平成29年8月7日 撮影
手前が 美術館 奥が 郷土資料館
美山郷土資料館 この資料館は、私たちの祖先が永い間、営々と暮らしてきたなかで使ってきた数々の道具を収集し展示しています。美山町全域に電灯がついたのは昭和11年、ランプが不要となり、続いて戦後、とりわけ高度経済成長とうたわれた昭和30年代を境にして、農業や林業に機械が導入され始めました。また家庭生活の中にも電化製品が入り込み、プロパンガスや水道が普及してくると、今まで想像もできなかった便利な生活が展開されるようになりました。それに連れて今まで大切に使われていた農具や山仕事の道具、生活用具などは捨てられ、あるいは押し入れや納屋の奥に追いやられてしまいました。しかしこれら昔の道具を、学校の教材として未来へ残そうと、地元、宮島小学校の昭和46年度卒業生は、卒業記念行事として収集・保存に取り組みました。PTAも全面的に協力し、昭和49年度に校内に立派な郷土資料室をつくりました。また鶴ケ丘地区でも同様の声が上がり、小学校の同窓会が中心となり、旧校舎を活用して資料館を開設しました。しかし平成になり両行とも校舎の全面改築が行われ、そのまま地元の倉庫に収納されていましたが、この状況を憂うる声が町内各地からあがり、各地区自治会長連名での郷土資料館を建設するよう美山町に要望書が提出とれました。期を一にしてこのかやぶき民家が空き家となったので町が購入し、1棟を美術館に、1棟を郷土資料館に充てることとなり、平成11年8月、郷土資料館設置委員会を設立。およそ半年間にわたり資料の搬入・整理・陳列などの作業を続け、平成12年の開館にこぎつけることができました。スペースの問題などもあり完璧な資料館とはいえませんが、遂次内容の充実に努めてまいりたいと考えています。先人たちの決して快適とはいえない暮らしのなか、展示された道具から、時代を生き抜く汗と知恵と工夫が見えてきます。すべてがスイッチ1つ僅かな時間で片付いてしまう現代の環境を見つめ直し、人間にとって本当の暮らし方しは何か、今一度見つめ直す空間となれば幸いです。
こちらは 美術館
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