光りの「カナタニ」行くぞ!

日本の政治・経済・国防につてい情報発信します!
アジア情勢について情報発信します!
よろしく

「世界の警察官」を降りたアメリカ(Webバージョン)

2013年10月29日 15時50分44秒 | 日記

「世界の警察官」を降りたアメリカ(Webバージョン)

(2013年10月10日 Webバージョンにて再投稿)LIVERTY
 
 
 オバマ米大統領が正面切って、「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言した。シリア内戦への軍事介入の見送りを表明した今年9月の演説で飛び出した。戦後のアメリカ大統領としては初めてで、歴史的な“事件"だ。
 
 確かにオバマ大統領は、外国への武力介入を徹底してなくそうとしている。
 
イラクにいた米軍をすでに引き揚げ、アフガン駐留軍は来年に完全撤退させたい考えだ。シリアはもちろん、リビアやマリの内戦でも及び腰の関与に終わり、オバマ政権のある高官は「背後から導く(leading from behind)」という“迷言"を残した。
 
 幸福の科学の大川隆法総裁は、オバマ氏が大統領に就任する前の2008年11月、同氏の守護霊の霊言を収録している。その中で守護霊は「アメリカは世界の警察になるべきではありません」と述べ、地上に生きる本人と同じセリフを語った。
 
 守護霊は潜在意識の中にある「本心」なので、オバマ大統領はその導き通りに行動していることになる。
 
 

「神が与えた使命」をウィルソンが宣言

 アメリカの「世界の警察官」としての役割は、第一次大戦のウィルソン、第二次大戦のF・ルーズベルト両大統領によって確立した。
 
 第一次大戦までアメリカは、孤立主義の一辺倒だった。その背景には、アメリカ建国の父たちの理想がある。彼らは、「建国の理念である、個人の自由や民主主義の価値観を世界に広める使命が神から与えられている」と確信していた。
 
アメリカ独立宣言を起草し、第3代大統領となったジェファーソンは、「アメリカは人類すべてのために行動している」と語っていた。
 
 この思想が、アメリカ人が強く意識する「例外主義」「特別さ」(exceptionalism)の出発点だ。それを実現するために、権謀術数にまみれたヨーロッパの外交や紛争とは一線を画し、"純粋性"を保たなければならなかった。
 
初代大統領ワシントンは、辞任にあたって発表した文書でこう語っている。
 
「なぜ自立を捨て、他国に依存しないといけないのか? ヨーロッパの一部と同盟を結び、私たちの運命を他国にゆだねることによって、私たちの平和と繁栄がヨーロッパの野心や競争、利得、気まぐれ、急変に巻き込まれないといけないのか?」
 
 ワシントンは、外国に干渉しないし、されもしないという孤立主義を定式化した。これが建国の父たちの「遺言」であり、アメリカ外交の根幹だった。
 
 ところが、第一次大戦で第28代大統領ウィルソンは、ワシントンが腰を抜かして驚くような大転換を打ち出した。ウィルソンは「アメリカの理想を世界に広げるために、海外の紛争に積極的に関与しなければならない」と論理を180度逆転させたのだ。これを実行しようとすれば、アメリカは世界のあらゆる紛争に介入しなければならなくなる。
 
 第一次大戦後のパリ講和会議でウィルソンは、世界政府に近い国際連盟を提案し、「偉大な民主主義世界を築くことは、神が私に与えた使命である以上、私には選択の余地はない。ただ神の意志に従うのみだ」とうたい上げた。
 
 ウィルソンは牧師の息子で、暇さえあれば聖書をひもとくタイプ。講和会議に同席したフランスのクレマンソー首相は、ウィルソンが提案した14カ条の平和原則について、「アメリカは神の与えたもうたもの(十戒)に、さらに4つを付け加えようとしている」と揶揄した。
 
そればかりかクレマンソー首相は「ウィルソンは、本気でキリストと話していると思っている」と、ウィルソンを「イエスの弟子」であるかのように観察していた。
 
 ちなみに、今年7月に収録されたイエス・キリストの霊言でウィルソンの過去世が明らかにされている(大川隆法著『イエス・キリストに聞く「同性婚問題」』)。それによると、イエスの十二使徒ヤコブとヨハネ兄弟の父ゼベダイだったという。
 
 イエスの激しい気性を受け継ぐようなウィルソン大統領が訴えた「アメリカが世界規模での警察官の役割を果たす」というビジョンは、ウィルソン主義と呼ばれ、その後のアメリカ外交の理念となった。
 
 

第二次大戦を通じ「宣教師」兼「警察官」に

 しかし、ウィルソンの提案はその時点では、「警察官」としての行動まで伴わない「宣教師」にとどまるものとなった。孤立主義者が大半のアメリカ議会がノーを突き付けたためだ。
 
「地球のどこかで紛争が起これば、米兵が警察代わりに飛び出して行かざるを得ない」として、孤立主義に逆戻りした。
 
 その結果、第一次大戦後は、世界一の経済力と軍事力を持つアメリカが、再び海外の紛争に関わらなくなったために、ヒトラーのドイツ・ナチス軍の台頭を招いた。
 
アメリカを「警察官」へと押し出したのは、“内向き"の国民をだましだまし第二次大戦参戦へと導いたF・ルーズベルトの統率力だった。
 
 ナチス軍は、オーストリアやチェコスロバキアなどを次々と併合し、フランスも占領。ルーズベルトのアメリカは、イギリス陥落ぎりぎりのところで救援に入り、ソ連とも手を組んで連合国に勝利をもたらした。
 
ルーズベルトは、ウィルソンの唱えた理念を行動原理にまで落とし込み、終戦時にはアメリカを世界の超大国に押し上げた。
 
 戦後のアメリカはソ連の共産主義に対する防波堤となり、朝鮮戦争、ベトナム戦争を戦った。湾岸戦争、イラク戦争なども、ウィルソンの理念と孤立主義とを行ったり来たりしながら戦い続けた。これらの戦いはどれも、自由と民主主義を広げる「宣教師」であり「警察官」としての行動だった。
 
 アメリカの「例外主義」は戦後、自由と民主主義を広げる特別な使命を実行するためには、軍事力を行使するなど少々乱暴なことをしても構わないという形で発展した。それが世界38カ国の700以上の基地となって展開している。
 
 

オバマは欧米文明の終わりを目指す?

