誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

首都ワシントン - 見るところ満載 / Washington, D.C.

2010-02-09 | 米国事情
        

中・長期滞在したロスアンゼルス(カリフォルニア州)とホノルル(ハワイ州)にはかなり詳しいが、ワシントンDC(コロンビア特別区 District of Columbia)についてはアメリカ人の誰よりも良く知っていると自負している。

前回、前々回などで触れたシンクタンク(4ヶ所)、スミソニアン博物館群(16ヶ所)以外に、米政府三権の最高機関(ホワイトハウス White House 、連邦議会 the U.S. Congress 、連邦最高裁判所 the U.S Supreme Court)や中央官庁(国務省、商務省、財務省 Departments of State, Commerce, Finance など)から、公共施設(ジョン・F・ケネディ・センター the John F. Kennedy Center for the Performinat Arts 、国立公文書館 National Archives を含む)、民間施設(ジョージ・ワシントン、アメリカン、ジョージタウンの各大学 George Washington, American, Georgetown Universities、労働組合 labor unions 、ワシントン・ポスト紙 the Washington Post 、ストリップ劇場 striptease など)に至るまで少なくとも2回、多いところでは4~5回同じところを訪問している。

徒歩を中心に地下鉄網・車を使ってありとあらゆる所に研修・体験・見学に行った。国務省の7回の中期研修プログラム・特別視察旅行と個人的な興味からそうなったのだが、今から考えると「バカじゃないの」と言うくらいの数だ。

その中で未だに鮮明に思い出されるいくつかを列記してみる。


(1)"Car-Ride" [警察パトカー乗車体験]
夜の10時からパトロールカーの巡回に乗せてくれるというので気軽に警察署に出向いた。街が1990年代初め全米で最も治安が悪く、殺人事件が最多だったことも知らずの乗車だ。乗ってまもなく運転の白人警察官が言うことには「自分の同僚は数ヶ月前にパトロール中に拳銃で撃たれて死んだ」と。その死んだ巡査の助手席に座っているのだ。それもDCで最も危険な黒人地域を周ると言う。恐怖感と、夜の寒さと、警官の話す俗語的(slang) 英語で、乗車中ほとんど無言状態。時たま無線を受けて、サイレンを鳴らし赤と青のライトを点滅させながら真っ暗な現場に急行。現場に着くと警官は懐中電灯を持って外に出る。「車からは全体に出ない様に」と言って、どこかにいなくなる。不安だった、1人の時に襲われたらどうしよう?!......無事3時間が経過して終わったが、警察官に礼も言わず早々退散した。(ちなみに市の人口は約60万人で55%が黒人、34%が白人。)


(2)ホロコースト記念博物館(Holocaust Memorial Museum)
第2次世界大戦でドイツ・ヒトラー率いるナチス政権で殺害された600万人のユダヤ人の記録が展示されている。過去、記録映画やテレビ・ドキュメンタリー番組で悲惨な場面は沢山見て「慣れている」つもりではいたが、アウシュビッツ強制収容所の備品、犠牲者の遺品、大量虐殺に使用された列車の車輌、「人間の体」の一部を使って作られた数々の生活用品など、目を覆いたくなるような物が沢山ある。広島の原爆記念資料館と同じく学校の社会勉強・授業の一環あるいは課外活動としても使われている。残酷さに展示を見て泣き叫ぶ女子学生もいた。

余談だがナチスを描いたハリウッド映画でお勧めは:
★チャーリー・チャップリン主演の「独裁者」(1940)"The Great Dictator" by Charlie Chaplin
★アカデミー主演女優賞を獲得したメリル・ストリープの「ソフィーの選択」(1982)"Sophie's Choice" by Meryl Streep
★アカデミー最優秀作品賞の「シンドラーのリスト」(1993)"Schindler's List"


(3)米造幣局(The U.S. Mint)
ドル紙幣(greenbacks / dollar bills) が高速で印刷される光景は圧巻である。アメリカ建国の偉人ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin) の描かれた100ドル札(約9000円)の32枚(?)シートが長い印刷ベルトコンベアーの終点に次から次へと数メートルの高さに山積みされていく。そこにあるのは10億ドル、100億ドル(1000億円、1兆円)あるいはもっと?、I don't know!!! ガラス張り見学コースの通路が広い部屋の2階に張り巡らされているが、中で働いているのはたった3~4人。手を振るとにこやかに反応してくれる。横から隠れて「2~3枚ちょうだいよ!」と言いたいくらいだった。

ドル紙幣をよく見ると、たまに図柄の縦横の余白の部分が数ミリずつ違っている。日本では考えられないが、札のど真ん中に印刷されていない。(これも国民性の違いか?)最初は偽札かと思って1ドル、5ドル、10ドル、20ドルを見てみると、今度は各紙幣が2~3種類ずつある。1996年に1度大幅にデザインを変えたが、すぐさま偽札が大量に出回ったため2003~2008年にかけて再度、変更されたとの事。紙幣のサイズはすべて同じで、裏の色も「グリーン」で統一されているから、知らない人にとっては数字だけが頼りだ。

大量偽造紙幣に関しては、米国造幣局が使っている高速印刷機とインクと全く同じものを北朝鮮が手に入れ印刷したものが出回ったので、急遽、デザイン変更したと云われている。偽札ではなく、「本物の偽物」が出た為だ。大変、込み入っている! 人はおろか、自動紙幣判別器でも見分けが出来ないのも当然の話だ。


(4)ホワイトハウス(White House)
「ホワイトハウス大統領執務室」と聞くと皆、あの白い建物のイメージが出てくる筈だ。実は映像で出てくる部屋は何か特別なイベント・セレモニー以外に使われていない。実務はすべて隣接する建物の中、あるいは「ホワイトハウス」とその建物をつなぐ地下執務室群で行われている。1998年、当時の大統領ビル・クリントンが不倫をして有名になった現場の「地下」である。

9・11テロ事件の前だったので比較的簡単にこの建物・地下に入れた。(現在はそこで働くホワイトハウス職員以外は入れない。)大統領補佐官・報道官がブリーリングをしてくれるというので世界各国のアメリカ大使館で働く報道官20数名と共にスタッフ会議室に入った。大変立派な部屋であった。そこでどんな話がされたのか、周りの様子は...?などなど、すべて忘れているのに、この部屋の映像だけが未だに強く脳に残っているのが不思議である。

ワシントンの景色はいつ行っても同じだが、9・11以前と以降で変わった点が一つだけある。それは主要な中央官庁ビルの周りに大きな醜いコンクリート塊が数メートルおきに設置されたことだ。自爆テロ、車両爆発物を防ぐ為とはいえ、大変醜い景観になってしまったのが非常に残念だ。#YS

        

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シンクタンク (頭脳集団)... | TOP | オードボーン協会 / Nation... »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 米国事情