作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv71035/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
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1980年代前半。西側諸国の文化が禁忌とされていたレニングラードでは、西側のロックの影響を受けたアンダーグラウンド・ロックのムーブメントが起き始めていた。
ロックスターを夢見るヴィクトルは、その最前線で活躍するバンド「ズーパーク」のリーダーであるマイクを訪ねると、彼に才能を見いだされ、ともに活動することに。音楽活動が軌道に乗りだす一方、ヴィクトルとマイクの妻ナターシャとの間に恋心が芽生え始める。
=====ここまで。
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7月に『ドヴラートフ』を見に行ったんだけれど、終映後に、島田雅彦氏と沼野充義氏の対談があって、これがまあまあ面白かったんだが、その際に、沼野氏が『ドヴラートフ』の音楽について触れた際に、「来月『LETO』という面白い映画が公開されるので、是非見て下さい」みたいなことを言っていて、ロックとかゼンゼン知識ないけど、80年代のレニングラード(サンクトペテルブルク)が舞台の映画だと知って、ちょっとロシアづいている身としては見たくなってしまい、劇場に行った次第。
ちなみに、『ドヴラートフ』については、島田&沼野対談の感想を含めて、いずれ書くつもり、、、。
で、本作。予備知識はほぼないまま見に行ったんだけれど、もっと、PV的な映像が盛りだくさんのロック映画だと思っていたら、ロックを背景にしたラブストーリー&人間ドラマだったので、なんか意外だった。
基本的には、ヴィクトルとマイクとナターシャの関係性を軸に描かれており、当時のソ連でロック界を開拓していく成功譚的なエピソードはほとんどなかったように思う。もちろん、彼ら独自のロックを産み出すための葛藤が描かれたシーンは差し挟まれるものの、見終わった印象は、共産主義下で抑圧されながらアングラで戦ったロックミュージシャンたちの映画、ではない。
ただ、たくさん音楽が使用されており、私でも知っているT・REXも流れていた。私が何となく知っている“洋楽”は、メインは80年代(といっても詳しくはない)とはいえ米英の音楽ばかりだから、ソ連のロックなんて全く知らなかったけれど、それでも音楽シーンは十分楽しめた。
特に私が本作に期待していた“ロック映画”っぽかったのが、前半に出てくる列車内でのミュージカル風シーン。基本的に本作はモノクロなんだが、印象的に“色”が使われていて、またこのシーンでは映像も凝っていて面白かった。こういうシーンがもっと一杯あるんだと思っていたんだよなぁ。
しかし、いくら忌まわしい“西側音楽”だからって、ロックを座って聴かなきゃいけないとか、意味が分からん。会場に共産党が監視に来ているとか、歌詞は検閲されるとかってのは、まあ分かるけど。スタンディングでノリノリで踊るとどーだっていうのかね? 横断幕を掲げただけで、監視員が注意しに来るし、立ち上がると「座れ、座れ!」ってしつこく言いに来る。
ラストは、ヴィクトルがバンド「kino」を立ち上げて成功を予感させるライヴシーンで終わるのだが、ストーリー的には思っていたより、ずっと大人しく、スタンディング禁止以外は共産党の気の狂った抑圧とかもほとんど出て来なくて、拍子抜けする感じだった。
それに、何といっても私が一番楽しみにしていたのは、当時のレニングラードの街並み。……だったんだけど、街並みのシーンはほとんどなく、ちょっと歩いているシーンとか、窓から街を見渡すシーンが少しあったくらいで、ガックシ、、、。まあ、前述の島田&沼野対談で、島田氏が言うには、「ロシア革命前と(島田氏が滞在していた)80年代、現在とで、レニングラード(サンクトペテルブルク)はあんまし変わっていない」とのことだったので、街並みのシーンはさほど意味がないってことなのかも知れないが、、、。
ヴィクトルをユ・テオという、アジア系の俳優が演じていたので、??と思ったんだが、後でパンフを見たら、「朝鮮人の父とロシア人の母を持ち、レニングラードで生まれ育」った人だと知って納得。人気絶頂期に28歳で事故死しているらしい。T・REXも、確かヴォーカルが事故死していたのでは、、、?
タイトルの「LETO」は、ズーパークの音楽の曲名
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