■歴史研究会の講演会のタイトルは上記で、慶応の難波ちづる準教授が講演した。確かはじめて開発研究会に出たときにおられたきれいな人だなあと思ったから記憶にある。小松みゆきさんも残留日本兵孤児つながりでみえていた。この会は午前中だけなので圧倒的に女性が多い。歴女の集まりだ。
東京裁判というのは極東軍事裁判の1つでA級戦犯(政治犯)だけを裁いたもの。サイゴン裁判をはじめBC級戦犯を裁く49もの軍事裁判があったことをはじめて知った。ベトナムはフランスから独立したとばかり思っていたのに実は日本から独立したのだと知ったのも意外だった。ビシー政権はフランスの歴史の中の暗黒時代。自由・独立の祖国がナチスと手をくんでユダヤ人を迫害したという矛盾に満ちた時代だからだ。この時代はフランスが歴史から抹殺したい時代なので資料もなく、このフランス人が知らないことを研究テーマに選んでいるのはいい着眼だ。
サイゴン裁判で戦勝国の一員として敗戦国日本を裁く際にベトナムで日本と協力してベトナム統治していた中でどうしてフランスが日本統治の被害者と言えるのか?北部仏印進駐の際、中国の日本兵に越境された事件(ランソン事件)このたった2日間の衝突を理由に裁判を得た。世界中の仏領植民地でドゴールの力の及ばないビシーの牙城がここベトナムだったのだ。