作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv81218/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
好奇心旺盛でお話好きな小学1年生のトットちゃんは、落ち着きがないことを理由に小学校を退学になってしまった。
そんなトットちゃんは、新しく通うことになった東京・自由が丘にあるトモエ学園の校長先生に、「君は、ほんとうは、いい子なんだよ。」と優しく語りかけられる。
子どもの自主性を大切にする自由でユニークな校風のもと、トットちゃんはのびのびと成長し、たくさんの初めてを経験していく。
=====ここまで。
黒柳徹子の自伝「窓ぎわのトットちゃん」原作。
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昨年末に劇場公開された本作。公開中に絶賛コメントがTwitterのTLに流れて来て、へぇー、と思って見ていたのだが、劇場まで見に行く気にもなれないままに気付いたら終映していた、、、。
先日、早稲田松竹で『君たちはどう生きるか』と2本立てで掛かったので、話題作2本一気に見られるなら見に行くべ、、、と思って、暑い中見に行ったのでした。アニメだからか、お子様連れもちらほら。この映画館でお子様は日頃ほとんど見ないので新鮮な光景でありました。
で、アニメを2本見たわけだけど、『君たち~』はちょっとアレだったので、別にまたまとめで書こうと思います。
◆徹子の家
結論から言うと、なかなか良かったです。絵が可愛らしいのとは対照的に、ストーリーはかなりシビアで終盤は悲劇的な展開でもあり、見応え十分。Twitterで絶賛している人たちがいたのも納得である。
徹子さんはご本人も認めているようだが、明らかなADHDであり、今ならば教育現場での理解も大分広まっているけれども、当時はただの“扱いにくい子”だったのね、、、。でも、私が子供の頃でも発達障害なんてゼンゼン知られていなかった(単語自体見聞きしたことがなかった)し、やはりただの“扱いにくい子”認定されていた子たちはたくさんいたのだろうなぁ、と思われる。
そんな徹子さんの幸運は、トモエ学園という彼女にとって最適な居場所が見つかったことである。これ、普通の学校をたらい回しにされていたら、もしかするとその後の徹子さんの人生も変わっていたかも知れぬ。
あと、やはり、徹子さんの場合は、家庭環境も良かったし、何より本人が非常に賢かった。だから、トモエ学園という居場所が出来て、より彼女は伸びやかに成長することができたのではないか。あのように知的水準の高い両親でなく、経済的にも恵まれず、本人の知能も普通、、、であれば、トモエ学園に行っていたからといって、その後の黒柳徹子が出来上がったとは到底思えない。
◆徹子、糞尿まみれになる
私が一番印象に残ったのは、徹子さんが汲み取り便所に落としてしまった財布を探すために、柄杓で中の汚物を全部掻き出してしまうシーン。まあ、それも十分印象的なんだけど、グッと来たのは、それを見た校長の小林先生が「ちゃんと全部戻しとけよー」と言ったこと。しかも口調がちょっとお怒り気味だった(ように聞こえた)。多分、相当臭っただろうし、不潔極まりない状況だったに違いないのだが、無理に止めさせない(きっと止めても逆効果なのが分かっていたんだろう)ってのが、すごいなー、と。
私は子育てをしたことがないから実感としては分からないが、周囲の大人にとって「見守る」って一番の苦行ではないだろうか。口や手を出す方が、はるかに楽なはず。だって、子供をコントロール出来るから。コントロールした方が、何かと大人の面倒が減るわけだ。この汲み取り便所のシーンでも、途中で止めさせた方が、臭いだって広がらないし、糞尿まみれになった徹子さんを綺麗にしてやる手間も省ける。でも、そうしないで、本人が納得するまで糞尿を掻き出させる。……いや、恐れ入ります。
さらにすごいのは、先生に言われたとおり、掻き出した糞尿を全部戻した徹子さん。誰にも助けを求めることもなく、一人でやり切る。結局財布は見つからなかったが「もういいの!」と糞尿まみれになりながら、顔はさっぱりとした表情で言い放つ。すげぇ、、、この子はやはりタダもんじゃない。
徹子さんと一番仲の良かった泰明ちゃんとの交流シーンは微笑ましいのだが、それだけに、終盤で泰明ちゃんが亡くなるのは涙なしでは見られない。そして戦争。トモエ学園も焼け落ちる。徹子さんの家も取り壊される。
小林先生が燃え盛るトモエ学園を背に振り返って「今度はどんな学校を作ろうか……」と言うのだが、そのときの小林先生の目が、背後の炎が透けて見えているみたいでやや不気味な絵になっていた。これは、トモエ学園は再建できなかったんだろうな、、、と思わせられた。
本作を見た後、たまたまNHKの「新・プロジェクトX」でこのトモエ学園の創設者である小林先生を取り上げていたのだが、やはりトモエ学園は再建されなかったらしい。
それにしても、人生において、教師や指導者の存在というのは、本当に大事だと思い知らされる。その教師らが良いか悪いかで、大げさでなく、人一人の人生が激変しかねないくらいの存在である。教師という職業はもっと大事にされるべきで、もっと人材育成に資源を注ぐべきだと思うが、今の我が国の現状を見ると、先行きが明るいとは到底思えないのが辛い。
リトミック、私も幼稚園児のときに通っていたっけ、、、。
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