自民、公明、維新の3党が合意した「高校授業料の無償化」。子育て世帯の負担軽減になると歓迎する声が上がる一方で、バラマキ政策の加速や、私立校への人気が集まることによる「公立離れ」の助長など、教育無償化の評判はかんばしくない。ただ、この政策のアイデア自体は、左翼の教祖に当たるカール・マルクスの著作『共産党宣言』に書かれたものであり、左翼思想と極めて密接に関わっている。

 

バラマキや格差是正論などの根本問題に迫った本誌2025年3月号では、「究極のすねかじり男 マルクスの呆れた生涯」と題し、マルクスの人生を掲載(「もらってばかりの人生は駄目! バラマキ亡国論 ──『なお、一歩を進める』の読み方(2) - Part 1」 )。共産主義がいかに人間を堕落させるかを示した。本欄では、誌幅の関係で盛り込めなかったマルクスのエピソードを紹介したい。

 

まず、大川隆法・幸福の科学総裁は共産主義の発生原因について、霊的な問題があると喝破している。

 

すでに学生時代の受験競争や、恋愛、自分の取り扱いについても、『呪い』は発生する。大人になって、政治運動をやっていても、『格差社会』とか、『新自由主義は間違っている。』『お金持ちにもっと税金をかけろ。』『MMT理論 お金をバラまけ』とかいろんな政策が出まわっているが、その中に、確実に、現代の『呪い』がこめられている。『共産主義』の発生そのものが、呪いである」(著書『呪いについて』/まえがき)

 

この「呪い」という宗教的真実から、マルクスの青年期にスポットライトを当てると、格差是正のバイブルである『資本論』を著す萌芽が随処に見られるのだ。

 

実はマルクスはもともと、詩人を志していたほど、多くの詩を書き残している。マルクスの言説を経済学的に分析する専門家があまり注目しない「マルクスの内面」に迫ると、「未来の悪魔化」を匂わせるものがいくつかあると、米保守派の間などでは長らく指摘されてきた。