くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

「幸福度日本一」

2012年11月28日 | Weblog

■市の登録統計調査員のブロック研修というのがあって遅れてしまったが参加すると県の政策統計課が行う「統計出前講座」というものをやっていた。「調査からわかる幸福度日本一福井」と称する小冊子で、出生率、持ち家率、離職率、平均寿命、、等40指標を基にして幸福度ランキングというものを紹介している。

1位福井、2位富山、3位石川、、、45位兵庫、46位高知、で最下位大阪という結果だ。研修会ではとりわけ意見を言う人もなく、僕も先日の「月曜から夜ふかし」の話にふれてあんなデータが簡単にネットで見れれば福井人の自覚も高まり、情報を発信するようになったらいい、、みたいな発言をしてお茶を濁して帰ったが、家で資料を見直してみると、、、なんじゃぁこれ!だんだん腹立たしくさえなってきた。ピントが全く外れている。まるで、いいかげんな答えしか書いてない解答用紙みたいなもんじゃないか!

幸福度の統計調査なら、「あなたは福井で生活をして幸福だと思いますか5段階評価で答えてください」みたいな意識調査を全国的に実施してその結果どうなるか、、というような話ではないだろうか?この調査では何の根拠も示さず各指標の順位が1~5位は10点、6~10位は9点、、などと評価して評点平均を出している。1~3位に続き4位鳥取、5位佐賀、6位熊本、、、そして下位10位のなかに東京、京都、大阪が入っている、、、、あれー、これって田舎VS都会っていう対比じゃあないの?

ー幸福度を判断するうえで重複する3大条件ーとして①健康②経済的ゆとり③家族関係となっているけど、もし、逆に見れば、①体力より思考活動②競争③会社など対外的人間関係が重視される都会生活を現していると言えないだろうか?ならば資料の「幸福度」を「田舎度」と置き換えて何の不自然さもない。まず「幸福度」って一体どこからでてくるの??

企画は法政大教授坂本光司他、社会人学生(?)10名などとなっているがネット情報によると、かって福井県立大に在籍したことがある企業経営の専門家らしい。経営学では顧客の「満足度」なんて言葉もあるけど、、なにか勘違いしてないか?少なくともこの調査に統計分析的考慮は見られない。

昔、春江町の固定資産評価額を決めるために不動産鑑定士と協力して不動産価格算定プログラムを開発したことがある。その時使用した重回帰分析の独立変数は全て定量的なもので定性的データの数量化手法まですることはなかったが、もちろん外的基準である実際の取引価格データの存在が前提であった。外的基準であるべき「幸福度」の意識調査データもなくて独立変数となる各指標だけでは統計分析が成り立たない。なにを根拠に「特定の指標が地域住民の幸福度を端的に示している」といえるのか?まったく理解できない。

指標が独立変数となるためには他の指標との相関をなくさなければならないし、統計解析できる事項は相関関係であって因果関係が解明されるわけではないから、簡単に答えがでるような話ではない。この研究機関による「未婚率が低く、出生率が高いので幸福な家庭像がうかがえる」なんて評価は全くうそっぱちで、企画者の単なる思い込みの域を出ないのだが、、、まあ、行政の調査報告なんてこんなものかもしれないが、、、。

福井県も「幸福度」を目玉に売り出していくからには、もちっと真剣に取り組む姿勢をみせて欲しいものだ。こんな報告では素人でも不自然さを感じるのではないかと思う。ちなみにこの小冊子のタイトルは。

「統計の大切さを伝えよう」ー調査からわかる幸福度、、うんぬん、、。

 

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金田一京助「日本語の変遷」

2012年11月27日 | Weblog

■さすがに金田一京助の著作はすごい、という感想を禁じえない。町田建著「日本語のしくみがわかる本」を読み、気鋭の学者らしい文法論で従来の学校文法を批判して新しい考え方による文法論を打ち立てようとしていることに新鮮さを感じたあとにこの一冊だ。なんと、はじめは戦前に出版された著作でありながら町田の構想をほぼ実現していたような内容に驚く。ラジオ放送用のものだからなのかはわからないが妙に読みやすい日本語だ。

第1章「日本語の変遷」の他、最後4章「日本語の特質」まで4編の内容で、180ページ程の文庫本だから短いものだ。この種の文献としては短すぎるほどだが、みごとに日本語の構造を説明しているだけでなく文化人類学的なところにまで踏み込んだ1級品だと思う。

