ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

秘湯を守る会3連荘の温泉三昧旅行 2007.4.15 その2

2010-07-01 12:08:11 | 旅日記
 このまま古川ICに直行するのは早すぎると、昼飯を兼ねてまだ女房が行ったことがないという仙台中心部のアーケード商店街散策をしてみることにする。仙台宮城ICから市内には青葉山トンネルを通って行くと、たちまち突然にビル街が出現するというのにはちょっとばかり驚くアプローチで、心の準備が出来ないうちに中心部突入となります。
 戦災で焼けてから再建する際に名古屋と同じようにメイン道路を広くとった都市計画をしたのでしょうね、ちょっと何もないところに都市を造った札幌にも似た整ったビル街と冬の雪に対応したアーケード商店街が広がる中心部は予備知識がない我々には広すぎてアテもなく歩くしかありません。
 昼飯は僕はホヤが食べたかったのだけど、女房はホヤ嫌いで仙台名物牛タンがいいと言うので、会社勤め時代の友人が元祖太助より柔らかいとお薦めだった喜助の一番町店に入る。ビル地下のこじんまりした店で平日ランチ無しのため定食1500円也、僕は塩、女房はタレを注文、確かに東京日本橋で食べた太助より柔らかくプリプリした食感で美味しい。ただ牛タンスープの中の肉はかなり硬いのでしっかり噛んで顎力がついちゃいます。塩とタレは好みでしょうけれど、タレを一切れ女房から貰って食べてみましたが、僕は塩の方をお薦めします。仙台名物といっても今では東京でも新宿ねぎしがチェーン展開していて結構旨いし、10年ほどまえに何回か利用した横浜若葉町のたん右衛門の牛タンスープは美味しかった、でここに来たついでに食べようかぐらいの感じですかね。
 霧雨風の雨が降り出し、地元資本の藤崎デパート付近のアーケード街をブラブラして歩くと途中に突然細くて奥深い路地が見つかり、両側にバラック風飲み屋などが並ぶディープな場所があるのが面白いねと2時間弱時間を潰す。
 あとは一箇所だけ、どんなものか見たかった仙台箪笥の老舗門馬箪笥店に回れば日曜定休、じゃぁ早々と宿の温泉に浸かろうとやや混雑する道を走って泉ICで高速に乗り、古川ICで降りて往路の鳴子は素通りして山形県最上町に入り、新庄に向う国道を左折し赤倉温泉に到着すれば、この温泉地は鳴子温泉の奥に隠れているためかややうら寂れた雰囲気ですねぇ。
 第一日目の宿三之丞(冒頭写真は表道路側からの全景)は秘湯を守る会に2年ほど前に入会したらしいが、かなり古くから増築を繰り返して全体が迷路のようになっている。外装は古ぼけているものの玄関部分は古民家風に造り替え、一部の客室棟を改装していて、そのほかには食事専用にした個室や湯治客用と思われる古い客室が奥の方に連なる。風呂はもともと混浴の大きな岩風呂と川に面する露天風呂に家族風呂風のひょうたんの湯がそれぞれ別々の場所にあって、男女時間割りが振り分けられている。泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉で無職透明の湯。こういう鄙びた温泉は混浴が普通で、着替え場所を男女別にしたのもごく最近と人の良さそうな主人が話していたが、こういう改装を済まして秘湯を守る会に入会したんでしょうね。
 この宿の本来の風呂は岩風呂で、元々は露天だった天然岩風呂の上に鉄骨造の上屋を架けた造りになっていて、62℃の源泉が湧き出す中心の小穴の両サイドに巨大岩を刳り抜いた浴槽が二つあり、小さい方は入れない熱さだがもう一方の大浴槽は井戸水も入れ込んでやや熱めの適温に調整している。さらに上段の岩場にはタイル張りの温めの浴槽があって打たせ湯が落ち、全体の背後に巨大な岩山が剥き出しになっていて迫力満点の風情が売り、これが露天のままだったらさらに豪快だったろうけど雪国では仕方ありませんでしたかねぇ。洗い場は後から少しばかり設置したようで、女性が髪を洗うならひょうたんの湯のおなご時間を利用するのが賢明だと思います。岩風呂のおとこ時間に東北訛りの老人夫婦が入ってきましたから混浴は当り前なのがよーく分かりました。
 もう一人千葉からという70歳がらみの老人と話がはずみ、こけし蒐集が親譲りの趣味で東北地方を若い頃からよく回っているとか。古い造りの宿が好きだそうだが、昔泊った宿はもう廃業してこちらに来たけどここの風呂はいいねぇと。古い建物の宿といえばついこの前に法師温泉に行ってきたと僕が言えば、あそこも玉城の湯が出来る前は有名な法師の湯の中央に男女仕切壁があったなんていう話を初めて聞いた。そんなものがあっては雰囲気が半減しちゃうじゃないですかね。
 あまりに温泉に詳しいからと、法師温泉の帰りにたくみの里でチラッとこの辺りではお湯が一番という話を耳にとめながら旅館名を訊きそびれてしまったのだがと話をしたら、その宿は湯宿温泉の湯本館(こちらもその後に泊まっているのでいずれまたの機会に)で、豊富な源泉が敷地から湧き出し、その湯で全館暖房しているから冬場でも快適、風呂も温泉蒸気モウモウの溢れる湯が素晴しいと教えてくれた。世間話から続いてこんな情報まで、湯仲間との話はするもんですねぇ。
 次に入った露天風呂は川に面するといっても対岸に民家があるので簾が掛かって視線を遮り、川の流れはいいのですが木々が無い土剥き出しの崖岸の眺めはそんなに有難くはありません。
 食事は古いほうの個室で地元食材中心のあくまでも素朴な田舎料理、鄙びた温泉にはこれは好ましいというべきでしょうかね。でも僕にはちょっと足りないから、最後には普段は食べないことが多いご飯を一膳だけかき込んでしまった。
            あくまでも地のものを
 
      刺身少しとデザートはイチゴ           最後にこのくらいご飯を食べて
 この日の泊り客は3組だけだったかな。

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