切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 六十余州名所図会 但馬 岩井谷窟観音

2014年10月09日 | Weblog

「但馬 岩井谷窟観音」 

岩井谷窟観音は、兵庫県朝来市岩津にある鷲原寺の奥の院として、寺から渓谷を1キロほど上流にいったところにある。そこには高さ六〇メートル余の大岩壁が立ちはだかり、その岩中の大洞窟に十一面や千手観音像を中心に多くの御仏が祀られてあり、これらを総称岩屋観音と呼んでいる。画面右下に渓谷の清らかで流れの早い、水音をたてる滝を描き、左上には岩のみの静かな峻嶺を描く。この二つの間に寺の堂宇を点在させ、森厳たる山奥の趣を巧みに描写している。山間から這い出てきたような赤い「すやリ霞」が次第に拡がって、中央がさながら白雲の如くなっているのは、自然さがあって生きた構図を形成している。

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