第一章では新村出の時代分類に従って上代、古代、中世、近世、現代にわたる日本語を文字、音韻の変遷が説明されるなかで、文字によってしか音韻の変遷を知ることができず、文字がない時代は神話や諸外国の原始言語の変遷を知らなければ研究できない極めて文化人類学的な分野であることがわかってくる。欧米とくらべると、記述された文字が存在しない分だけ日本の言語学はひどく遅れているということらしい。

第4章では極めてコンパクトに日本語の音韻構造の説明があり、日本語がウラル・アルタイ語系列の言語であるという有名な説を論証するとともに、さらにその昔は南方の海洋民族から伝わった言語であるとして、柳田国男の日本人起源と同じ結論にいたっている。柳田の考えは通説に反して日本人の祖先は大陸から渡来ではなく南方の海洋民族であることを神話伝説のなかから導き出していることと符合している。これは神話を頼りにトロイの遺跡を発掘したシュリーマンやロゼッタストーンにたどり着いて古代文明の解明に貢献したシャンポリオンのような語学の天才達の夢と一脈通じるロマンがある。

町田は学校文法の創設者橋本進吉の有名な「文節」概念の曖昧性を批判し、これを名詞群、動詞群などと呼んで構想するが、金田一は既に「語節」という用語を使って名詞・動詞(言・ことば)のあとに助詞、助動詞(辞・てにおは)がついて使役、可能、受身等と時制がついたりつかなかったりして語節が構成されると喝破している。

さらに皇室用語の絶対敬語を例外として相対敬語を形成し、単なる語彙にとどまらず文法にまで及ぶ敬語体型にまで完成した日本語の特性を説明する。二重母音を嫌う極度に単純化された音韻構造と膠着語の特質を持ち助辞(助詞、助動詞)のおびただしい発達。そしてその開音節(母音で終わる音節)の特質こそが南方海洋民族から受け継いだものだということらしい。

金田一京助の著作は初めて読んだが大学者のものはちがうなぁと実感する。それにしても我々口語文法として学校で覚えたものは一体何だったのか?古典を読み解くための文法は外国人が言葉を習得するための日本語文法と機能的に共通するものがあるが、ネイティブにとっての口語文法なんて、、、どうも僕たちは学校で習った文法という(規範?)ものについてとんでもない思い違いをしていたようだョ!

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どんぐり忘年会

2012年11月26日 | Weblog

■どんぐり忘年会は粟津グランドホテルで1泊。ファンさん、嵐くん、キッシーなど県外組サルサメンバーも含めて30人以上。なんだろうねこの磁力ってゆうか、あいちゃんの魅力なんだろうか、、。夕方車で出かけたのだが途中でiPhoneの地図のGPSが働かないのに気づいた。

OS6のアップルマップは使いにくいのでグーグルマップをダウンロードしたのにGPSの設定ができないのだ。加賀を過ぎたあたりのGSで聞いたらよくわからんが標識が出ているだろうってことで、ようやく粟津温泉方向の道にたどりつく。

ホテルのダンスホールではおじさんおばさんのワルツタンゴがかかっていたんだが、例のごとく、ミツルくん、じゅんちゃんが先頭になって乱入(?)じゅんちゃんの歌舞伎町の呼び込みみたいなMCでむりやりバチャータが始まる、、、。サルサラボではイントラ格のキッシーが社交ダンスをさっそうと踊れるのには感心!もともと社交あがりなんだそうだ。

大部屋に戻れば大宴会。ブラジル人のジョシが自作のウクレレで歌うハワイアンとか、カンボジア人のリモンちゃんがはしゃぎまわったり、、僕のパンディロのロールをあいちゃんがいたく気に入ったみたいだったとか、、結婚式ではぬいぐるみを抱えていた吉田くんの嫁さん(トンジョ哲学科卒)と夢の話でリビドー説の論争をいどもうと思いながら、、、、朝ひどく喉が痛くて目覚めると飲みすぎのせいか声が嗄れてしまっていた。

福井に戻って、どんぐりメンバーの陶芸家宇一郎君の個展を見に行く。ムーというスタジオ、以前、詩の朗読とハープの演奏を聞きに来たところかな、、。経営者がそんな感覚のわかる人のようで、宇一郎君の作風にも合う素敵なデザインのスタジオだ。彼の作った動物置物やコーヒーカップなど、最初は彩色したものと思っていたが別色の土を埋め込んだり、釉薬の発色を計算した焼き方だったりでものすごい手間時間をかけたという説明をうけて感心。使う人にもこだわりをせまるような迫力があってちょっと引いてしまうかなー。

