1月1日は、京都府八幡市にある石清水八幡宮に初詣に来ました。













店内では、いつもは甘酒やぜんざいやうどんなどのメニューが頂けますが、12月31から1月6日までは"走井餅のほうじ茶セットのみ"の提供になっています。


走井餅は江戸時代中期の明和元年(1764)に大津で創業、湧水「走井」を用いて、初代井口市郎右衛門正勝が餡餅を作ったことに始まります。走井は、成務天皇の産湯に用い賜れるほどの名高い水でありました。


刀の荒身を模した独特の形は、平安時代に名を馳せた刀鍛冶・三條小鍛冶宗近が走井で名剣を鍛えたという故事にちなみ、剣難を逃れ、開運出世の縁起を担いだものと伝えられています。



歌川広重「東海道五十三次」の大津宿にも描かれた大津名物走井餅は、明治43年(1910)6代井口市郎右衛門の四男嘉四郎によって、名水で名高い石清水のふもとへ引き継がれました。
やわたへ受け継がれほどなくして大津の本家は廃業しました。
その跡は現在、月心寺となっており井口家の生家で、走井餅発祥のその場所には、今でも滾々と走井の名水がわき続けています。
なお本家廃業と同時に、当家が直系唯一の走井餅となりました。
大津では明治天皇へ、やわたへ移ってからは昭和天皇へ献上された由緒深い走井餅です。
大津で150年、やわたで100年。かつての大津名物は250年ものときを経て、石清水八幡大神のご加護と、石清水八幡宮のお参りに欠かせない"やわた名物"として欠かせない存在の和菓子となっています。
石清水八幡宮境内や各所では臨時の販売所が多数設けられています。
走井餅自体が柔らかく形が崩れやすいので、本店以外では箱売りで販売されています。
こちらで休憩後、ケーブルカーで石清水八幡宮へと向かいます。