たらいまわし

H15年　トヨエース　XZU412　ユニック積載車

電気式のPTOでスイッチを押しても入らない、入ってもすぐにポンプ駆動が抜ける。
なんだ15年車ばっかりじゃないか。

点検ではスイッチ、リレーともに問題なし
PTOギヤを引くバキュームが弱いのか？と



バキュームポンプ以下から直接つなぐも断続的に入/切を繰り返す。
そして入るときのギヤ鳴りがひどい。




覚悟を決めつつ、オイルを抜くと異常に少ない。
漏れてるわけでもないし、思っていたほどの汚れでもない。
ただトヨタ車ってドレンに磁石付いてる車両少ないよね？
だから鉄粉の量が不明。
で、オイル量測ったら1.5Ｌ、あきらかに不足でPTOの入力ギヤまで浸ってなかったんじゃないかな？




ほらね、正規は4.5Ｌ
トヨタさんとお付き合いがある業者さんだからずっとそこで整備してるけど
量間違えるモン？




そして脱着し、原因判明。




バキュームで引っ張る部分のダイヤフラムが破損、亀裂も多数。



こら抜けるわね。







これじゃぜんぜんわかんね
奥のギヤも手前も変な削れや当たりもなし。
大丈夫そうです。




部品がそろったら




組みます










順番通りに組み付けるだけ。




オイルも正規量入れ、ギヤ鳴りも収まり、スコッと気持ちよく入り保持。
点検して納車しました。

業者さんの従業員さんと仲がよくて今回の件を相談されました。
ユニック持って行くとこれはうちじゃないからトヨタさんで見てもらって。
で、トヨタ持って行くと、ユニックさんじゃないとわからんからそっちへ・・・
たらいまわしされてえらく御立腹です。
しまいにゃ暫く積載車使わなかったそうです。トヨタ純正PTO,

トヨタの肩をもつわけではないですが架装大手のノウハウもあるユニックがやるべき仕事だと思いますがね。
話の中でトヨタはトラック見たがらないってのも聞きましたし、何やってんだお前らってのが正直なところ。

同じ業者さんから仕事もらってお金をもらう。
内情知ってるからこそ、それでも任せてくれる、光栄だと思ってます。

故障も車それぞれ

H15年　NPR72PR　4HJ1

エンスト、ハンチング、出力不足
2速で発進が困難なほど乗り辛いエルフを引き取ってきました。



静止画で何もわかりませんが、ハンチングによってコモンレールの実圧や目標値、補正値、噴射タイミング等
バラバラで故障の原因といえる基準が掴みづらい状態。
そのなかで一番、故障の可能性を疑っていたSCV




プラマイ250rpmの振れ幅にもかかわらず、SCVは基準値内。




回転数を上げていくとSCVデューティー比、電流値も下がっていく。
これも正常値。
さらに言えばコモンレール実圧、目標値も正常値に。
フューエルエレメントは3万キロ以内に確実に交換してますので詰まりは除外。

しきい値のズレが全く無いので、サプライポンプ、SCV、に問題は無いと判断。
となると残りはインジェクターとなるわけですが、この部品の不良でハンチングは経験がありません。



というわけで、インジェクター単体停止のアクティブテストで故障の裏付け。
ハンチング下限（500回転以下）でスタートタブを各気筒順で試していくと・・・

1.3番インジェクターはそのままエンスト
2番は変化が見られず、4番は止まりそうになりながらも何とかアイドリング継続。

ん、インジェクター不良ですね。
大至急リビルトを取り寄せます。



NPRだからワイドボディ、中腰はキツイ。




いつもの作業なので割愛したいのですが、イヤなものが。。




構造的な欠陥、というよりブローバイミストと排ガスが混ざればこうなるのは誰でもわかるのに
こうせざるを得ない大人の事情。
もちろん掃除しますが










立体的に詰まったこいつは多分、コーヒー缶一杯分はあると思います。
掃除機で吸える部分のみの清掃です。




こんなもんバルブに挟まったりした日にゃ鳥肌モンですね。




全部洗って




リビルトが到着




締め付けようとトルクレンチ出したら電池無いんでやんの。
2年が限界か



燃料系統はシビアに管理




組み終わったらエンジンかけます。
これがエアも噛んでるので掛かるまでブスブス言ったりして
誤診かやらかしたか！なんてハラハラします。
もちろんちゃんと落ち着いて完了です。






SCVの振れ幅も振動もほとんど無くなりホッとしました。

故障診断の追い方の一つの例です。
参考になるなら活用してください。