読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

ミス・マープルと13の謎 アガサ・クリスティ/高見沢潤子(訳) 創元推理文庫

2010-09-26 20:00:39 | 読んだ
アガサ・クリスティの生誕120年ということで、テレビではポアロシリーズとミス・マープルシリーズの放映が行われている。
というわけで、では読んでみようか、と思い本屋に行ったが、なかなかよく分からない。

よく分からないというのは、何がポアロシリーズなのか、ミス・マープルシリーズなのかが題名を見ただけでは分からないということである。

そんななか、題名からして「ミス・マープル」と入っているがあったので購入したのである。

というようなことからお分かりかもしれないが、私はあまりアガサ・クリスティを読んでいない。
その理由のひとつは、翻訳ものは読みづらい、ということがある。なんだかクドクドと書いてあるが、いったい何を言いたいのだろうか?とイライラしてしまうのである。
さらに外国物は、その歴史とか風俗とかがよくわからないと、書かれてあることの深みを感じ取れないということである。

それなのに今回読んでみようと思ったのは、テレビで見ていることから場面とか衣装とかを想像できるからなのである。

さて、本書は解説を読むと本書はミス・マープルシリーズの最初の作品なのだが、発表されたのは「ミス・マープルの最初の事件」が先であるとのこと。
そのあたりは私にとっては「どうでもいい」ことではあったのだが『そういうものなのか』と思って読むと『そういうものなんだ』と感じるから面白い。

というわけで、本書は題名にあるとおり13の短編からなりたっている。
文庫裏表紙にはこう書いてある。
『セント・メリー・ミートで、平穏無事な生活を送っているミス・マープル。彼女の家に毎週火曜の夜、甥の作家、女流画家、元ロンドン警視庁の総監、地区の牧師、弁護士の六人が集まり、自分だけが結末を知っている事件の話を聞かせ、それぞれの推理を提出しようということになった。ところが、毎回真相を言い当てるのは、ミス・マープルであった。クリスティの面目躍如たる好短編集。』
これを読んだら、本書を読まずには居られないではないか。

誰かが自らの謎めいた事件を話してその結末を推理するのであるから、現場をみたり関係する人たちと話しをしたりすることはできないので、いわゆる「ベッド・ディクティブ」に属するような物語なのであるが、その事件をミス・マープルはセント・メリー・ミート村で出会ったあるいは知った人たちを参考に謎を解く。
すでにミス・マープルシリーズの形である。

まったくミス・マープルには感心してしまうのである。
であるが、よく読まないと「なんだかよく分からない」現象になってしまう。

ということで、やっぱり映像で見たほうが分かりやすい。
なんといっても、外国のサスペンスは配役から犯人が想像できないところがとってもよい。
日本のサスペンスは配役から犯人が、時には新聞で配役をみた途端に「こいつが犯人」なんて思ったりするから、そのあたりがつまらない。(もっとも、配役から犯人を特定してそれがあたるかどうか、という見方もあり、それはそれで面白い)

映像で見て原作を読む、というパターンでこれからも何冊か読んでみようかと思ったりしている。
だから、読書はやめられない。

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