映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

レ・ミゼラブル(2012年)

2020-05-15 | ヘレナ・ボナム=カーター(H・B・C)

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv50703/

 

 ご存知、世界的大ヒットミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画版。原作は、もちろんユーゴーの同名長編小説。ジャン・バルジャンをヒュー・ジャックマン、ジャベールをラッセル・クロウがそれぞれ演じる。


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 先日までNHKで放映していたイギリスのドラマ版がなかなか見応えがあって良かったので、何となく他のレミゼも見てみたくなったというわけで、ミュージカルは苦手だけれど、とりあえずは一番メジャーであろう本作から見てみることに。


◆嗚呼、ミュージカル。

 最初から最後までセリフも全部歌っているらしい、とは聞いていたが、本当だった。ヒュー・ジャックマン演ずるジャン・バルジャンが、自分の囚人番号まで“トゥーフォーシックスオーワン~~~♫”とか歌っているのを見ているのは、かなりキツい、、、。後でwikiを見たら、これ、日本版でもあるらしく、しかも、最後が「イチ」で、ものすごくカッコ悪い響きだからだろうが、番号が変えられているんだとか。「にーよんろくごーさん~~♫」って歌ってんだろうなぁ、、、。

 ミュージカルが苦手な理由は、やっぱり、こういうところかなぁ。それ、歌う必要あるの??みたいな感じになってしまう。オペラもそうだけど、だからあんまし好きじゃないのよね。オペラは高いしねぇ。

 ……とはいえ、ミュージカルでも、昨年の午前十時の映画祭で見た『サウンド・オブ・ミュージック』はとても感動したし、『マイ・フェア・レディ』もまあまあ楽しい。『オズの魔法使い』『メリー・ポピンズ』とかも嫌いじゃない。

 ミュージカルのキモは何と言っても音楽だろうが、正直なところ、本作には、『サウンド・オブ・ミュージック』に匹敵する“胸に迫る音楽”があるとは思えなかった。まあ、テレビ画面で見るのとスクリーンで見るのじゃ大違いだから、そこを割り引いたとしても、このミュージカルを愛している方々には申し訳ないのだけれど、私の心にはあんまし響かなかった。特に有名な「夢やぶれて」とか「オン・マイ・オウン」とか、良い曲だとは思うのだけど、、、。

 ……と書いてきて思ったのだが、哀しい歌があんまり好きじゃないのかも。本作の場合、基本、みんな眉間に皺を寄せたような顔で哀しい歌を歌っている場面が多い。「夢やぶれて」なんか聴いてるだけでウツになりそうな歌詞だしね……。実際、それを歌うときのファンテーヌの置かれた状況は悲惨そのものだし。

 これは飽くまで私の感覚だけど、絶望しているときとか、哀し過ぎて涙も出ないときとか、歌うエネルギーってないと思うのよね。歌うってものすごいエネルギーを消耗する行動なわけで、、、。だから、怒りの歌は、まだ分かる。怒りもある意味ポジティブな感情だもんね。なんか、絶望とか哀しみを渾身の力を込めて歌われても、その違和感が、私には受け容れ難いのだと思う、、、多分。いやだから、これ、ミュージカルなんだってば、、、ってことはもちろん分かってるんですが。


◆イギリス人はレミゼ好き♪

 で、ストーリーは、割と原作に沿っているっぽいし、長編を2時間半にうまく収めていると思う。基が長編小説だから、これくらいの長さは仕方ないでしょう。歌ってるしね。ただまあ、TV版を見た後だから、どうしたって浅い感じは否めないけれど。

 それにしても、このミュージカルといい、NHKのドラマといい、制作はイギリス。過去の映像化作品の制作国を見ても、本国フランスに負けず劣らずイギリスが多い。どんだけレミゼが好きなん、イギリス人。

 日本人から見ると、なんか不思議。日本が、韓国や中国が原作の、しかもその国の歴史を舞台にしたドラマや実写映画を日本資本で日本人キャストをメインに制作するって、、、(例えば「三国志」とか、、、?)かなりあり得ないことだと思うのだが。共同制作ならアリだろうけど。フランス人には、イギリスが作ったフランスを代表する小説が原作の映画って、どういう風に見えるのかな~、と。

 ただ、アニメだったら、いっぱいそういうのはあるもんなぁ。ハイジなんて、ヨーロッパで放映された際、それが日本のアニメだと知らなかった人も多かったとか。「キャンディ・キャンディ」でも似たようなエピソードは聞いたことあるし。キャンディなんて原作者も日本人だしね。

 イギリスは、ソ連ものやナチスものも自国資本&制作で映画にしているし、やっぱりその辺は、英語という世界市場に通用する言語を母語にしているお国だからかしらん??プロパガンダ映画でなく、娯楽映画として作っちゃうところは、アメリカもそうだけど、何か凄いなぁ、、、といつも思う。


◆その他もろもろ

 俳優さんたちもみんな頑張って歌っていた。ただ、ラッセル・クロウの歌唱力は、どーなの? 彼は上手いのだろうか? 正直、あまり上手いと思えなかったんだが。だいたい、ジャン・バルジャンとジャベールの配役、逆じゃないか?と感じたのは私だけ?? まあ別に目くじらを立てるほど違和感があったわけじゃないんだけど。