 オバマ大統領は、ウィルソン、ルーズベルト以来の伝統を断ち切ろうとしているように見える。いや、建国の父たちが信じた「特別な使命」をも消し去ろうとしている。
 
 オバマ氏は「アメリカは特別(exceptional)」と言いつつも、「アメリカの例外主義があるなら、イギリスやギリシャのそれもある」とも主張したことがある。他国との関係はアメリカが一方的に保護する関係ではなく、「対等なパートナーシップを求める」とも語っている。
 
 オバマ氏は、イスラム世界との確執や国内の人種差別問題などアメリカの負の面を謝罪するような発言もしている。
 
「アメリカはイスラムに対し、間違いを犯してきた。アメリカは完璧ではない」
「アメリカは国家として奴隷制や人種差別の遺物と戦っている」
 これらの発言は、オバマ氏の本音は「特別ではない」点にあることを示している。
 
 さらに言えば、オバマ大統領が目指すものは、「反植民地主義」にあるようだ。2012年にオバマ氏の子供時代からの思想形成にスポットライトを当てたドキュメンタリー映画「2016年=オバマのアメリカ」が公開された。この中でオバマ氏は、「欧米諸国がアフリカやアジアを支配し、搾取してきた500年間の白人優位の歴史を逆転させる思想の持ち主」として描かれている。
 
 共和党を支持する政治学者が監督しているため、割り引いて考える必要があるが、少なからずオバマ氏の「本質」をとらえているようだ。オバマ氏は、シカゴの貧民街で働いていた時代から黒人キリスト教会のジェレマイア・ライト牧師に師事し、信仰上の指導を受けた。ライト牧師は、人種差別と帝国主義のアメリカに対し「呪いあれ」と説法する過激活動家でもある。
 
「アメリカは世界の警察官ではない」という言葉の真の意味は、キリスト教文明による非キリスト教圏に対する侵略・虐殺・収奪といった「罪」を清算すべきだという点にあるのかもしれない。
 
 幸福の科学のリーディングで、それがよりはっきりする。オバマ大統領の過去世は、15~16世紀のアステカの王モンテスマ2世であることが明らかになっている(大川隆法著『2012年人類に終末は来るのか?』)。スペインの侵略を受け、国が滅んでしまった時のアステカ最後の王だ。その他には白人に滅ぼされたインディアンの酋長などの転生もある。オバマ氏の生まれ変わりの歴史は、キリスト教文明と戦い、敗れた悲劇の人生が多い。
 
オバマ氏の過去世、モンテスマ2世の霊言は2011年5月に収録されており、こう語っていた。
「白人は数百年にわたって、人種差別と優越感の下に、さまざまな悪業を積み重ねてきた。この間、アフリカ、アジア、中南米の人々は、差別と迫害と虐殺でそうとうな苦しみを得ているが、彼らには十分な『カルマ返し』が行われていない。だから、私がそれを成就する」
「私は、白人文明の最期をつくる」
 
 

2020年頃まで世界は大混乱

 オバマ氏は、アメリカ国内で多数派になろうとしているヒスパニックや黒人による後押しを受け、アメリカを「宣教師」や「警察官」の任から引きずり降ろそうとしているようだ。
 
 民主・共和両党の反目もあるが、オバマ氏が富裕層増税や福祉予算拡大にこだわり、国防費を毎年1000億ドル(約10兆円)規模で強制削減する事態を招いている。今年秋の予算不成立やデフォルト危機は、共和党保守派が悪役視されているが、もともとはオバマ氏の福祉国家化のプランが発端だ。
 
 イランの核開発問題では、アメリカの軍事行動を極力避けている。ロウハニ大統領当選後、オバマ氏のほうから書簡を送り、イランが望む制裁解除の道を開こうとしている。
 
 中国には「2020年には台湾を併合し、2030年には6隻の空母を持ち、2040年には西太平洋から米軍を追い出す」という構想があるとされる。そのために20数年にわたって軍拡を続け、軍事費を7倍以上に増やした。そんな中国にも、「核大国」の道を突き進む北朝鮮に対しても、話し合い最優先で、とにかく穏便に済ませようとしている。シリアの内戦やイランの核開発問題など中東にかかり切りで、外交・軍事の軸足をアジアへ移すリバランス(再均衡)政策は、雲散霧消しつつある。
 
 オバマ氏がつくり出すこうした「力の空白」は、大英帝国が凋落するなかヒトラーのドイツが席巻した1930年代のヨーロッパに似ている。ドイツ・ナチス軍が四方八方に攻め入り、それをどの国も止めることができなかった。今の時代のナチスは、中国であり、北朝鮮である可能性が高い。イランも出方によっては、中東で大戦争を起こし得る。
 
 オバマ氏の任期は2016年まである。残る3年間、世界はそんな大混乱を耐えなければならない。
 2017年に就任する次期大統領が「強い大統領」となることを期待したい。それでも、しばらくはオバマ氏の後始末に追われ、アメリカの復活はそこから2、3年はかかることだろう。2020年ぐらいまで日本にとっても世界にとっても耐え忍びの時期だ。
 