図書館でTOEC関連の英語学習法の本をよんでたら(シニアボランティアのため来年の受験申込をした)語学の天才シュリーマンの話が出ていた。語学習得の要諦は丸暗記だ、というからみで彼が本一冊をどれほど丸暗記していたかということが出ていた。彼は僕と同じ64歳になっても新しい言語を習得しようとしていたそうだ。さすが、、というより彼でももうこの年では最後の語学学習となるのか、、といった感想、、。

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全国トップ3

2012年11月22日 | Weblog

■月曜TV深夜放送「月曜から夜ふかし」を見ていた。あのマツコデラックスが毒舌をふるうバラエティだが、福井県がすごい!というテーマでやっていた。福井県は~が全国1位で、~は2位だとかいうやつだ。こうしてまとめて聞いてみると本当にすごいなぁ、と思えてくる。

女性はよく働くし、持ち家率は高く、離婚率も低い。求人倍率も高く、社長の数も多い、、、その結果、小中学校の生徒の体力もトップだ、そして県民の幸福度が日本一、という具合に話が進む。

昔は福井県のレベルは鳥取についで全国で下から2番目だったはずが、、、それが、こんなになって、、よくもこうデータをそろえたもんだなぁ、、でも、どこでデータを集めたんだろうと思って、はっとした.

そうだ、俺自身がその専門家じゃあないか!一度調べてやろう!と、この前県の政策統計課から届いた登録調査員用のメルマガを開いてみた。統計調査員のために県の最新統計情報を案内するメールサービスが始まったばかりだった。これを手がかりにウエブ上の公開統計資料を探し始めた。

福井県のホームページの政策統計課の各種統計指標の中から「福井県の全国順位トップ3」というのがあって、その中の「H24指標トップ3」というエクセルファイルを開くと全国でトップ3にはいる統計項目がなんと38項目も出ている。スゴイ!

福井県も「なぜか長寿」から「幸福度日本一」に脱皮を図ろうとしているのだろう。最近福井はいいところだ、と改めて思うようになったが、一番その点で意識が低いのは昔から生活してきた福井人かもしれないなぁ、とも思う。

長寿と食生活については、20年以上前に西丸震哉が書いた「41歳寿命説」に感銘を受け、同様な思想の丸元淑生のレシピで僕の食生活を転換したことを思い出す。西丸はその後たしか「実効人生」といって寿命のクオリティを説き始めた。寿命が長けりゃいいってものじゃあない。どう生きるかという質の問題だ。その西丸も今年亡くなったようだ。

 

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結婚式

2012年11月19日 | Weblog

■一昨日はヤスブンくん、昨晩は吉田くんの結婚式2次会に参加した。そういえばサルサつながりでの結婚式には近年何度か出席しているが、それまでは毎年この時節になるとご招待は葬式ばかり。これまでの人生、仕事がら離婚がらみの相談は多いが結婚式に縁はなかった。結婚式というと、昔々、うちの事務所の女性事務員の結婚式のスピーチで失敗して以来、ずっとご無沙汰だったのだが。

そのスピーチで彼女は字が下手ですこぶる気が強い、(にもかかわらずワープロ入力は早く、しっかりものである、、というつもりだったのだが)と評したために、その後20年以上経ったいまでもひどい事を言ったと人から言われ続けている始末だ。実は、直後の酒席で新婦の父親が満面の笑みをたたえて「ほんとに良く言ってくれた」と酒を勧めに来てくれたのだが、、。そのとき、やっぱり親父さんでもあの気の強さには手を焼いていたのか、、と驚いた記憶がある。彼女の名誉のために一言付け加えると、その気丈さは当事務所ではプラスに働いたもののマイナスになったことは一度もなかったのだ。おふくろは死ぬ時まで「あんた口には気をつけてや」といってたっけ、、。

イツキでのヤスブンくんの2次会で結婚式のビデオをみていて、人前結婚式は無宗教でどんな様式もOKなんだと聞いた。「えっジンゼン?神前じゃなくて、、」僕にはニューボキャブラりだった。新郎のサルサならぬ日本舞踊、従業員さんのグループのフラダンスがあったりで、、。彼らの身近な親友ってどんな人達だろうか、、という興味を満たしてくれ、新婦のミカさんの対応などを見ていてヤスブンくん!さすがー、と思いました。

