第5回洛中洛外IVR勉強会が、7.14フランス革命記念日に京都府立医大臨床北講堂でありました。
今回は、高知大学医学部放射線科教授になられた山上卓士先生の さまざまなIVR-therapeutic lymphangiographyを中心に-
というタイトルで、講演をして頂きました。
その前の一般演題は、外傷後の血胸を伴う肋骨骨折に対して、塞栓が有効であったという京都第一赤十字の先生の報告で、スボンゼルによる動脈塞栓術でした。適応は、ドレーン挿入時に1000ccを超える出血、挿入後毎時間150~300ccを超える出血が、持続する時だそうです。
京都第一赤十字の佐藤修先生によると、研修医の先生方は、すごく熱心勉強家で、深夜帯のCTは臨床所見と合わせて的確に判断して、迷う症例だけ朝一番に佐藤先生に相談にこられたり、放射線科のレポートを確認することにしているそうです。
二例目は、済生会滋賀県病院の三浦先生からで、整形領域の術後仮性動脈瘤を超音波下穿刺で、トロンビンを直接注入する方法です。1cc、1000単位の濃度で100から3000単位使うものです。3センチを超えるものを三回くらい繰り返して治されていきました。昔から、仮性動脈瘤はドップラーエコーで、見ながら抑えて、という方法が多かったので、そんな方法めあるんだと面白かったです。抑えにくいところのものは有効ですね。三題目は、社会保険神戸中央病院の岡本将裕先生の膵液ろうのドレナージです。お懐かしい。細い瘻孔ルートをナイロンドレナージチューブの側孔からガイドワイヤーをだす方法で、上手にドレナージされてました。最後は外瘻化して終了でした。第一赤十字の森下先生からソマトスタチンで漏出止まる報告あるよと。そうなんですねー。グークルでも沢山載ってました。
山上先生のご講演は、前半はこれまでの数多くの臨床研究をされてきたものを懐かしく聴きました。
B-RTOでの50パーセントグルコースの先詰めがいいですよとの話など思い出してました。気胸を起こしても18ゲージのサーフローで吸引すればいいですよとかも。これは、慶應大学に国内留学されてた故 中村敏行先生が教えてくれたそうです。
最近のトピックスとして、乳び腹水、乳び腹水の治療に治療的リンパ管造影が半数以上で有効ですとの話しをされました。超音波で鼠蹊部リンパ節を確認して、リピオドールを注入する方法です。注入器は、心カテで使うインディフレーターで代用できるそうです。本当に反則的な簡単さです。本当に通常の足先からのリンパ管造影の難しさ、時間を要するつらさは、身にしみていましたからねー。10人中1人程度でリンパ管造影名人がいる程度みたいです。
最後に平成7年から10年にかけて京都府立医大にいた頃、マドンナ的看護師さんの小林さんが来てられてツーショット撮らせて頂きました。そういえば、僕が鉄道病院に出る時も、写真撮らせていただいたのを思い出しました。