 

日本が神の正義の下に戦う

 日本はこの2020年頃まで、どう生き抜いていけばいいのか。
 アメリカが「特別」ではなくなり、「自由や民主主義を世界に広める使命」を一時的であれ放棄するなら、日本が今後それを担うしかない。
 
 アメリカ独立宣言は、「すべての人間は平等につくられ、創造主によって、生存、自由および幸福追求を含む不可侵の権利を与えられている」とうたう。これがアメリカの建国理念の根本であり、アメリカはそれを実現するために孤立主義になったり、世界で実現するためにウィルソン主義に転換したりした。そして、同じ思想が日本国憲法にも受け継がれている。日本国憲法13条に規定される「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」がその象徴。これは、敗戦国の武装を解除した第9条の規定などよりもずっと上位にある普遍的な概念だ。
 
 こうした思想の中に、「神の正義」がはっきりと現れている。アメリカが一歩退くなら、日本こそが「神の正義の下に悪と戦い、より良い世界をつくる使命がある」と宣言すべきだ。そして、日本も神の正義を実現する力となるべきだろう。
 
 ナチスに立ち向かったイギリスの首相チャーチルは、「ヒトラーは奈落の底から這い出した悪魔だ」と断言した。そのうえで「今度の戦争は人間の権利と独裁者の欲望との戦いである。一切の妥協はあり得ない」と宣言し、実際に独裁者を打ち倒した。日本にもそのぐらいの気迫が要る。
 
 

「日本にこそ正義あり」というぐらいの自負が要る

 自国民を10万人も殺して平然としているシリアのアサド大統領は、もはや悪魔の側に立っている。シリアの化学兵器の廃棄について米露がこのほど合意したが、化学兵器ばかりを目の敵にするオバマ氏は、通常兵器ならば国民を大量殺戮してもいいという“支持"をアサド氏に与えたようなものだ。アメリカ国民に生命、自由、幸福の追求の権利を与えた神が悪魔を許容するとでも言うのだろうか。
 
 中国や北朝鮮でも、国民の命が鴻毛より軽く扱われ、神から与えられた権利が踏みにじられている。13億人以上の人たちが、信教の自由、言論・表現の自由がない状態に置かれ、それに反した行動をとれば、生命の危険にさらされる。アメリカが今、動かないのであれば、日本に、神の正義に反する隣国の圧政と戦う義務がある。
 
 かつて日本は、アジア・アフリカの人々を苦しめた白人優位の植民地主義と戦い、たたき潰した。
 
 それ以前には、日本はパリ講和会議で「人種差別撤廃」の国際連盟規約案を提案した。その内容は、国内や支配領域で人種・国籍の違いによって差別しないことを加盟国に求める先進的なものだった。この提案に対する評決では、16人中、日本や中国、フランスなどの代表11人が賛成を表明したが、反対に回ったアメリカ、イギリスが画策し、議長のウィルソン米大統領が突然「不成立」を宣言した。それまでの評決はすべて多数決だったのに、ウィルソンが「重要な案件なので全会一致を必要とする」と“屁理屈"を持ち出したためだ。
 
 つまり、人種差別撤廃の理想を葬り去ったのは、「神が与えた使命」を自覚するウィルソンだったのだ。であるならば、「神の正義は日本にあり」というぐらいの自負を持っても構わないだろう。
 
 オバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」と表明した以上、「アメリカに守ってもらおう」という依存心を持つ政治家は日本にもう必要ない。ウィルソンのように神の正義とは何かを語り、チャーチルのように悪に立ち向かう真の指導者が求められている。
 
(綾織次郎)

「借金1000兆円? それがどうした」――安倍首相には、そのぐらいの気概が必要だ!

2013年10月29日 15時31分06秒 | 日記

「借金1000兆円? それがどうした」 (Webバージョン)

(2013年9月15日 Webバージョンにて再投稿)Liverty Web

 

 

(1)日本の財政破綻はあり得ない

「日本は世界一の借金大国」?

 安倍晋三首相が迷っている。予定通り来年4月から消費税率を8%に上げるべきかどうか。

 最も増税したい人たちは財務省だ。麻生太郎財務相に「増税は国際公約」と言わせ、日経新聞には「景気は底堅い」と書かせる。

 財務省の言い分は、「国の借金は1000兆円を超えた。世界一の借金大国だ。増税しないと財政破綻してしまう」というものだ。

 財政破綻とは、政府として借金を返せなくなること。その危機を旧大蔵省は1980年代初めから言い始め、95年には当時の武村正義蔵相が「財政破綻宣言」を行った。このときの政府の借金残高はたかだか225兆円。

 かれこれ30年も同じことを言い続けながら、その通りにならないということは、財務官僚自身もさぞ不思議に思っていることだろう。

 

 

財政破綻とは「外貨建て国債の返済不能」

 安倍首相の2代前の菅直人首相は在任中、「日本もギリシャの二の舞になる」と危機をあおっていた。確かに日本の国債残高の対国内総生産(GDP)比は約250%で、事実上財政破綻したギリシャが約150%。「日本が財政破綻しないほうがおかしい」という財務省や菅氏の主張は理屈が通っていそうだが、実際には、日本とギリシャの借金の中身はまったく違う

 そもそも財政破綻というのは、「外貨建て国債(外債)の返済不能」のことを言う。破綻したギリシャの国債は、ユーロ建てで外債の一種。2001年に財政破綻したアルゼンチンの場合も、ドル建て国債を返せなくなったものだった。

日本の国債はすべて円建て。「外債ではない」という一点で、日本の財政破綻はあり得ないことが分かる

 

