小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

 十一月十五日

2012-12-14 | 嘉永二年
 
今日は風が少々穏やか。
昼前、昨日の後片付けをしていたら、栄谷才二郎が樫の棒五本と籾を持ってきた。
あり合わせの酒を呑ます。
会日だったが気分が優れないので、昼前に札川、富永、山本らに断りに行かせる。
昼過ぎには山中殿(家老)から内祝いを送ってきた。大さら盆のような物が二つ。
これは筑後守殿の六男大輔どのが結構におなりになったゆえの一位様(第十代紀州藩主・徳川治宝)の思し召し也。
北野杢右衛門は並高の通りになり、今晩、主人と岩一郎にも来てくれとのことで主人だけが行った。
岩一郎は文斉、仁達らと鷺の森(神社)に参った。
権四郎が来て酒を出す。つれの男も来る。権七もくる。
安兵衛が箱や徳利を返しに来る。
城ノ口で米を五升取る。一斗五升は跡からということ。
黒田のお鹿が浄瑠璃本三冊を返しに来る。
夜、万次郎本を読む。
十二時前に主人が帰宅。
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 十一月十四日

2012-12-13 | 嘉永二年
 
今日は同僚の集会だ。弁書の調べをするのだ。
正午からみんな来る。
山本両人、伊藤、志賀、久下、岸、鳴沢、今福山本、岡本、榎本、村井、鈴木、田中等が来た。
全部で十三人也。
お勝手では、八百助、良蔵、権七らが手伝い、小梅大忙し。
非常に風が激しく吹いて大いに困った。
岩橋より酒三升届き、また、榎本は京水(銘水?)二と鯨身少々持参した。
すべて使った。
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十一月十三日

2012-12-12 | 嘉永二年

十一月十二日   記載無し

十一月十三日 
大風が吹く。
しかし、今日はかねてよりの約束なので下村に行く。
夕方、芳右衛門殿が誘いに来た。御前零時過ぎに帰る。
長崎の菓子を少しだけ貰った。



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十一月十一日

2012-12-11 | 嘉永二年
 
昼前から野呂が来る。酒一升取る。飯を出す。
権七は伊勢参り。
庄兵が来て煙草を一匁二百文で買ってくれという。
直ちに二枚渡す。炭を一俵遣わす。
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十一月十日

2012-12-10 | 嘉永二年
 のち
快晴だったが昼頃から曇り、夕方からは雨となる。
夕方から主人は吉田庄太夫(勘定組頭)へ行く。
今日は忙しい一日だった。
昼頃、了吉が来たのでご飯を出していると山半が染め上がった黒羽二重を持って来た。
男物の小袖を一つ買う。代金が六十五匁というのを五十六匁にまけてくれた。
また、熊野屋から割木が届く。代金が二十匁で、割賃が二匁だ。
二時過ぎに若右衛門殿来る。酒をあてなしで出した。
良蔵が取りに行って四時頃帰る。
その後へ淺之助どのが来たので有り合わせで一つ出す。
母君は金比羅参り。
岩一郎は書物屋に行く。文斉の左伝が四十五匁。本の名前はわからないが千太郎も取った。

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