Robert Fuller in the "Laramie"
スクリーンからウエスタン(Western /西部劇 Cowboy film)と時代劇(Samurai film)が消えて久しい。1950年代中頃から1970年代中頃の20年間はアメリカではウエスタン、日本では時代劇の最盛期で他のジャンルの映画はほとんどヒットしなかったか、製作しても赤字のリスクを背負わなくてはならない状態だった。
そのブームに輪をかけたのが日本のテレビ各局が競って時代劇シリーズ、米国製テレビ西部劇シリーズを輸入して日本語で吹き替え(dubbing)、毎週毎週放送したことだ。ハリウッドの代表作は、
『ガンスモーク(Gunsmoke)』
1955~75年 (主演:ジェームズ・アーネス James Arness)
『シャイアン(Cheyenne)』
1955~63 (クリント・ウォーカー Clint Walker)
『ワゴントレイン(Wagon Train)』
1957~65
『マベリック(Maverick)』
1957~62 (ジェームズ・ガーナー James Garner)
『ライフルマン(The Rifleman)』
1958~63 (チャック・コナーズ Chuck Connors)
『ボナンザ(Bonanza)』
1959~73 (ローン・グリーン Lorne Greene と
マイケル・ランドン Michael Landon)
『ローハイド(Rawhide)』
1959~66 (クリント・イーストウッド Clint Eastwood と
エリック・フレミング Eric Fleming)
『ララミー牧場(Laramie)』
1959~63 (ロバート・フラー Robert Fuller と
ジョン・スミス John Smith)
などがあった。毎日、日本のどこかのチャンネルで放送されていて、各番組は結構良い視聴率を取っていた。小・中・高校生時代の自分の青春のエネルギーになっていたことは言うまでもない。
時代劇シリーズで特によく覚えているものに、
『三匹の侍』
1963~69 (主演:丹波哲郎、平幹二朗、長門勇、加藤剛)
『銭形平次』
1966~84 (大川橋蔵)
『水戸黄門』
1969~83 (東野英治郎)他に、西村晃、佐野浅夫、石坂浩二、里見浩太朗、武田鉄矢も演じているが…。
『大岡越前』
1970~99 (加藤剛)
『木枯らし紋次郎』
1972 (中村敦夫)
『荒野の素浪人』
1972~74 (三船敏郎、坂上二郎、大出俊) ★筆者も1年半、この制作に関与した。
『子連れ狼』
1973~76 (萬屋錦之介)
『必殺仕置人』
1973 (藤田まこと)
『旗本退屈男』
1973~74 (市川右太衛門)
『座頭市物語』
1974~75 (勝新太郎)
『遠山の金さん』
1975~77&1979 (杉良太郎)
『必殺仕事人』
1979~81 〔藤田まこと)
などである。
先日、古いウエスタン映画をテレビで観る機会があった。今見るとストーリーはかなり単純なのだが、見終わると何かほっとし、後味が良い。最近の映画を見てそういう気が湧かないのはなぜか、ちょっと考えてみた。自分との年齢のズレもあるだろう。
たぶん、主な原因は製作者がコンピューターグラフィックやストーリーに余りにも懲りすぎているせいではないか。採算のとれる映画、ヒット映画を創りたい気持ちは分かるが、所詮、物語の主役は人間。人間の本質を大切にした内容であれば、そういうテクニックは必要なく、また制作に莫大な金を使う必要もない。心に響く映画は、いつの時代であっても人々に共感を与えるはずである。#YS
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