 

政府は企業や家庭と違い、お金が刷れる

 円建て国債の場合、日本政府の子会社である日本銀行がお札を刷って国債を買い取ることができる。庶民感覚ではすんなりとは理解しにくいが、中央銀行にお金を刷らせれば、政府は借金返済や利払いから解放されるという“マジック"が使える

 一自治体でも一企業でも一家庭でも、お札を刷ったら通貨偽造罪(刑法148条)で捕まって刑務所に放り込まれる。日銀がお金を刷っても当然、罪にはならない。この仕組みがあるため、政府の借金と、その他の自治体や一般企業や家庭の借金について、比較してもほとんど意味がない。自国通貨建ての国債は、「最強の借金」で、他の事業体の借金とは比べものにならないのだ(もちろん無制限にお金を刷れるわけではないが、年4%程度以内の健全なインフレ率の範囲内ならば問題ない)。

 ギリシャやアルゼンチンのような外貨建て国債(あるいは共通通貨建て国債)ではこの“マジック"が使えない。ユーロやドルを勝手に刷ったら「犯罪」になるので、破綻せざるを得なかった。

 

 

自国通貨建て国債では破綻しない
これは歴史上の「法則」だ。

 例えばフランスのナポレオン軍と戦った後のイギリスは、国債残高がGDP比の3倍近くに達した。現在の日本の借金財政以上の“ひどさ"だが、イギリスは財政破綻しなかった。なぜなら、自国通貨のポンド建て国債だったからだ。

 一方で、第二次大戦後のイギリスは事実上の財政破綻に陥った。GDPの6割を戦費に投入し、それをアメリカからの借金でまかなった。アメリカに頼み込んで出してもらった借金なのでほとんどがドル建てで、戦後、イギリスは海軍の大艦隊を解体して空母や艦船を売り払い、借金返済に追われた。

 このように、政府の借金は、自国通貨建てか外貨建てかによって、天と地ほどの差がある

 

 

(2)日本の国民も政府も「世界一のお金持ち」

勤勉に稼ぐ日本国民が支え

 その差を別の言葉で言えば、「国民がよく働くかどうか」の差だろう

 ギリシャ国民は、自国内で消費するモノを自前で十分供給できず、他国からたくさん買っている。国民があまり稼げないと、政府の税収は上がらないし、国民の貯蓄も少ない。赤字の政府が借金しようとしても、国内で資金調達できないから、海外の金融機関から借りるしかない。

 日本国民は、天然資源などは別にして、大半のモノを自前で供給できる。加えて、製造業を中心に他国にも売ってお金を稼いでいる。それが1500兆円にのぼる個人金融資産として積み上がり、民間銀行や保険会社、ゆうちょ銀行などを通じて国債に投じられている。日本人の場合、各家庭は金融資産を預貯金で持つ傾向があり、その額は計800兆円余り。これはアメリカの全家計の持つ預貯金の1・5倍、ユーロ圏の全家計の持つ預貯金の1・2倍にのぼる。この「現ナマ」が日本国債をしっかりと支えている。

 財務省やマスコミは「国民1人当たり約800万円の借金!」と大騒ぎするが、「1人800万円も政府に貸しているすごい国民」という話にすぎない。

 日本国民は政府だけでなく、海外にもお金を貸している。その金額は世界最大なので、日本は「世界一のお金持ちの国」だ。

 勤勉に働き、稼ぎ続ける国民に支えられた日本の国債は、世界で最も破綻から遠いところにある

 

 

日本政府は資産が借金を上回る

 国民だけではなく、実は政府も「世界一のお金持ち」であることは、日本人にも他国の人にもほとんど知られていない。政府が持つ米国債など金融資産を差し引いた純粋な借金(純債務)は300兆円余り。道路や建物など固定資産についても差し引けば借金はゼロになって、資産のほうが多くなる。アメリカの場合、借金から資産を引いたら、借金のほうが1400兆円(14兆ドル)以上も上回っている。

 財務省がいくら「1000兆円の借金がある!」と声高に叫んでも、世界からは「日本政府の借金は、莫大な資産からすれば、まったく問題となる額ではない」と見られている。その結果が、1%を下回る世界最低水準の日本国債の長期金利。つまり、日本政府はケタ外れに安いコストで資金調達できる。投資家にとっては、世界で最も安心して投資できる金融商品で、人気が高いことを意味する。

 

 

(3)なぜ財務省は財政危機をあおる?

 不況下に緊縮財政と増税を強行してきた過ち

 これらの動かしがたい「事実」は、実は、2002年に海外の格付会社に対して出したレポートで財務相自身が言っているのと、ほとんど同じ内容だ。そのレポートは現日銀総裁の黒田東彦財務官の名前で出されているので、今は消費税増税を後押しする黒田氏が「日本は財政破綻しない」ことを百も承知だということになる。

 では、なぜ財務省はありもしない財政危機をあおるのか。

 歴史を振り返れば、近代以降の各国の財政当局は、深刻な不況下に緊縮財政や増税に突き進む過ちを繰り返してきた

 1929年のアメリカ発の世界恐慌後、日本の浜口雄幸内閣は緊縮財政と金融引き締めを採用し、マイナス成長の続く昭和恐慌に突入した。アメリカのフーバー大統領は株価大暴落後、銀行や企業の倒産を放置。落ち込んだ財政をまかなうため消費税導入を強行したが、1年後にGDPは半減し、1200万人もの失業者を生んだ。 

 近年では日本の橋本龍太郎首相がそうだ。バブル崩壊後の景気低迷の中、97年に消費税を増税。その後の15年間でGDPが50兆円以上落ち込み、平均世帯年収も100万円以上減った。