 アン・ハサウェイは、これでオスカーを獲っているんだね。確かに重要な役どころで、体当たり演技だったと思うが、、、ううむ。死にそうになってベッドに横たわりながら、やっぱりそこでも歌うんかい! と突っ込みを入れてしまった。

 愛するヘレナは、マダム・テナルディエを楽しそうに演じていた。サシャ・バロン・コーエンと、なかなか良いコンビだった。

 ただ、本作全般に感じたんだけれど、歌っているときの俳優の顔アップが多くて、それが結構ストレスだった。ずーーーっと歌っている俳優の顔だけ見せられるのって、ちょっと困る。もっと引きの映像も入れて欲しいところ。せっかく映像化するんだったら、もう少し工夫の余地があったのでは? マリウスとコゼットの逢瀬のシーンも、交互にアップの画像が切り替わるだけで、2人が門を挟んで気持ちを確かめ合うという肝心の雰囲気ぶち壊しだった。あれじゃぁ、いくら俳優陣が熱演・熱唱したところで、台無しでしょ。

 本作は、俳優がライブで歌ったことがウリになっているが、メイキングの映像を見て、それがホントに大変だったことがよく分かる。せっかく、そんな大変なことをクリアして制作したのだから、もう少し、カメラワークは工夫して欲しかったなぁ。

 まあ、ミュージカルだからあまり期待はしていなかったけれど、思っていたよりは楽しめたかな。他のレミゼ映画もこれから見ていく予定です。


 
 

 

 

 

ラッセル・クロウのジャベールは最後まで違和感バリバリだった。

 

 

 

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4 コメント

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ミュージカルは苦手 (付近)
2020-05-16 14:33:05
こんにちは!
なんとなく自粛も解かれそうなこの頃、すねこすりさんいかがお過ごしですか?

ヒュー・ジャックマン&ラッセル・クロウのレミゼ
ご覧になったんですね!
なんでミュージカルにするかな・・??ですよね。
暗い話をミュージカルにするのはヨーロッパの文化なのでしょうかね??
暗いミュージカルと言えばダンサー・インザ・ダークというのもありましたね。苦笑
改めてタイトルがそのまんまやな!!と!笑
そう言えば、すねこすりさんはヘレナがお気にいりの女優さんなんでしたね♪
彼女があの監督と結婚した時はほんとびっくりでした。以外に普通の男なのかしらん??笑

あと、ラッセル・クロウはもう痩せないのかな??笑
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Unknown (フキン)
2020-05-16 14:34:07
ア、わちゃちゃ・・・付近はフキンでした!!
(><)
返信する
アンジョルラス推し (松たけ子)
2020-05-17 01:55:08
すねこすりさん、こんばんは!
NHKのレミゼ、観逃した~!😢一挙再放送してくんないかなあ。
映画版、何だかもう懐かしい感じ。レッド~ブラック~♪の曲が好きです。ジャンバルジャンやマリウスよりも、私はアンジョルラスが好き!演じてたアーロン・トヴェイトがイケメン♡エディ・レッドメインがまさか数年後にオスカー俳優になるとは、あの時誰が予想できてたでしょうか。
アン子は顔が派手でクドいので、ぜんぜん薄幸に見えなかった。暑苦しい自己陶酔熱演も苦手。ラッシーは…見てるほうが気まずくなるミスキャストでしたね~。
この映画の監督さん、猫映画でやらかしちゃいましたね~。
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Unknown (すねこすり)
2020-05-17 10:37:21
フキンさん、こんにちは!
自粛、飽きました〜(´-`) かと言って、すぐにでもどこか行きたいって感じも全然ないですが。
東京はまだ宣言継続中ですが、なんかもうええやん…的な空気が蔓延している気がします。食事中は喋るなとか、飯の食い方までお上に指示されたくねーわ、って感じですかね。
さてさて、ミュージカルって、やはり欧米系の文化な気がします。オペラもそうだし。
ダンサーインザダーク、未見なのです。何か評判は聞いていますが、ビョークがちと苦手で…。
ヘレナ、お仕事一緒にすると恋に落ちるパターンみたいですね。バートンの前はケネスブラナーと付き合ってたし。どうせなら、『眺めのいい部屋』つながりで、DDLと結婚して欲しかったわ〜。
バートン、あれで浮気とかしてたらしいから、そういうところは、その辺の男と同レベルでガックシですねー( ´∀`)
ラッセルクロウ、見た目云々より、健康面で痩せた方が良いと思います(^^)


たけ子さん、こんにちは♪
NHKの、というかBBCのドラマ、なかなか良かったですよ。再放送されるんじゃないですかね。ドミニクウエストのジャンバルジャンと、オイェロウォのジャベールが良かったです。
すごく重いし、ハラハラして見てるのが辛くなるシーンも多かったんですが、昔読んだユーゴーの「ああ、無情」は、まさにそんな感じだったのを思い出しました。
久々に読みたくなって、岩波文庫の「レ・ミゼラブル」全4巻セットで買ってしまいました! 読み終わるのはいつになることやら、ですが。
確かに、アーロン・トヴェイト、イケメンやった!というか、カワイイ系かな。ラッセルクロウのミスキャストぶりがずーっと気になってしまいましたが(^^)
キャッツ、すごい悪評でしたが、そこまで言われると逆に見たいかも…。
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