その日はそのあと僕はサルサラボに出かけてパーティーに参加。元ヤムレーのトップダンサーマリさんが来ていた。相手していただくと意外なほど柔らかな動きで感激。

翌日もサルサのクラスがあり、みっちりマサノリレッスンを楽しんだ後、皆で食事。そのあと吉田くんの三次会に参加。

会場のアンクルは初めてだが三階まで螺旋階段がありいい感じのレストランだ。その「秘密の部屋」とやらに40名以上がすし詰め状態。2人が同じクーペに乗っていてナンバーも一字違い、という偶然の出会いを紹介する自作DVDとか、手馴れた司会者がロウソクの火がハートにみえるというメガネをつかって場を盛り上げたり、、、若い人はこういう結婚式を挙げるんだなぁ、、、多分、ここでは最高齢者であろう僕としてはアレヨアレヨという感じで楽しませてもらった。集合写真をとってお開きになったときはすでに12時を回っていた。

ほんとうなら自分の子供の結婚式、というような年代なので、当人が親類縁者などお引き取りいただいた後、自分たちで楽しむ、、、なんて場所に呼んでいただくなんてことは僕はしあわせ者なんですわ。 

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フラメンコ鑑賞

2012年11月16日 | Weblog

■この日のスペイン語クラスは県民ホールでフラメンコ鑑賞会となり、15名が参加。男女のダンサー、男女のギターに女性ボーカルの5名のスペイン舞踊団。昨年は各種ラテンダンスがあったが今回のフラメンコは「本物」感あふれる迫力があった。

フラメンコのリズムはなんやら長くて複雑でよくわからないが、唸るような節回しの楽曲と合わさって異様な統一感がある。となりのホセに聞いてもスペイン語の内容は全然わからないという。しかし、カホンがよく響いていて気持ちがいい。無性にカホンが叩いてみたくなる。そういえば、ラテンパーカッションのクラスの恭子先生もフラメンコ演奏をしていらっしゃるといってたっけ、、。

会場にはまだ空席があったようだが、演奏は大盛況でスタンディングオベイションもあってアンコールも、、。皆さん感激だったようでよかった。

そのあと、4,5名で「カワイ」で食事。その日はボジョレヌーボー初日ということでプラスチックボトルのものをいただく。ビクトリア先生によると、コスタリカではビノはまれで、酒もっぱらラムだそうだ。先生の上の娘さんはコスタリカで日本語を教えているそうだ。機会があれば話を聞きたいものだとおもう。

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文法ってなに?

2012年11月15日 | Weblog

■日本語教育能力検定試験の失敗にもかかわらず今回は勉強したいという意欲が衰えない。むしろ、ようやく本格的に勉強する意欲が強まっている。受験勉強という性格上、気になる小さい疑問点を解明する手間をあえて避けてきたこともある。早速、図書館を回って関連書籍を借り回って、特に文法に焦点を合わせて読んでいる。

ようやく見えてきたのは、国文法と言われるものの不合理さだ。妙に気になる本を見つけた。「現代日本語文典」の著者、小泉保は82歳で今までの知識の蓄積を下に21世紀の文法の叩き台となるべく世に問う、と宣言しているとおり、これは相当に異端の学説みたいだ。というのも僕はまだ日本語文法の学説を評価できる能力はないが、いかにもこの内容は革命的に思える。著者は音韻論、音声学、言語学の碩学でフィンランド語ウラル語統語論等の専門家で神話など民俗学的研究も多い。

未然、連用、終止,連体、、、とは全く違う動詞の活用構造を提案している。目からうろこが至るところに散りばめられている、、といった印象だ。これをちびちび読みながら僕も並行して各種の文法書と比較して考えを整理していくつもりだ。

ところで、この本のタイトルだが、はロドリゲスの「日本大文典」を意識しているのでは?と思った。17世紀に言語学者である外国人宣教師によって書かれた最初の日本語学習書。

思うに、小泉氏は古文から日本語の成り立ちを示す国文法の限界を見極め、文法は本来外国語を習得する人のためのものであるという立場からの文法革命を企てたのではないだろうか。最新のチョムスキーの生成文法を取り込んでいるようで興味が尽きない。しばらくはこの方向に没頭しそうだ。

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