 バブル崩壊後は家計も企業も金融機関も、みな借金返済に必死になってバランスシートの健全性を高めようとする。そのため、お金を使うことに慎重なケチケチ・ムードが世の中を覆う。その中で政府も同じように借金返済したくなってしまうのだろう。しかしその結果は、国民の仕事や所得がみるみる減る深刻な長期デフレ不況という手痛い反作用だった。

 モノが売れないから、値段は下がる。お金を持ち続けるほど得になるので、さらにモノは売れない。そうやって経済が縮小していく。それがデフレ不況だ。その中で増税したら、モノはもっと売れない。デフレ期に増税は絶対にしてはならない、というのが歴史の教訓であり、鉄則だ

 

 

世界を覆う「貧乏神思考」

 しかしその鉄則が忘れ去られ、2008年のリーマン・ショック以降、世界恐慌後の日米やバブル崩壊後の橋本内閣のような「貧乏神思考」が世界に広がっている

 イギリスは2011年1月、財政を健全化しようと、付加価値税(消費税)を17・5%から20%に引き上げた。リーマン・ショックから回復軌道にあった英経済はマイナス成長に逆戻り。付加価値税だけでなく、所得税、法人税の税収が減り続けた。

 ユーロ危機の中にあるEUも、基本的に緊縮財政を加盟国に求めている。2013年1月に発効した新財政協定で、加盟各国は財政赤字をGDPの0・5%以内とするよう義務付けられた。これでは機動的な景気対策を打とうとしても、手足が縛られてしまう。

 アメリカは、巨額の財政赤字をめぐって民主党と共和党が対立するのが年中行事だ。オバマ大統領が景気対策として老朽化した高速道路などのインフラ整備を進めているが、「小さな政府」を唱える共和党議員の多くは、こうした財政支出に強硬に反対している。

 世界経済の安定的な成長に責任を負うはずの国際通貨基金(IMF)も、借金返済の強要が大好きだ。今年8月にも日本への政策提言をまとめ、消費税引き上げについて「計画通り進めることが重要」「15%まで引き上げるべき」と要求した。要らぬお節介とはこのことだ。財務省はそれを笠に着て、消費税増税を強行しようとしている。

 このように日本も世界各国も、政治の真ん中に「貧乏神」がどっかりと腰を下ろし、緊縮財政と増税を推し進めている。そのため、世界恐慌や昭和恐慌後と同じように、日本、アメリカ、ヨーロッパで経済規模が縮小していくデフレ不況が起こっている。

 

 

(4)国債はもっと発行できる

高橋是清とルーズベルトの“無茶な"積極財政

恐慌を克服した高橋是清やルーズベルトならば、「借金1000兆円? それがどうした」と言うだろう。

 1930年代の恐慌から日米の経済を救ったのは、それとは正反対の政策だった

 日本の高橋是清蔵相と、アメリカのルーズベルト大統領はそれぞれ、中央銀行に国債を買い取らせ、財政支出を一気に拡大して仕事を創出。縮小経済からのV字回復を果たした。

 高橋是清は回顧録の中でこう振り返っている。「借金が増えていく結果はどうなったかと言うと、一面、産業は大いに進歩し、国の富も増えたので、国債の増加も苦にならない」「国民の働きが増せばここに富ができる。前の借金ぐらい何でもない」

 高橋是清は、富(名目GDP)が増えれば税収が増えるので、一時的な借金は何ら負担ではないと割り切っている。

 ルーズベルトも同じ考え方を採った。ルーズベルトは第二次大戦の戦費も含め支出を何倍にも増やした。その結果、GDPは10数年で4倍となり、戦後の借金返済の負担は小さなものとなった。 

 一時的であれ、なぜこんな無茶ができたのかというと、先に触れたように、政府と、家計・企業・金融機関とでは、借金に堪えられる力がまるで違うからだ。自国通貨建ての国債は、中央銀行が買い取ることができる。

 政府の力は、いざとなったら異常に強い。だからこそルーズベルトは「我々が唯一恐れるべきことは、恐怖それ自体である(the only thing we have to fear is fear itself.)」と戒めた。高橋是清も「1足す1が2、2足す2が4だと思いこんでいる秀才には、生きた財政は分からないものだよ」と、財政の健全性ばかりを考える視野の狭い官僚たちを叱った。

 

 

今の日本でハイパーインフレはあり得ない

 日米欧では、企業も家計もお金を使わず、投資や消費が減って、仕事が少なくなくなっている。ここから抜け出すには、高橋是清やルーズベルトのように、政府がお金を出して仕事を創り出すしかない。ルーズベルトが任期中にGDPを4倍増させたように、政府が成長分野に投資するなら、もっと大量に国債を発行して構わない(アメリカと日本は一部それをやってはいる)。

 するとマスコミは「ハイパーインフレになる!」「1万円札が紙クズになる!」と騒ぎ出す。今の日本のメディアが既にそうだ。

 しかし、戦争などで生産設備が壊滅しないかぎり、お金の価値が暴落することはまずない。ハイパーインフレは、お金の価値が1年で100分の1ぐらいに下がることを言う。つまり、1万円札が以前の100円硬貨の価値になってしまうということだ。

 ただ、こういう激変は、戦争や内戦、あり得ないような失政で国内の工場や農地が破壊され、極度のモノ不足に陥らない限り起こらない。第一次大戦に敗北したドイツは、ルール地方などの工業地帯をフランス軍に占領され、生産力をほとんど失ったために、日用品の値段が1年で何億倍にもなった。

