上記の画像は先日の美術展で展示されていたコミック誌です。
上にあるのは『ガロ』下は『COM』です。共に創刊号の表紙です。
『COM』の表紙は「火の鳥」の一場面ですね。『ガロ』の表紙は何の劇画でしょうか。白土三平が描く劇画にはこのような場面が多くあるので、作品名は私には判断が出来ませんが、ヒントになるものがこの表紙にあります。
ガロの創刊号は白土三平傑作選集①と銘打って次の作品が載せられているのです。
「ざしきわらし」、「赤い竹」、「陽忍」、「くぐつ」。
以上の4作品です。おそらくは「陽忍」と「くぐつ」のどちらかの作品の一場面でしょう。
私たちの学生時代には「ガロ」はよく読まれていた劇画誌でした。仲間内の誰かがそれを買うとみんなで回し読みをしたものでした。そして、その内容をお互いに話題にしたりしたものです。いっぱしの「劇画評論家」を気取っていたわけです。
さて、そのような時代の中で白土作品から自分の筆名をとった友人がおりました。「カムイ伝」と「ワタリ」からとったのを筆名にしたのです。
アイヌ語の「カムイ」を日本語の「神居」にしたあたりは、今思えば中々のセンスですね。
展覧会での「ガロ」を見ながらこんなことを思い出したのでした。
追記
アイヌ語はそもそも書き言葉を持たない言語ですので、「カムイ」と書かれると、それは日本語表記なのです。
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