「切らずに治す脳卒中」日本脳神経血管内治療学会前々会長ブログ
第31回日本脳神経血管内治学会学術総会会長のブログ
会期:2015年11月19日~21日(無事終了しました)




山陽新聞の夕刊コラム「一日一題」の第七回目が昨日掲載されました。2月から3月にかけての2ヶ月間、毎週火曜日の連載です。
今回の題材は、大学病院です。
一般の方々には大学病院って敷居が高いと思われているようなんですよね。
地元岡山の皆さんに、少しでも岡大病院の役目をご理解いただきたいという想いで、文章をしたためてみました。
それでは、昨日(2015.3.17)の拙文をご紹介します。


岡山大病院の役目

皆さんは大学病院にどのようなイメージをお持ちでしょうか。最先端治療、教育研究機関、あるいは、敷居が高い、白い巨塔…。大学病院には、臨床・研究・教育の三つの重要な役割があると言われてきました。
 医師は当然、目の前の患者さんを救うことが、本能的に最重要課題です。一方で、将来的に多くの患者さんを救うような研究(現在iPS細胞の研究が有名です)、さらに、医師や看護師などの医療人の教育も大切なことは言うまでもありません。特に大学病院ではこれらの役割が強調されています。
 ただし、軽症の病気で大学病院を受診されるのは「敷居が高い」かも知れませんし、教授以下大勢のスタッフで回診する様は「白い巨塔」を容易に想像させます。さすがに最近はありませんが、以前は患者さんから真顔で「モルモットにされたりしないですよね?」と尋ねられたこともありました。私たちも多くの臨床治験を行っていますが、安全性と患者さんの権利は守られていますので、どうぞご心配なく。
 岡山大病院では「高度な医療をやさしく提供し、優れた医療人を育てます」をモットーとしています。臓器移植に代表される高度先進医療を数多く行いながら、研究・教育面でも実績をあげてきました。
 私たちが脳血管内治療を行っているIVRセンターでは、エックス線などの画像をもとに体内の病変部を確認しながら、カテーテルといった特殊な器具を使用して「切らずに治す」治療を行っています。体に傷跡が残りませんし、高い治療効果が期待できます。また、治療中や治療前後の体の負担も少なく、心と体に優しい最先端治療です。
 皆さんも、地元の岡山大病院の果たす役目をご理解いただいて、うまく活用してくださればと思います。


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