 国内の生産施設が壊滅的な打撃を受けた第二次大戦の敗戦直後の日本では、ハイパーインフレまではいかないものの、3年間でお金の価値が100分の1になった。しかし、現在の日本であれば、中国が核ミサイルを東京や大阪に何発も撃ち込まない限り、そうした事態は考えられない。

 ある経済学者によると、日銀がお金を刷りまくって、国民1人当たり1億円を配ったらハイパーインフレになるそうだ。ハイパーインフレを起こすには、そんなトンデモ政治家の登場を待つしかない。

 

 

世界の富を創り出す「繁栄思考」を

 日本には製造業を中心に、敗戦直後とは比べものにならない生産力がある。勤勉に働く国民もいる。冒頭述べたように日本の財政破綻はあり得ないし、かつ、平時のハイパーインフレはまずあり得ない。今ほど日本政府が国債を大量に発行して、新たな仕事や事業を創り出すチャンスはない

 日本政府として人やモノの流れを加速する交通インフラや未来性のある産業に大量の資金を投じるならば、世界的な景気低迷を吹き飛ばせるし、自動車や電機などに代わる21世紀の新たな基幹産業を創り出すこともできる。要は投資効果の問題だ。

 GDPを1割大きくするだけで、消費税を5%増税する分ぐらいの税収は、法人税や所得税として簡単に返ってくる。

 消費税増税を強行したい人たちは、「子供の世代に借金のツケを回すのか」と訴える。この時点で消費税を増税したら、各世帯の所得がさらに減ると同時に、医療や年金をまかなうために消費税は20%、30%へと上がっていく。

 今、日本が直面しているのは、子供たちにそうした「重税国家」を残すのか、さらなる繁栄社会を残すのかという選択だ。それは日本だけの問題ではなく、100億人になろうとする世界の人口が食べていけるだけの「稼ぎ口」を地球規模で創り出していかなければならないというチャレンジでもある。

 結局は、社会保障のために重税を課す国家をつくるか、人類の生活を支えるために経済規模を何倍にもしていこうとするかのビジョンと志の問題だ

「借金1000兆円? それがどうした」――。安倍首相には、そのぐらいの気概が必要だ。アメリカ大統領も、世界最強の軍事力の支えがあれば、もっとドル札や国債を刷る余裕はある。今こそ、「貧乏神思考」ではなく、富の創造を肯定し実現する「繁栄思考」が求められている

(綾織次郎)


日本にもアメリカにも必要な「パラダイムシフト」

2013年10月29日 13時40分51秒 | 日記

日本にもアメリカにも必要な「パラダイムシフト」

2013.10.28 (HRP)

◆米国の政府閉鎖

今回はこの場をおかりして、私がHS政経塾の塾生として参加させていただきました10月6~13日のワシントン・ニューヨークへ視察研修に行って感じたことを報告させていただきたいと思います。

まず、このような素晴らしい研修の機会をお与えくださり、普段よりご支援くださる方々、また研修において大変お世話になった方々に心より感謝申し上げます。

ご存知のとおり、その期間はちょうどアメリカでは政府のシャットダウン(政府閉鎖)が起きていたわけですが、これはアメリカ議会で予算案が通らず招いたものです。

私達は幸いにもアメリカ議会の議事堂に見学に入ることができました。私の不十分な英語力ではありますが、共和党と民主党の両党議員のスピーチを聞いていると、当然のごとく「責任は共和党側にある」、「いや、民主党が悪い」など責任の押し付け合いをしていました。

しかし、その様子を聞いていると、議論というよりも、むしろパフォーマンスをしているような印象を受けました。議論を前進させ、シャットダウンを少しでも早く終わらせようとする雰囲気はそこには感じられませんでした。

恐らく、公開された議事堂の中ではなく、「私達には見えない場所」で事態打開に向けた動きがなされていたのだろうと思います。

アメリカの大統領は民主党のオバマ大統領で、アメリカ議会の上院は民主党が、下院は共和党がそれぞれ多数を占めており、今回のシャットダウンは共和党が多数を握る下院において予算案の合意が遅れたことによるものです。

◆米国民の政治に対する不信

シャットダウンが終了した後に行われたアメリカCNNの世論調査によりますと、「共和党が下院の多数派を占める状態は米国にとって良くないことだと答えた人は54%」で、「昨年12月の調査に比べて11ポイント増加」しています。

「共和党のベイナー下院議長が辞任すべきだ」との回答は全体の63%、共和党員の中でも約半数に上っています。留任を望む声は全体の30%に過ぎませんでした。(10/22 CNN「米政府閉鎖解除後の世論調査、共和党に逆風」http://www.cnn.co.jp/usa/35038836.html )

このように共和党の議会運営に対して厳しい見方がなされているのと同時に、オバマ大統領の支持率も40%台は維持しているものの高くなく、連邦議会の支持率は12%と史上最低までもう一歩、不支持率は86%と史上最高に迫っており、連邦議会に対する支持そのものも非常に低く米国民の信頼を失っている状況です。

この政治に対する不信は、米国民の方々が、自分達の未来に対する希望を感じられないということを意味しているのではないでしょうか。

◆米国に必要な「経済成長の構想」

ここで私はワシントンで私達政経塾生にご講義を賜りました、『月刊ザ・リバティ』でもおなじみの伊藤貫先生がおっしゃったことを思い出さずにはいられません。

伊藤貫先生は『自滅するアメリカ帝国 -日本よ独立せよ-』で次のように指摘されています。

「過去三十年間のアメリカの所得と資産の配分に異常な歪みが生じ、人口のトップ一%層に所得と資産が集中してきた。その一方、アメリカ国民のボトム四割の実質所得は低下し、中間層二割の国民の実質所得は停滞してきた。(中略)オバマ政権も金持ち優遇政策を続けており、二〇〇九~二〇一一年、米人口のトップ一%層に所得と資産が集中する現象は、ブッシュ(息子)政権時よりも激化している。」

