昨年末のことではあるが、関西に住む女房の妹夫婦が数日我家に滞在して大晦日に帰ったのだが、世話になるからと二日ばかり昼にどこかで外食をご馳走するというので、横浜中華街と我家からは近い鰻屋に、中華街には元町で買物もしたいということもあって、家の近くは2011年ミシュランの1☆をとったというからにはどんなものかという話題になって、とにかくご馳走してもらうというのは何にしてもいいからね。それと夜にしなかったのは、家で酔っぱらちゃう方が僕は楽だし好きなんで。
まずは1時間ほどは女どもの元町(冒頭写真は元町通り)の買物に付き合わされて、なんでちょっとした服を買うのにそんなに時間が掛かるのかと、とにかくウィンドウショッピングぐらいならいいけれど、買物するというなら全く別行動にした方が無難でしたな。この日は土曜日だったので中華街も人出が多いだろうから、12時前には店に入ろうと先を急がせて、関帝廟脇から入る中山路にある獅門酒楼に来たらほぼ半分ほどの席が埋まっていた。
中華街大通り
事前に候補の店としてはここと萬来亭と一楽にしていたのだが、ランチでしか食べていないがそれでもかなり美味しいし、独特な料理メニューもあるようだし、何よりも女性陣はデザートが充実している店がいいだろうとこちらに。
獅門酒楼
メニュー看板、土日はランチは無し
有名な上海蟹料理はコースみたいで、女房は蟹にはあまり興味を示さないこともあって蟹は止めに、それではこの時期の冬牡蠣のお薦め料理からまず選んで、アラカルトでいくつか注文して、足りないようなら追加すればいいと、結局注文したのは6品で途中でスープを頼むのを忘れたのに気が付いたが、4人全員が老人だからこれでもう十分と、僕はデザートは辞退してしまった。この店の味はシッカリ味であったが関西人も美味しいと、関西では食べたことが無い独特の味付けで良かったそうだ。特に義妹達は牡蠣とキノコの豆豉ソース炒めが気に入ったとか、僕は冬場お薦めの鱈白子入り麻婆豆腐の辛さにネットリ感が加わった味わいがいいと、これは白いご飯と一緒が王道ながらそれまでは食べ過ぎと料理だけにしたが、この料理だけでご飯で済ませても良かったような。
黒酢酢豚 真鱈白子入り麻婆豆腐(撮り忘れ)
冬牡蠣とキノコの豆豉ソース炒め 冬牡蠣とニラの玉子焼き 山椒ソース
北京ダック 蟹入り炒飯
そのあと中華街大通りに出て中華菓子などの買物に、その途中の一楽の前のメニュー看板を見たら上海蟹を使った一品料理があって、これなら単品でいいからこちらにすればよかったかなとも、上海蟹の時期には候補の上位におきましょうか。
一楽のメニュー看板
しま村には年末の日曜日に、12時半に車で来てみれば結構な台数が停められる駐車場は我々が最後の一台で、こんな外れた場所なのに人気店なんですねぇ、初めてでどういう店か分からなかったので予約だけはしておいたのだが、予約客が来た時に満車の場合はどうするんだろうね。入って見れば店内はかなりキャパシティがあって、予約客は2Fの和室で、予約なしの場合でも個室スタイルのテーブルと椅子席ということになっているんですね。このしま村はデパートなどで蒲焼の販売を手広くやっているが、この自前の食事処はかなり拘ったという造りで、サービス係の女性も全員が着物と気取っていて、普通の鰻屋とは違うぞという高級感も売りなんでしょう。
店舗の入口
メニューを見ると一番安い鰻重でも3150円と高め、天然ウナギもあるとあったが初めてではまずは一番安いのでというのに、奮発して養殖ものでは一番の5250円を注文してくれた。コース料理メニューもあったが、料金はそんなには差は大きくないからメインの鰻重は小さめになるのかな。
注文から出てくるまでは蒸したものを注文が入ってから焼くそうで30分ほど待ってほしいと、鰻屋は待たせるのが当たり前とは知っていますよと、その待つ時間帯を楽しませる工夫なのかうなぎ川柳の投稿をどうぞという紙が置いてあって、優秀句には商品がというのには皆でひねり出し合いしていれば、すぐに時間は経っちゃいますね。
30分ほどでまずは前菜代わりにと茶碗蒸しが、これが仕上がり具合がいいしなかなか上品な味を出していて、中にはやはり小さな鰻一切れが入っていますね。
茶碗蒸し
そしてメインの鰻重は野点の雰囲気の仕掛けで肝吸いと漬物と一緒にテーブル席に、これも演出の一つになっているわけで、単にお盆でお重がというのよりインパクトがありますな。
野点風に
鰻重の税抜き3000、4000、5000円の違いはどういうものなのかは分からないが、この蒲焼は見た目にも実に上品に仕上がっています、焦げ目が全く無しというのには驚いてしまうし、皮はあるのかと思うぐらいに柔らかい。味付けもやや薄めになっていて、好みで濃くしたい場合はタレを足してと醤油入れみたいなものもテーブルに用意してあった。とある地方の有名店で塩味風というのもあったが、僕はやはりやや甘目のタレがいいと思うが、ここのは全くクドサが感じられないという味付けの甘みであった。このところ鰻が絶滅しないかという心配も出てきてとにかく高いものになってきているから、この一年では浜松から送ってもらった鰻を家で食べたのと今回の二回だけ、今後も安心して食べられるように早く完全養殖ができるようにと願うばかりですな。
三点セットが現れました
色も薄めに仕上がっている
肝吸いと最後のデザートはシャーベット
こういうのを続けて昼に食べちゃうとさすがに僕でも少しばかりは体重が増えてしまいそう、これで夜のアルコール類を控えるのは真っ平御免だから、正月の昼は素食にするぞと実行中。