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ロシアが北方四島での「共同経済活動」を提案 試される安倍外交

2016年11月23日 17時29分23秒 | 日記

ロシアが北方四島での「共同経済活動」を提案 試される安倍外交

ロシアのプーチン大統領がこのほど、安倍晋三首相との首脳会談で北方領土における共同経済活動について話し合ったことについて記者会見で言及。領土問題よりも経済協力を優先するロシア側の姿勢が鮮明になった。

 

これを受けて、岸信夫外務副大臣は、共同経済活動について、「(領土の帰属問題が)解決できるのであれば、協力の形としては十分あり得る」と話した(22日付東京新聞)。

 

 

積極的なロシアと消極的な日本の温度差

北方領土での共同経済活動とは、具体的には、四島で盛んな漁業や水産加工業の振興、それに道路や港湾といったインフラ整備が想定されている。これについては、両政府が1990年代から実現可能性を断続的に協議してきた経緯がある。

 

ロシア側は以前から、共同経済活動は日露間の信頼醸成に有効だと提案してきた。しかし日本側は、北方四島がロシア領になったと認める結果になりかねないと応じてこなかった。ロシアは自らの法律の枠内で事業を進めるべきだという立場をとっており、日本の領土にロシアの法律を適用することは認められないと主張する日本とすれ違っている。

 

ロシア側の積極姿勢に対し、日本側は協議した事実を正式には発表しておらず、共同経済活動について日露間の温度差が浮き彫りになった。12月に山口県で行われる首脳会談でも議題に上る可能性がある。

 

 

日露協力で中露の分断を

日本にとってロシアとの経済協力は、中国をけん制する狙いもある。アジアでは、中国が南シナ海で軍備を拡張している上に、中国の支援を受ける北朝鮮が度重なるミサイルで日本を脅している。

 

日本にとっては、中国・北朝鮮の背後に位置するロシアとの緊密な経済協力関係をつくり、集団防衛体制を固めることが必要だ。現時点で、国防の危機を回避することは、北方領土問題以上に喫緊の課題である。

 

もちろん、ロシアに交渉で主導権を握られ、経済的に搾り取られるような事態は避けなくてはならない。だが、日本の最優先事項は「中国とロシアを分断し、尖閣、沖縄などの日本の領土を守ること」という認識が大切だ。

 

安倍政権は、中露の分断という安全保障、ロシアとの経済協力、北方領土返還交渉という複数の議題をどのように打開していくのか、外交力が試されている。

(小林真由美)

 

【関連記事】

2016年9月19日付本欄 中露が南シナ海で軍事演習 両国の接近は日本にとって死活問題

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2016年5月10日付本欄 安倍外交でプーチン大統領から得た成果は? 「新しいアプローチ」が必要なのは日本

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11309

 

2016年4月16日付本欄 日ロ平和条約に向け外相会談 中国・北朝鮮への抑止力につなげたい

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11199


トランプ氏「TPP離脱」明言 現代の「黒船」は日本にとって吉と出るか、凶と出るか

2016年11月23日 16時21分32秒 | 日記

トランプ氏「TPP離脱」明言 現代の「黒船」は日本にとって吉と出るか、凶と出るか

トランプ氏「TPP離脱」明言 現代の「黒船」は日本にとって吉と出るか、凶と出るか

 

 

次期大統領のドナルド・トランプ氏が21日、国民に向けたビデオ声明を発表。来年1月の大統領の就任初日に、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を通告すると明言した。

 

トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げ、次世代のモノづくりやイノベーションを実現してアメリカ人労働者のために富と雇用を創造する、と訴えている。

 

この声明に先立ち、安倍晋三首相は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで記者会見を行った。冒頭で、22日朝の福島県沖を震源とする地震への対策について述べ、その後TPPに言及。TPPによる自由経済圏の拡大の意義に触れ、早期締結に向けての意欲を語った。

 

トランプ氏がTPPに反対であることに対して、安倍首相は、「TPPはアメリカ抜きでは意味がない」「根本的な利益のバランスがくずれてしまう」とし、アメリカの参加を求めた。

 

 

「中国包囲網」としてのTPP

もともとTPPの真の狙いは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を通して覇権拡大を狙う中国に対抗するための、経済的な「中国包囲網」であった。これに、経済、軍事ともに世界No.1の大国であるアメリカが参加しないのであれば、本来の目的を遂げることはできないだろう。

 

次期大統領のトランプ氏の「離脱」宣言に加え、TPPを進めてきたオバマ政権が任期中に米議会の承認を得ることを断念。日本政府は対応を迫られている。

 

 

「TPP離脱」の真意を読む

トランプ氏は、「保護主義」に回帰しようとしているのか。

 

トランプ新大統領で世界はこう動く

トランプ新大統領で世界はこう動く

大川隆法著

幸福の科学出版

年初から、「トランプ新大統領誕生」を見抜いていた大川隆法・幸福の科学総裁は、トランプ勝利の翌日に行った法話「On VICTORY of MR.DONALD TRUMP(邦題:トランプ新大統領で世界はこう動く)」で、トランプ氏の考えをこう分析した。

 

ドナルド・トランプは、『関税制度すなわち輸入にかける税金は、外交上の武器の一つである』と考えているわけです。たとえば、中国の外交政策が気に食わなかったら、中国に高い税率を課すことができます。(中略)これは、"熱い戦争"を起こさず、銃弾もミサイルも第七艦隊も使わない"武器の一つ"です」(原文は英語。『トランプ新大統領で世界はこう動く』所収)

 

また、大川総裁はTPPについて、現時点では「二つの道がある」と指摘。その部分は、書籍に譲りたい。

 

 

トランプ氏と対等に渡り合う胆力が必要

大統領選以前は、弊誌でも、「TPPにアメリカを巻き込むべき」という論陣を張っていたが、中国に対して弱気なオバマ政権と、強気なトランプ新政権では、アメリカの「対中国政策」も変化する。今後、中国の覇権拡大を止めるという大きな目的を達成するために、日本も柔軟な対応が必要だ。

 

現代の「黒船」とも言えるトランプ政権の下で、今後日本は、在日米軍の駐留費などさまざまな問題で、難しい判断を迫られるだろう。

 

その時に、日本が今まで通りの従属的な地位に甘んじたままではいけない。生き馬の目を抜くようなビジネスの世界でのし上がってきたトランプ氏と対等に渡り合うだけの交渉術や政策、それを支える胆力が必要だ。

 

トランプ新政権が、日本にとって良いものになるか、悪いものになるか。それは、日本人の「選択」にかかっている。 (格/片)

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1767

 

【関連記事】

2016年11月14日付本欄 オバマ政権、任期中のTPP議会承認を断念 日本はタフな外交力を

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2016年11月5日付本欄 TPPへのアメリカ参加が、日本の安全保障にとって欠かせない理由

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12167