つまり、オバマケア等の社会主義色のある政策を行い「大きな政府」的な政策を進める民主党政権も、ティーパーティ運動等に見られる「小さな政府」を推し進めようとする共和党も、結果として一部の層に所得と資産が集中してしまった点では共通しています。

意外にもオバマ政権の「金持ちに厳しく、弱者にやさしい」という左翼的に見えがちなところは、実はこれまでのところ、心ならずもかもしれませんが、見せかけ部分が存在したということだと思います。

そしてアメリカの共和党と民主党がそれぞれ共通して示すことができないでいるのは、「国民全体が豊かになる経済政策と、経済成長の構想」ではないかと思いますし、アメリカの政治も今苦しみの中にあることを感じました。

◆最大多数の最大幸福

対して私たち幸福実現党は「最大多数の最大幸福」の追求という考え方を持っていますので、一部の特権階級のようなものができることを良いこととはしませんし、かといって、「魂の向上」という宗教的観点から「自助努力の精神」を大切にしています。

「結果の平等ではなく、機会の平等」を追求し、自由に競争するための「自由の領域」を大切にして、それぞれの個人の努力の結果に差がつくことを悪いこととはしません。ただ同時に、許容される貧富の格差には限度があることも事実です。

そして私は、幸福実現党がその宗教的価値観というベースから導き出された経済政策において「これまでに無かった新しい考え方」が示されているのだと思いますし、それこそが次世代をリードするものだと思っています。

◆幸福実現党の政策と米国視察で感じたこと

例えば「消費税増税中止」「大胆な減税」「安い税金」など「小さな政府」を目指し「自由の領域の拡大」を追求ながらも、同時に「200兆円未来国家建設プラン」など、積極的な財政政策や「インフレ目標の設定」などの金融政策をかかげています。

これは、実は「矛盾するものではなく、それを統合した全く新しい考え方」であり、これこそがグローバル化した貨幣経済の中において日本が取るべき「次の考え方」なのではないかと感じています。

私達幸福実現党は「自助努力の精神」や「自由」を大切に考え「小さな政府」「安い税金」を目指すことや「強いアメリカ」であることを支持しており、日本においても「強い国防体制構築」を目指すなど、アメリカ共和党の政策に近い考えを持っています。

ただ米国視察で感じたのは、「完全に共和党的であるか」といえば、そういうわけでもなく、また逆に民主党の考えとは全く一致しないというわけでもないということでした。

幸福実現党は、共和党に近い考えを持ちながらも、新しい考え方を打ち出していると言えると思います。つまり、私たちの政策は、既存の何かに単純にカテゴライズできるものではなく、全く新しいパラダイムを提示しているのだと思います。

そしてこの「パラダイムシフト」こそ、今世界で待たれているものなのではないでしょうか。もちろん同じ価値観のベースから出される政策でも、国や地域によって違いは出ますので、幸福実現党が日本で掲げた政策を、そっくりそのまま他の国に持っていくことはできません。

しかし「新しい価値観や考え方」を提示しているからこそ、それを実現するための政党「幸福実現党」が必要なのです。この「価値観や考え方」を転換する運動であるがゆえの「産みの苦しみ」を突破したときに、日本の未来が拓けるのと同時に世界にその影響がおよび、アメリカの未来をも拓く力になるのではないかと思います。

ただ、アメリカでは、それこそ街を歩くだけでも感じることのできる「愛国心」や「国に対する誇り」をはじめとして、学ぶことも多くありますので、良い面には学び、日本からも新しい価値発信を行えれば、と感じた次第です。(文責:HS政経塾第2期生 曽我周作)


中国共産党「自由」への弾圧激化⇒市民の「自由」を求める戦いが激化してる!

2013年10月29日 11時59分03秒 | 日記

「報道の自由」への弾圧を強める中国 自由の抑圧は滅びへの道

中国広東省の日刊紙「新快報」が、政府系企業の不正経理疑惑を報道して公安当局に拘束された同紙の陳永洲記者の釈放を求めていた問題で、27日、陳記者が「第三者から依頼を受け、記事を捏造して報酬を受け取った」と認めたことを受けて、同紙1面で謝罪文を掲載した。

新快報は、23日、24日と二日間に渡って、1面トップで陳記者の釈放を求め、公安当局を批判する記事を掲載していたが、一転してお詫びの姿勢に転じた。

しかし、具体的に誰が依頼をしたのかなど、肝心な部分は何も明らかになっていないため、「捏造したという発言は強要されたのではないか」という見方が強い。

 

実際、陳記者逮捕後の24日、共産党宣伝部門が国内メディアに対して「国営の新華社通信の配信記事と当局側の発表を掲載する以外は、独自取材による報道・論評は一切認めない」とする通達を出した(26日付読売新聞)。その通達以後は、新快報も記者釈放を求める記事の掲載を控えている。

この通達に従うなら、今後、中国国内のメディアはすべて、事実上、中国共産党の機関紙となる。

 

最近の中国は「報道の自由」の弾圧を強めている。

本欄でも紹介したが、中国は、国内の新聞やテレビなどの記者25万人に、マルクス主義などを学ぶ研修を義務付け、免許更新試験を実施するという。当局の意に沿わない記者は、一切記事を書くことが許されなくなるのだ。

 

このような言論統制は中国をどこへ導くのだろうか。

 

