昨日、私がかなり真剣に探し物をしていた時、
スマホが鳴りました。
表示を見ると、N先生からでした。
「なぜ、今???」
と、不思議に思い、電話を取りました。
N「お母さん、火曜日は補習できなくて申し訳ありませんでした」
わが子と約束していたのに、補習できなかったそうです。
私「いえいえ、ご丁寧にありがとうございます」
N「様子どうですか?共通テストのこと、
何も言わないので、気になっています」
私「実は、マークミスと言いますか、中央が塗れていなかった
ようで、失敗したみたいです。
でも、今はきもちを切り替えて勉強をしています」
N「そうですか。私立にすると言うことですね」
私「はい。親としては国立に行って欲しかったのですが、
本人は本命に点が届かなければ、
私立に行くと決めていたみたいです」
N「確かに学費が違いますからね。
親御さんは国立に行って欲しいお気持ちはわかります。
でも、通うのは、本人さんなので、
本人の納得した進路に進んだ方がいいです。
それに国立合格して辞退は避けて欲しいので」
私「せっかく自己最高点だったのに。
でも、あの点数では、二次との合算は通用しません」
N「お気持ち、わかりますよ。
彼女は本当に頑張っていました。
あんなに頑張った受験生を知りません。
それぐらい頑張っていました」
私「家庭教師もそう言われましたが、
やはり結果が出ないと、学校は信じてくれませんから」
N「確かにそうですが、補習を担当した僕から見れば、
かなり急成長でした。
後輩たちに頑張った先輩として話して行きます」
私「わが子は、本当にN先生が好きでした。
N先生のためにも頑張ると、
頑張っていましたが、届かなくて申し訳ありませんでした」
N「いえいえ、気持ちはわかっていました。
僕は彼女のことをずっと忘れません」
私「ありがとうございます」
N「成人式も僕は出席しますから、
卒業しても、あと1回は会えますよ」
私「そう話していました。
それを励みに頑張ると思います」
N「お母さん、今の時代この職業だから安泰と言うわけではありません。
医師はかなり勤務が過酷ですし、
病んでいる人も多い職業です。
知力、体力もメンタルも必要です。
そういった意味でも、僕は頑張って欲しいと思いつつ、
彼女が心配でもあったのです。
なら、他の職業なら大丈夫なのか?
これも不透明です」
私「そうですね。20年前の教職はかなり人気がありましたからね」
N「そうです、今はなり手がいない不人気な職業となりました」
そしてわが子と電話を替わり、
卒業式で一緒に写真を撮る約束をされたそうです。
N「彼女には、笑顔で合格報告待っていると話しました。
きっと合格しますよ。
あんなに頑張った生徒はいません。
胸を張って前を向いて欲しいです」
私「ありがとうございます。
また、卒業式によろしくお願いします」
N先生、少し涙声でした。
わが子が中3からずっと好きな先生で、
ご本人もご存じでした。
わが子は初恋で、恐らくこれ以上好きな人は出来ない
と言うほど、態度には出さなくとも
真剣に好きでした。
恐らくその気持ちも受け止め、
補習をされていたのでしょう。
ある意味、わが子は特別な生徒だったのかもしれません。
ただ、他の生徒の手前、
補習やちょっとした声掛け程度で、
友人からは特に何も言われなかったようです。
わが子は、告白をすれば、先生は返事をしざるを得ないので、
告白をしないと決めています。
ある意味、意志が固い。
N先生は、わが子にとって青春でした。
とても素敵な思い出をありがとうございました。