この日は二人とも珍しく寝過ごして6時ちょっと過ぎに眼が覚め、6時半からの朝食ということで朝風呂は断念することになってしまった。天気がやや回復して谷間に雲海を抱えた黄一色の高原と平たい頂上が特徴の黒っぽい連山が美しく、この風景を露天から眺めかったなぁ、残念、残念。カルデラ中央の涅槃像も見えるしね、でもこの広々した風景は北海道とも違うなぁ。
朝食は団体ツアーでは当然ですがバイキング、和食中心にチィスしてやはり全種類取ってしまう勢いになる、それに阿蘇赤牛のジャージーヨーグルトだけはたっぷりと鉢に入れ、どうしてもイギタナク食べちゃいます。
強行軍のためホテルを7時半に出発、今日はやや天気が持ち直して高曇りで気温も高め、カルデラ高原の景色と涅槃像という内部中央火山峰を眺めながら外輪山を下り降り、平原の町を走ってからまた中央連山に登り草千里グリーンパークで記念写真とお買物タイム。ここら辺は噴煙を上げる小山や火口池などが眺められるものの千里というほど広々した感じはしないし、この時期は牛馬の放牧もしていないから雰囲気はイマイチかな。高原なのにこの日も暖かめで寒くない、ここからは今回唯一の宮崎県観光地である高千穂峡に向う。
高千穂峡は阿蘇の外輪山の南側が切り開かれたところとか、渓谷美と神話の世界を融合した観光地ですね。ボートに乗るような時間は団体ではありません、バスガイドさんの後に続いて説明を聞きながら渓谷沿いの遊歩道コースをゾロゾロと回り、柱状節理の岩肌や有名な真名井の滝を見ておのころ島に出てスサノオの誓いの御験などの話を聞き、すぐ先のお土産屋に到着しておしまいと天の岩戸のほうは時間がなくて行かれません。団体客全員の先着順で乗り込めるという土産屋専属のマイクロバスで最初に降りたバス停車地点まで戻って、すぐ傍の古民家を移築したらしい神楽宿という郷土料理の店で蘇食料理なる昼食を食べる。かっぽ酒なるものお猪口一杯だけサービスというのは笑っちゃいますが、健康のためのささやかな感じの雑穀と野菜料理、黒米粉入りうどんの汁は九州では甘い味だと聞いていたのに関東風でショッパかったけれど、地鶏や豆腐は美味しかったですよ。その後も豆腐はどこでも美味しかったから、九州の豆腐は侮れませんぞ。
次はもう一度熊本側に戻ってテレビなどでも見たことがある通潤橋の見物、上空に架かる橋中央部からの放水で有名ですが、催し以外ではなにがしかの料金を払わないとやらないということだから格安団体旅行ではまず見られません。遠めに肥後の石工によるという石造橋を見物してから駐車場の売店で熊本発祥のデコポンだけ途中のおやつにと買込んではいサヨウナラ。
高速に乗って熊本から再び宮崎側に回ってのコースで鹿児島に入ってすぐの霧島神宮参拝に向う。途中にはミヤマキリシマ群生地があったが花の時期は5月とかで今は枝だけで華やかな景色は何も無い。午後になって曇り空はドンヨリさを増して天孫降臨伝説の高千穂連峰は見えないし、その先の錦江湾と桜島の景色も残念ながら霧の中。こちら霧島山の韓国岳、高千穂峰と先ほどの高千穂峡の奥の峰と降臨伝説の地を争っているそうだけれど、日本人初の新婚旅行中の坂本竜馬はこちらの山に登ったんだそうだ。ガイドさんの説明で初めて知ったんだけれど、神宮というのは皇祖神を祀る神社だそうだ、でも鹿島神宮や香取神宮は違うんじゃないかなぁ。天満宮や東照宮もあるしね。それはともかく鹿児島と宮崎には神話由来の神宮がいくつかあるから歴史は古いのでしょう。ここではあの君が代の歌詞にあるさざれ石、巫女が踊る際に手に持つ鈴の起源という招霊木、樹齢800年の大杉などを見てから江戸時代に建てられた神宮にお参り、祭神はまさに降臨された瓊瓊杵尊とその嫡后木花開耶姫尊である。それにしても九州地方は杉が多いから花粉症の人はこの時期大変だね、道中の植生では他には竹林と楠が多いのは南国らしい。
ここからはちょっと下れば湯滝を過ぎてすぐに霧島温泉郷、本日の宿は霧島観光ホテルという大型温泉旅館で午後5時には到着。まずはと最上階にある展望大浴場に行ってみたが錦江湾方面は霧の中で眺望はまったくダメ、泉質は単純硫黄泉で最下階には露天風呂とパノラマ風呂と名付けられた温室風浴場があり、どうやら下の方が湯の華が多くて泉質が濃いようだ。そのパノラマ風呂には熱い、普通、温めの3浴槽に加え男風呂には殿湯という花崗岩の半球を刳りぬいた一人だけが入れる小さな風呂があって江戸時代からここにあったらしいと説明があった。こちらは全て入った浴槽の中でも一番温めなのだが湯の華は大きく多くて源泉が違うのかと、これはつい聞き忘れてしまった。夕食に行く途中に焼酎バーができていて、100円で3種類試飲できると聞いて試してみたが、我々は醸造酒の方がいいなぁ。店員に以前飲んでこれだけは唸ってしまった田倉という銘柄のことを聞いたのだが鹿児島なのに知らないという返事、焼酎の蔵元は多すぎるからね。鹿児島なので黒豚がメインの夕食はここでも適度な量で、格安旅行は健康によろしいと、皆さんが早々切り上げるから我々も酒を控えるしね。