニー・アガター)と6歳の弟はある日父親とともに砂漠へピクニックに出掛けた。しかし父親が発狂、子供たちに発砲し、自殺した。
広大な砂漠に取り残された二人は生き残るための旅を続けるが、水も食糧も尽きてしまう。
そこにアボリジナルの少年(デヴィッド・ガルピリル)が現れ、二人を救う。以後、二人は言葉の通じない少年に手助けされながら一緒に旅を続けるが…。
=====ここまで。
“ニコラス・ローグの最高傑作”だそうな。
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早稲田松竹で上映されていたニコラス・ローグ特集に、映画友と行ってまいりました。本作と『赤い影』が2本立て上映。特集の初日だったけど、入りは半分くらいだったかなぁ。暑かったもんね、、、。
◆ゆめまぼろし、、、
上記のあらすじにもあるけれど、冒頭で「父親が発狂」って、ホントに発狂なんだよね。唐突もいいとこ。オープニングから不穏といえば不穏なんだが、だからっていきなり我が子に向けて発砲し、焼身自殺って、、、飛躍が大き過ぎて頭が着いていかない。だいたい、ピクニックにあんな砂漠に行くって、、、。しかも風もかなり強いし、あれじゃあ、お弁当は砂まみれ。もうイロイロ???状態。
でもまあ、とりあえずそこは脇へ置いて、続きに着いて行こうとどうにか頭と心を切り替える。
姉は学校の制服?みたいな、白いブラウスに超ミニスカート、足元は革のローファーという、およそ砂漠をサバイバルするには不都合な格好。というより、ピクニックにだってあれじゃあね、という、、、。しかしまあ、サバイバルは予定になかったのだから仕方がない。ミニスカートから出ているジェニー・アガターのおみ足の美しいことよ……。
砂漠のサバイバルウォークといえば、『眼には眼を』(1957)を見ているのでこんなもんじゃないだろ、、、的なツッコミを内心入れてしまうものの、日干しにならない程度のそこそこ厳しめ、ってのが絶妙。で、ギリギリのところで湧き水が溜まっている所に辿り着き、一息つく姉弟。いやしかし、これでも先はかなり絶望的だろ、と思う。
……ところへやってくるのがアボリジニーの少年。原住民の少年は、野生のカンガルーを狩り、解体し、姉弟に食料として分け与える。水の在りかを知っていて、姉弟を連れて行く。自然と共生している少年と出会ったからこそ、この姉弟は生き永らえたのだ。
で、あばら家のような小屋に辿り着いた3人は、そこで共同生活のような状態になる。砂漠をサバイバルウォークしていたときは、ただただ生きるために3人が一緒にいただけだが、落ち着く場所ができた途端、3人の関係に変化が生じる。少年が姉に恋するのだ。恋するというか、まあ、性の対象になるのだね。
少年としては当たり前の感覚で、アボリジニーの風習であろう求愛ダンスを姉に対して1日中踊り続ける。黒い肌に全身に施された白い模様(おそらく化粧のようなものだろう)がまた強烈なインパクトで、あれは都会しか知らない姉にとっては恐怖以外の何物でもないだろう。姉は全身で少年を拒絶する。
拒絶された少年は絶望して、何と、翌朝、大木の枝からぶら下がっているのである。姉弟はその脇をかいくぐる様にして小屋から脱出するが、その画は、何とも言えないシュールさが漂う。
結局、その後、2人は見つけた道路を辿って人気のない炭鉱の町へ出て帰還したようである。ようである、、、というのは、突然そこでシーンが飛ぶので詳細は分からないのよ。
ラストは、冒頭で出て来たのと同じようなマンションの一室で、サラリーマンぽい男性(夫と思われる)と抱き合っている大人っぽくなった姉。砂漠のサバイバルウォークから数年後、ってことでしょう。そして、その姉の視線の先には、砂漠での3人の楽し気な様子が幻影として映っている、、、というもの。
