
ポカポカ陽気につられて街歩きでもと次の日も、この日は僕一人だけでということだったからさて何処に出向こうかと思案したが、この時期に恒例となっている神田古書店街の青空掘り出し市なるものは、興味はあったが行ったことがなくて、まだ風邪気味の体調には道路沿い500mぐらいの回廊での販売ということならあまり負担にもならないだろうし、ブックオフなどとは違った本があるだろうしで、ちょっとばかり探したい本もあったことから出向くことに。
10時過ぎに家を出て東京メトロの神保町駅から地上に出てきたのが11時半少し前、この辺りは勤め人が多いだろうから早目に昼を食べた方が良かろうと、まずは腹ごしらえを済ましてしまって古本探しにとりかかるという段取りに。それではと事前に評判がいいからと調べておいたすぐ近くの天婦羅いもやに、この店は初めてで神田界隈では安くて旨いと人気の店らしいから早いに越したことはないからねぇというわけ。その店の辺りまで歩いて行ったら大通りに面してと手前の路地に入ったところとさらに大通りを挟んだ先の路地にと、天婦羅いもやという看板を掲げる店が三つもあって、開店直後だったのに大通りに面する店と向かい側路地の店には既に歩道にまで行列ができていて思わずギョッと、でも手前の路地にある本店(これは後で本店だったと知った)はまだ行列が無いからと入ったら、全部でカウンター15席のまだ数席が空いていた、しかしそのあとはすぐ満席となって暫し席待ち状態となってしまった。
カウンター内は二人だけ料理と配膳、席に付いたら今日は定食ですかと即座に配膳のアニィに訊かれたので初めてなら定番の物をとそれを注文、あとからの客も同じように訊かれていて定食の客が多かったが、エビ定食850円というのを頼む客もあって、昼時はその二つのメニューだけだったのだと後で表に出て見た貼紙でこれも知った。この定食が650円というのは確かに安い、後から食器洗いのオバチャンが加わったが人手をかけないのも安くしているためでしょうね、内容はエビ、イカ、キス、ガボチャ、シュンギクの5種類にシジミの味噌汁が付いてだから本当に頭が下がるというもの、大鍋で一度に5人前ぐらいを揚げて出てきていたが味もこれなら文句なしに加えて、何より二人の分担よろしく手際がいい、これを見たら長居するような無粋な客もいないだろうから待ち時間は少なくなって席待ちも苦にはならないはず、天ぷらを次々に揚げていくオヤジさんは実にエライもんだ。
いもや本店
天ぷら定食
あとから大通リの方の店を見たらやはり行列が続いていて、貼紙のメニューには天丼550円とえび天丼800円とあってこちらは定食じゃなくて天丼オンリーらしい。斜向かいの路地のほうはどうなっているのかは分からないが、これら3店の関係は支店なのか暖簾分けなのか、あまりにも近い場所にあるのに店から受ける雰囲気が何か違っていて、はてどうなっているんでしょうかね。
大通りに面した店 向かい側の路地の店
腹ごしらえをしたあとは古本まつり会場の通りを一店ずつ品探しながら巡ることに、古書店は本が日に焼けるのを嫌うから北向きに並んでいるわけだが、この日はかなり暖かくて平日でも多くの人が詰めかけていて、こういう方面の好き者も多いんですなぁ。各店舗に並べられた本は専門分野があるようで特色がそれぞれにあって、自分が好きな分野の本が見つかったらその場所を丹念に探す、といってもズラり沢山あるわけじゃないからこまめに店を巡って見て回る必要はある。本探しの後半で一ヶ所だけだったがパソコン検索できる場所を見つけて、欲しかった本の名前を入力してみたがヒットするところは無かったから、これはまたの機会にということとなってしまったが、やはり専門分野の出版物などにはこんなものも出版されているのかと、書名だけでもホーというような本があるのが面白かった。それで僕が買ったのは市販本というより展覧会などでの出品目録の本を最初に、あとは自分の趣味に役立つかということで四半世紀前の出版の本などを、こういう古本市は時代物とまでは言えないもののかなり古い出版物を探したいときにはいいんじゃないかな、値段も安いしね。
歩道に本が並べられて
5000円以上買ったら送料無料のサービスがあると案内していたが、ここで何冊も買って家まで運べないというような好き者もいるんでしょう、僕は新刊本一冊位の値段で3冊だけ買っただけだったけど、本というのは嵩張るし重いしで鞄の負担になるもんだ。
骨董、山野草、佐伯祐三に関するものを買込んだ