日露平和条約の交渉開始 北方領土の返還より、平和条約締結の方が重要
2019.01.15(liverty web)
北方4島。A歯舞群島、B色丹島、C国後島、D択捉島(画像はwikipediaより)。
《本記事のポイント》
- 河野太郎外相とラブロフ外相が、日露平和条約の締結に向けた交渉を開始
- 日露平和条約の締結は、ロシアとの関係を強化し、中国を牽制することが目的
- プーチン大統領の本心は「『日本防衛』も私の使命」
ロシアを訪問中の河野太郎外相は14日、ロシアのラブロフ外相と日露平和条約の締結に向けて、初めての会談を行った。
日本とロシアは、「平和条約の締結後、歯舞群島と色丹島を日本に引き渡す」とした1956年の日ソ共同宣言に基づいて、平和条約交渉を進めようとしている。そして両外相は、平和条約締結の交渉責任者に指名されている。
今回の外相会談で、ラブロフ氏は厳しい姿勢を示した。日本に対し、「南クリール諸島(北方4島)は第二次大戦の結果、ロシア領になったと認めること」「日ソ共同宣言にある歯舞群島と色丹島を引き渡した後、米軍が展開されず、日米安保条約は適用されないと法的拘束力をもって保証すること」を求めている。
一方、河野氏は「日本の主張を明確にロシアに伝えた。意見が一致していないところもあるが、今後の協議で一致点を見つける」とした。安倍晋三首相とプーチン大統領は22日、モスクワで首脳会談を行う予定となっている。
日露平和条約を早期に締結することが、最善の策
ロシアでは、プーチン氏に対する支持率が、60%台と低下中。最近の世論調査では国民の77%が領土の引き渡しに反対している。戦後70年以上、領土交渉が進展しなかったことも踏まえると、ロシアの譲歩を引き出すのは難しいだろう。
ロシアが求める通り、日本が「第二次大戦の結果、北方4島はロシア領になった」と認めれば、2島は返還されても、今後4島が返還される可能性はなくなるだろう。
だが、そうであっても優先すべきなのは、「中国包囲網」だ。日本にとって、日露平和条約の意義とは、「ロシアとの関係を強化することで、中国を牽制する」こと。
本誌2018年12月号「『日米露』で習近平を止める」や2019年2月号「2019年を『南シナ海』で読み解く」で特集した通り、近い将来、中国の軍事進出に端を発する第三次大戦が、南シナ海近辺で起こりうる。
それを想定すると、2島返還で手を打ち、日露平和条約を早期に締結してロシアを仲間にしておくことが、日本の国防上、最善の策だ。ロシアは、中国やアメリカ以上に核戦力を持つ。日露平和条約の締結によって、軍事面も含めたロシアとの関係が強化されれば、北朝鮮や中国に対する大きな抑止力となりえる。
プーチン大統領の本心は「『日本防衛』も私の使命だと思ってる」
一方日本では、「ロシアと平和条約を締結しても、期待通りに日本と協力して中国と対峙してくれるのか、信用できない」という声も出ている。
たしかにプーチン大統領は、政治的リーダーとしての実力があり、一筋縄ではいかない。だが同氏は、親日的で信仰心もある。中国や北朝鮮といった唯物論・共産主義国家の指導者たちとは、明らかに違う考え方を持っている。
大川隆法・幸福の科学総裁は2018年11月、プーチン氏の守護霊を呼び出し、その意見を聞いたところ、プーチン氏の守護霊は次のように語っていた。
「『日本防衛』も私の使命だと思ってるんだから。(中略)安倍さん、とろいよ、しっかりすべきだよ。ロシアは、別に、日本を占領しても、いいことなんか何もないから。する気がないので。仲良くすることで繁栄したいと思っているだけですから」
これまで大川総裁は、プーチン氏の守護霊霊言を5回行っている。いずれも中国の脅威に対処できない優柔不断な日本に、喝を入れる内容だった。日本は、アメリカに頼ってばかりの戦後体制を終わらせ、自らの国を守れる体制を整えることが急務だ。そしてロシアとも、強い協力関係を築くべき時期が来ている。
(山本泉)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『日露平和条約がつくる新・世界秩序 プーチン大統領守護霊 緊急メッセージ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2109
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