小学校の学芸会で安寿お姉さまから厨子王役の僕へ、何十年ぶりの
手紙が届く、ほとんど毎年同窓会出席の彼女が欠席するという。僕も少なからず
毎年彼女が出席なのか気になる。僕は小学生の頃、体が小さく前から1,2
番を争っていた。なにしろ7・5・3の着物がまにあったのだ。
一方彼女は女の子のなかで後ろから1、2番である。劇中お姉さまと
いって抱きつくシーンがあったが、駆け寄ると彼女の胸に僕の顔があたる。
他の子たちに冷やかされこのシーンはカットされたと記憶している。でもこの
思い出は「安寿と厨子王」のドラマ「山椒大夫」の悲しい内容以上にシニアに
なっても、楽しい、懐かしい素晴らしい経験だった。