版画ではほかにも中くらいから小品、さらにミニ作品とこれらは場所をとらないからいいと、また掛ける選ばずに各所に飾っておいても版画はそんなには騒がしくなくて不快にはならないから。
冒頭写真は棟方志功一番弟子の秋山厳の作で、有名な山頭火句集シリーズではなくて、色彩も入った黒牛の絵というのが珍しくて購入した。題名は牧歌と書いてあるが、この牛は子牛らしい。この人が女性像を彫るとそれこそ棟方志功ソックリの版画になっちゃうそうだが、この牛の姿は山頭火シリーズにも通じるものがあるし、何よりも素朴ホノボノ感がよくてダイニングとキッチンの間の壁に飾っている。
秋山作品は夏場によく遊びに行った松本の無伴奏という喫茶兼ギャラリーで買ったのだが、その店は今は閉めて中町通のほうで版画ギャラリーだけを奥さんが開いていて今でも時々出向く。この人は版画に造詣が深く、そのギャラリーで新進作家の企画展などをよく開催していて、そんな折に買ったのが竹崎勝代という人のミニ額で題名は眠りという作品。確かにベッドをモチーフに抽象化していて色の使い方もいいなと、ちょっと音楽が聞こえてくるような絵じゃないですか。極めて小さいから階段を登った2Fの下がり壁にチョコンと掛けてある。
もう一つも無伴奏が喫茶ギャラリーで僕達がここで一休みコーヒータイムをとり始めた頃に、店内に掛けてあった中から女房が選んで買った葉書大の猫を描いた版画。もう昔のことでその時に作者を聞いたと思うのだが、覚えていないし下のサインも読めないから現時点では不明、またこの夏に松本に行ったら訊いてみようかな。我家は犬派なのだがこういう版画や絵の題材には圧倒的に猫のほうが多いよね、犬だったら漫画チックになっちゃうのかな。こちらは長らくトイレの壁に掛けてあったが、今は小廊下に移動させてある。
無伴奏ギャラリーではエッチングなどの作家の個展などもやってはいるのだが、僕は木版画の柔らかさが好きだから買うとなると全部木版になってしまう。