■久しぶりに多賀の家に行った。みかんをくれるというので午後の出勤に間に合うように9時過ぎに出かけた。ルートがいつもはっきり覚えられないのだが今回はようやく覚えた。ご両親もすこぶる健康で今では本人を含めてあのたくましい嫁さんの扶養家族になっている。
彼とはいつまで黙りこくっていても居心地が悪くならないという数少ない友の一人だが退職後一体なにを楽しみで毎日過ごしているのだろうと思っていた。日課だという「散歩」コースにつきあうことにした。
起伏のある田園風景と紅葉に色づいたトリムパークの一角を通り、いくつかの集落を過ぎて川の堰堤を過ぎると巨大な介護施設が現れる。平日なので人通りはなく、天気がよくて気持ちのいいこのルートを1時間ほどかけてゆっくり散歩するのだと言う。
「あの田んぼで何反ほどあるの?」、、どれくらい収穫があって生産組合に委託してどれくらいになるとか、あのは何戸ほどの集落なのか?とか、いろいろ聞いて、、「オレはシティボーイやから田舎の事は全然知らんかったけど日本の田舎の今の風景っていうのはこんなんやなぁ」
最近話題の会社のギャンブル役員たら、オリンパスの不正経理たら、電力株の株価低迷のことやら話しているうちに、ついには昔、トンガ王国などで日本人のリタイヤーライフ関連ビジネスを考えていたことを思い出した。日本人もいずれ海外の避暑地で老後を送るライフスタイルが定着するに違いないと思っていて、ホテルのような介護施設はそこに出来るはずで、こんなところにできるはずじゃあなかったんだが、、。
なるほど、カントリーボーイの彼はプロの農業家なのだから散歩と「家庭菜園」で老後の日々を暮らすことは正に理想の老後であり、これが日本の農家の王道ではなかろうか?彼が本当はどう考えているかは知らないが、多くの非農業サラリーマンの夢の老後生活でもあると思う。しかし「家庭菜園」より「家庭料理」派の僕にはちょっと違う世界かな。
そしてスキヤの牛ラーメンマ丼を食って福井に帰った。