このシーンを、懐かしむ“回想”とする感想も散見されたが、これは回想ではなく、妄想というか幻想だろう。早稲田松竹のHPにも本作のキャッチコピーに「あの時、君が望みさえすれば‥‥。」とあるが、あのラストシーンは、彼女がそれを絶対に望まないことだからこそ抱いた幻想だとした方が腑に落ちる。
◆その他もろもろ。
同時上映の『赤い影』でも感じたが、ニコラス・ローグって、かなり性的なメタファーが多い気がした。
本作では、やたらジェニー・アガターの美脚を、それこそパンツが見えそうな角度で何度も何度も撮っているのが、かなり印象的だった。脚フェチというのとはちょっと違う気がするが、、、。
また、途中ジェニー・アガターが全裸で泳ぐシーンもあり、このシーンがとても美しい。それこそ“幻想的”でさえある。もしかすると、この3人のサバイバルウォークが、そもそも姉の幻想だったのではないか、、、とも受け取れるかもね。
少年が姉に求愛ダンスをするシーンは、正直言ってかなり不気味である。少年は大真面目で、風習に則ってそうしているのだろうが、これはまさにカルチャーギャップであり、同じアボリジニーの少女ならそれに対する応え方(イエスでもノーでも)を心得ているのだろうが、姉にしてみれば恐怖から逃げるの一択である。これは、双方にとって気の毒。
それで、あの少年が自死を選ぶというのもまた飛躍が大き過ぎて理解が追い付かないのだが。というか、本作自体が冒頭から最後まで、理解が追い付かないともいえるわね。いきなりの父親の発狂に始まるわけで、、、。
他のローグ作品を知らないので、これが彼の最高傑作なのかどうかは分からないが、確かに映像はとても美しい。さすが、『アラビアのロレンス』で撮影を務めただけのことはある。
ソフト化されているみたいだけど、こういう映画こそ、スクリーンで見るべき映画だろう。
カンガルーの解体シーンなど、エグいシーンも結構あります。
数年前にこれ、観ましたよ。DVDで。
スクリーン上映してるんですね。
私もスクリーンで観たかったわあ。
この作品、結構好きなんですよね。
姉弟の二人とアボリジニの少年のパートなんかとても興味深かったし、映像がすごくきれいでしたよね。
冒険か・・・。
考えてみれば、現代で冒険なんてもう死語ですね。
冒険なんて、できないもん・・何に対しても。
元総理の事件にしたって・・・
逆恨みがひどすぎるのは時代のせいでしょうか?
怖すぎます。
(「眼には眼を」も、確か同じ時期に観ましたが
そう言えば、あの映画も報復の映画でしたね。
怖かった!!!)
冒険!!と聞いて胸が躍るような社会はもう来ないのでしょうかね・・・(遠い目)
すねこすりさんは何か、冒険してますか?(*^^*)
ご覧になっていたのですね! わたしも結構気に入っちゃいました。
同時上映の『赤い影』より、こっちの方が好きです。
そうなんですよ、映像がね、とってもキレイで。
冒険といえば。
大昔、職場の先輩が「冒険家とか好きだなー」と言っていて、それはリアル冒険のことで、例えば植村直巳とかです。
で、「え、何でですか?」と聞いたら、「何かいいじゃん、ロマンがあって」という、思いのほか月並みなお答えが返って来て、うぅむ、、、という感じでした。
ただその後、その先輩が「職人もいいなー」と言っているのを聞いたときに、何となく「冒険家」のことも納得できた気がしました。
リアルで冒険なんて、これまでしたことないかもです。……というか、この世に生まれてきたこと自体が、私にとっては冒険ですね。
銃撃事件については、アベと例の宗教団体の件は、私は前々からかなり憤りを覚えていたので、こんな結末になって驚いています。
今の若い人たちは、知らないんでしょうかね、統〇〇会がどれほどヤバいのかとか、、、。
イヤな雰囲気が漂いますが、通常運転で参りましょう♪