時事通信 2025年01月30日11時20分
『極右協力で決議初可決 最大野党提案の難民対策で―独』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025013000388&g=int
私の日記を読んでいる人は、ドイツ政界が如何に歪んでいるかをご存じだと思います。
ドイツ政界の既存政党とマスコミは、「ドイツのための選択肢(AfD)」に対し、極右・ポピュリスト・ナチと関係があるなど様々な屁理屈をつけて、あらゆるレベルの政治から排除してきました。
旧東ドイツ地区の州では、州議会選で30%程度の議席を獲得しました。これでも既存政党が野合連立してAfDを排除しています。
この流れから考えると・・・
『ドイツ連邦議会は29日、最大野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が提案した不法移民や難民対策の強化を求める決議案を賛成多数で可決した。議会少数派の与党が反対する中、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の協力を得る形で可決に持ち込んだ。独メディアによると、連邦議会の採決で、AfDが過半数の成立に寄与するのは初めて。』
これはドイツ政界においては、「天変地異」と言えるほどの大変化です。
この変化は、何故起きたのか❓
現代ビジネス 2025.01.24
『「無知で傲慢な大金持ち」と猛批判…!いまドイツの政治家と国民が「最も忌み嫌っている」二人の名前』
https://gendai.media/articles/-/145548
川口 マーン 惠美さんが、詳しく書いています。有料記事になりますので無料のうちに読んだらいいと思います。
来月のドイツ総選挙前に、超大型「イーロン・マスク爆弾」がさく裂しました。
ドイツ公共テレビや主要メディアから締め出されているAfDのためにイーロン・マスクがAfD党首のヴァイデル氏に発言の場を提供しました。
(一部引用)
「こうして、長年のあいだドイツの公共メディアでは発言の場を与えられなかったAfDに、突然、Xという巨大なプラットフォームが提供されることになった。」
(AfD党首のヴァイデル氏は大勢の人々に向かって、初めて意見を言う機会を得ました。)
「さて、1月9日、75分にわたった対話は、世界で1億3000万人のフォロワーを持つマスク氏の威力が顕著で、翌日10日、すでに再生数が1500万回を超えた。ヴァイデル氏の発言自体は、私は日頃から意識的にフォローしているからか、それほどの斬新さは感じなかったが、氏が攻撃されることなく、ごく穏やかに喋っている様子に初めて接した視聴者も多かったはずで、そういう意味では画期的だったと思う。いつものキレが欠けていたのは、言語が母国語ではなかったからだろう。」
ドイツ人を含めて多くの人々は初めて生のヴァイデル氏を視聴することとなりました。
普通は、ドイツの公共テレビやマスコミがその機会を提供するべきです。これまでは全面的に締め出されていました。
しかし、これからは違います。「Xという巨大なプラットフォーム」を通じて、多くの人々がヴァイデル氏の主張を聞くことになると思います。
そして、このイーロン・マスクとの対談後、AfDの支持率は更に上がることが予想されます。既にそうなっているかもしれません。
事前予想では、CDU/CSUの支持率が一番高いです。二番手で支持率を上げているのがAfDです。
3番と4番が、現在の連立与党の社民党と緑の党です。
もし、今まで通りAfDを政治から排除すれば、CDU/CSUはドイツ国民からバッテン!を食らっている「社民党&緑の党」と連立するしかありません。
総選挙で一番支持を受けた政党が、バッテン!政党2党と連立すれば、余りにも有権者をバカにしているでしょう。
つまり、CDU/CSUはドイツ国民の民意を尊重するならAfDと連立政権を作るしか道がありません。
超大型「イーロン・マスク爆弾」のさく裂が、頑迷固陋なドイツ政界に変化をもたらすのかもしれません。
ドイツ政界は、このままでは「CDU/CSU+社民党+緑の党=集団的独裁体制」に陥ります。
既に「ドイツ公共放送+主要メディア」まで含めると、半分独裁体制になっています。
ドイツが、自由主義と民主主義の道に戻るのは、これが最後のチャンスかもしれません。
別の面では、右派であるトランプ氏とドイツ左派勢力の戦いとも言えます。
とにかく今のドイツ政界とドイツ・マスコミは、独善的すぎるのは確かです。やがては半独裁に至るでしょう。
この際、外圧を利用して正常な道に戻るのが、ドイツのために望ましいと思います。
本当に左派思想は、怖いと思います。本来、民主主義的であったドイツが、こうなってしまいました。
ドイツの公共放送が左派勢力の応援団になっているのですよ❓信じられますか❓
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※AFPの記事でもう少し詳しく見てみます。
ドイツ中道右派、極右と協力 タブー崩壊
2025年1月30日 13:10 発信地:ベルリン/ドイツ [ ドイツ ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3560648?cx_part=top_category&cx_position=2
AFPは欧州左派の立場ですから、もっとタイトルが強烈です。
「ブルータス!お前もか!」
しかし、決議には法的拘束力はなく、総選挙向けのパフォーマンスと言えます。
「物議を醸す動議を賛成348、反対344、棄権10の僅差で可決させた。」
連立から離脱した中道政党「自由民主党(FDP)」の支持も取り付けての、かろうじての過半数でした。
『 動議は、「例外なく、すべての不法入国の試みを拒否する」よう求めている。隣接する欧州連合(EU)加盟国に不法移民が既に入国し、「迫害される心配がない」ことを理由として挙げている。
さらに、ドイツからの出国を求められている不法滞在者を「直ちに拘束しなければならない」として、収容施設の増設も要請。
また、難民認定希望者に関する既存のEU規則は「明らかに機能不全」だと断じている。』
不法移民を拒否し、発見したら拘束するところまでは求めています。
その後の強制送還は不明です。
たった、これだけのことさえ大騒動しないと決議すらできません。
米バイデン政権時代のアメリカの不法移民の黙認と隠れ推奨によく似ています。
しかしアメリカではトランプ政権が誕生したら、即刻不法移民の摘発と強制送還が始まりました。
欧州の「極右」は、アメリカではむしろ「手ぬるい!」と批判されるでしょう。
相当、欧州の感覚が現実離れしているのが分かります。これを作り出したのがメルケルを中心とする欧州左派です。
EUも欧州左派に乗っ取られています。
そして、記事の中でショルツ首相は、左派が常用する歴史の捏造を根拠に反対しています。
【「75年以上前にドイツ連邦共和国が建国されて以来、わが国の議会のすべての民主主義者の間には常に明確なコンセンサスがあった。極右とは手を結ばないということだ」と訴えた。】
この捏造が分かりますか❓
ナチスは、社会主義政党であり極右とは正反対です。
政権掌握後、独裁化していき政治の中身は、ほぼ共産主義的と言えます。
左派が独裁化して、最後は軍事独裁に移行しました。
極右では、ありません。
むしろ、ナチス的な危険性を内蔵しているのは、中道左派政党「社会民主党(SPD)」と緑の党の方です。
SPDが中道左派と言えるのかは疑問です。もっと左寄りのようにも見えます。
左派にしろ右派にしろ、危険なのは、どっちも同じです。
どちらかと言うと左派の方が、独裁的傾向が強いと言えます。
西ヨーロッパでは、左派政党が大きな議席を持つケースが多いので左派に甘く右派に厳しいだけです。
だから右派が常識的な主張をすると、「極右!」「ポピュリスト!」「独裁主義=ナチ!」とレッテル張りして差別して排除する構図が分かると思います。
どっちを選ぶのかは、ドイツ国民の決めることです。
※関連日記目次
項目「ヨーロッパ」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d