《ニュース》

5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会)で示された2025年の国防予算に、過去最高の1兆7846億元(約36兆7600億円)が計上されました。前年比7.2%増となり、伸び率は4年連続で7%を超えました。

 

《詳細》

中国の国防費は伸び続けており、国防費の発表が始まった1978年の167億元と比較して、今年の予算額は100倍超の規模です。これは日本の防衛予算案(8兆7005億円)の約4.2倍にあたります。

 

中国は2027年に軍創設100年を迎えることから、李強(リー・チャン)首相は5日の政府活動報告で、「建軍100年奮闘目標」に向けて「全力を尽くさねばならない」と強調しました。

 

李氏は、「新たな質の戦闘力」を強化する方針を示しており、国防予算は宇宙やサイバー、人工知能(AI)など、ハイテクを駆使した軍事力の開発に重点投入されると見られています。

 

一方で、実質経済成長率の目標は前年と同じ「5%前後」に設定。国防費の伸び率は経済成長率を上回り、経済減速の中でも軍備増強を優先することを示しました。

 

また、6日付日本経済新聞は、習近平指導部は「米軍との戦力差が大きい核戦力の増強を重視する」と言及。中国が保有する運用可能な核弾頭数は2024年半ば時点で600発、30年までに1000発に達するという米国防総省の試算(24年12月発表)を紹介し、核戦力の増強に予算が使われることを指摘しました。

 

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