『アダム・スミス霊言による『新・国富論』』(大川隆法著)では、アダム・スミス霊が以下のように中国経済の限界を指摘している。

「自由な経済をつくるためには、『情報入手の自由』がなければならないんですよ。《中略》先進国になると、知識や情報をベースにした『智慧の経済学』に移行していくんですね。そして、智慧をつくるためには、『情報交換の自由』『情報入手の自由』が必要になるんです」「情報が自由に取れなければ、世界レベルでの、グローバル・ネットワーク下での経済を起こすことは不可能なんです」

 

今回の記者拘束事件の当事者である「新快報」は広東省に拠点を置いているが、広東省といえば、今年1月、共産党体制を批判する社説を差し替えられたとして問題となった週刊紙「南方週末」の発行元がある場所でもある。

広東省は、1979年から、中国の経済特区に指定されている、深セン(シンセン)市、珠海(シュカイ)市、汕頭(スワトウ)市を抱える。経済特区とは、外国の資本や技術の導入がしやすいように、他の地域の法律や制度を適用せず、外資系企業への税制優遇なども認められているエリアで、「報道の自由」「言論の自由」への意識も高い。

 

言論統制は、明らかに時代に逆行している。中国は経済発展のために、経済活動に一部自由を導入したが、この自由が一党独裁体制を揺るがすことを恐れているのだろう。しかし、自由を抑圧すればするほど、真実を求める国民の声は強くなる。インターネット上の言論弾圧も進んでいるが、すべてを取り締まることはできない。

 

仮に、言論の自由を完全に統制下に置くことができたとしても、その場合は、外資が中国から逃げていき、グローバル化に対応できず、経済の衰退が始まる。いずれにせよ、自由を奪い、国民を幸福にできないような体制は長く続くことはないだろう。中国が先進国になりたいならば、自由や民主主義といった普遍的な価値観を受け入れることだ。(佳)

 

【関連記事】

2013年10月24日付本欄 言論統制下の中国メディアが当局に抗議 「自由」を求める戦いが広がっている

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6841

 

2013年10月13日付本欄 中国で記者25万人が免許更新試験へ 安倍首相、おもねってる場合ですか?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6770


未来産業第一の矢⇒三井不動産が国内最大級の植物工場を建設

2013年10月29日 11時37分53秒 | 日記

三井不動産が国内最大級の植物工場を建設

不動産大手の三井不動産が農業ベンチャーの「みらい」と組んで、千葉県に国内最大級の植物工場を建設する。28日付日経新聞が報じた。

 

植物工場の延べ床面積は1200平方メートルになる。投資額の5億円は三井不動産が全額負担し、完成後はみらいが借り受けてレタスやハーブなどを生産し、4月から1日に1万株の出荷を見込む。

 

植物工場は生産性を高めるため、野菜の種類ごとに養液の濃度や流量などをコントロールするノウハウが必要だが、みらいはLED光を使った野菜の効率的な生産技術に強みを持っている。

葉物野菜の露地栽培は台風などの天候で収穫量に大きな影響を受けるため、三井は葉物野菜を安定して供給できる植物工場の需要が今後増加すると考え、遊休地の有効活用策として企業に提案する。

 

年間を通して栽培でき、ワンフロアに10段の棚をつくって高密度で栽培できる植物工場の生産効率は、露地栽培の100倍ほどになるという。

矢野経済研究所によると、蛍光灯やLEDなどの人工光を用いた植物工場の野菜の出荷額は、2009年の約40億円から2020年には約300億円と、7倍以上に成長すると見込まれている。

 

植物工場は使用する水の量を節約できるため、砂漠でもみずみずしい野菜をつくることができ、津波を受けた被災地でも塩害を気にせず農業を行うことができるなど、環境要因に左右されにくい。また、密閉空間で栽培するので無農薬で栽培できるなど、食の安全を求める消費者ニーズにも合致している。

何よりも生産効率が高いので、今後、人類が迎えるであろう食糧危機を救う大きな可能性がある。

 

大手企業の参入によって、植物工場の普及がいっそう進むことを期待したい。(居) 

 

【関連記事】

2013年10月5日付本欄 シャープがドバイに「イチゴ工場」!?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6738

 

2013年3月23日付本欄 福島県でJAが植物工場を導入 東北に未来型農業のモデルを作れ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=5768


「デザイナーベビー」の何が問題か? 遺伝子が人間の本質ではない

2013年10月29日 10時43分04秒 | 日記

光の「カナタニ」行くぞ

遺伝子操作ベビーの是非を考えたならば、科学技術の進化がうかがえるが、健康とか美形であればいいことなのか。

普通の容姿であっても努力して魅力的な人もいるし、頭のいい素質があっても努力せずに平凡になる人も多い。

本来、自分にふさわしいベビーが天の計らいで宿って生まれてくると考えるのが自然であります。

人間の遺伝子を人為的に操作することは神の意志とは違うものだし、人間の努力を奪う方向となる。

 

「デザイナーベビー」の何が問題か? 遺伝子が人間の本質ではない

「目が青く、背の高い子供がほしい」「頭のいい男性の遺伝子を引き継いだ子供がほしい」「スポーツが得意で体の丈夫な子供を授かりたい」

こんな親の願いをかなえてしまうかもしれない遺伝子技術に特許が認められた。


中国版「エリア51」初公開//米・中・露には宇宙人と軍事関係が?

2013年10月29日 10時31分46秒 | 日記

中国版「エリア51」初公開 入口に「機密窃盗は処刑」のスローガン!

アメリカ中央情報局(CIA)が8月にネバダ州の軍事基地「エリア51」の存

在を公式に認める文書を公開したが、その4日後、中国国営の新華社通

信が「中国のエリア51」ならぬ秘密の軍事基地の存在を暴露したと米華

字メディアの多維新聞(10月12日付記事)、台湾のWant China Times

(8月21日付記事)などが伝えた。