堤保有つれづれ日記

つれづれに感じること

ローカル紙・・・資料収集

2010年12月09日 | 日記

 先日たまたま川内原発3号機の増設に関し薩摩川内市議会で住民投票を問う直接請求が否決されたという記事を南日本新聞で見た。
 名古屋市での河村市長と議会との対立による議会解散を求める住民投票、阿久根市でのやはり議会と市長との対立に起因する市長のリコールなど、首長、議会、住民とが関係する地方自治体の問題が起こっている。
 住民が自治体の行政に物申すことができるもう一つの制度として直接請求権がある。直接請求権とは住民が事の是非を問う住民投票を行うための投票条例の制定を地方議会に求める請求である。
 このことは、今の地方自治に住民(市民)、議会、首長(行政)のいずれの側にも問題があることを示しているものと思われる。
 今日は、このことには触れず、別の機会に譲りたい。

 名古屋市と阿久根市につてはその経過の中で全国的に、新聞やTVで取り上げられた。
 直接請求も関連する問題なので近頃の事例はないかと考えていた。
 しかし、薩摩川内市の場合はそれほどではなく、知ることができなかった。
 そこで、ネットで調べたところヒットしたのが南日本新聞である。南日本新聞は鹿児島県に本社を置く新聞社である。

 約30年位前資料収集に苦労していたころを思い出した。今のようにインターネットはなく、全て紙ベースの資料しか無い。行政資料などはその該当する行政区域内にしかない。それを探し出すのは至難の業であった。その地に行くしかない。
 東京都の市や町については主要な課題については東京都がまとめ、印刷物として発行していた。従って、一番そろっている都庁の資料室は格好の情報源であった。
 しかし、毎回行くのも大変であり、調査漏れがあれば再度いかなければならない。
 ある日、図書館についての質問をするための準備をしていた時、市政図書館の存在を知り、日野市が市役所内に優れたものを持っているということが分かった。以来、まず日野市に行き調査し、そのうえで都庁に行った。大変に効率が上がったのを覚えている。
 立川市でもと思ったが、手狭な旧庁舎では無理なので、新庁舎建設の折にはと期待していたが、残念ながら貧弱な資料室しかない。

 東京都の場合はよい、地方都市の先進事例を調査する場合はどうかと言えば、行くしかない。そこに視察の必要性が生じる。直接行って、話を聞き、資料を頂いて来るしかない。従って、帰りの鞄は三市も回ると一杯になり、その重さに閉口したものである。
 都内の自治体の場合は日野市で事前調査を行い都の資料室で再度調べるということができたが、地方都市の本当に先進的・先駆的事例はその情報が限られており、専門誌や新聞でその一角しか知ることができない。
 正にそこに行くしかなかった。

 PCも次第に進化した。
 そこで登場したのが、パソコン通信である。
 パソコン通信と言っても知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
 パソコン通信会社--当時の大手業者は富士通のNIFTY SERVEとNECのPC-VAN--と直接電話回線で直接つなぎ、会員登録が必要であった。
 サービスの内容はメール、掲示板、ファイルアーカイブ等であった。
 その時使ったのがニフティーの新聞記事検索である。もちろん有料で、1字幾らというものであった。
 従って、あまり重要でないと思われる記事はタイトルとリードだけダウンロードした。

 全国紙から地方紙まで相当の数の新聞の記事検索ができた。
 そこで初めて地方紙と出会った。全国紙であまり詳しく報道されていなくとも地方ではそれなりの関心があり、それなりの記事である。
 特に、地方というには失礼にあたるが、名古屋・中部の中日新聞は名古屋・中部に関する記事では他の全国紙を圧倒している。
 現に、立川市で中学校給食を推進した時、類似の方法で実施している名古屋市を視察した時中日新聞は大いに役に立った。

  地方紙と言っても何紙かあり、それなりに論調が異なり比較検討もできる。
 今回の川内原発の増設、直接請求についても、南日本新聞、西日本新聞の両方を見た。
 そらの地方紙の記事を読み、視察に値するかどうかをも含め検討し、事前の準備をした。
 余談だが、地方紙には歴史と伝統と独特の気質があり大変に個性のある新聞がある。残念ながら名紙の中には資本量に押され廃刊されたものも多い。私の思い出の新聞では秋田魁新聞などである。
 立川市の図書館にも数紙置いてあるので一読することをお薦めする。

 さて、現在はネットの時代である。情報はあふれている。玉石混交の情報の中から質の高い有益な情報だけを集、何を調査すべきかを考え、質問を体系的にまとめ、事前に質問事項をA4一枚程度にまとめ、追加の資料要求も含め送っておく。当然事前に読んだ資料名は知らせるようにする。
 用意周到な自治体は、それらを基に回答書を背本誌、資料を揃えて待っていてくれる。
 視察を受ける側も、こちらの理解度もわかり、的確な説明で、視察も効率的・効果的にできる。
 視察報告書も当然充実したものとなる。

 視察は議会改革の重要な要素であると思う。
 視察の目的、その自治体を選んだ理由、特にその市でなければならない理由、参加者名、視察報告書本体を市議会のホームページで公開すべきである。

それを前提に、議員の人格向上に寄与するようなその地ならではの楽しみ方もある。