「好きで一緒になりました。年を取っても愛のある生活をしていきたかったのです」と彼女は言いました。顔も身体も変わっても永遠に愛がある生活をしていきたい・・
「でも最近はもううんざりです」と彼女は言いました。
聞くと・・御主人と暮し始めてからまったくパターンの違う人とわかり、彼女が彼に話そうとすると
「なぜ今のタイミングで話しかけてくるんだ」と怒鳴られたり、そうかといって黙っていると
「なぜ話しかけてこないんだ」と怒鳴られたり。
仕事から帰ってきて話す内容は会社と世間の愚痴ばかり。
聞いてられないので席をはずすとトイレまで追いかけてくる。
「俺の話が聞けないのか」と。
「唯一安心できるのはお風呂と仕事をしている時だけです。家に帰るのが憂鬱ですし、公園でサラリーマンの人が座っている気持ちがわかります」と言いました。
ひどいのはテレビを見ていてもその人の悪口。
今日会ったことの不満と不平。
「お前にしかいう相手がいない」と言う御主人だそうです。
彼女はそのストレスで不眠と食欲低下、そして体調を壊し、胃潰瘍になりました。
あるお客さんの飼っている犬が胃潰瘍になりました。
病院から出された薬などで治療をしていましたが、まったく良くなりませんでした。
ある日友人が彼女にこう言いました。
「あなたがいつもこの子(犬)に愚痴をこぼすから、この子がそのストレスで胃潰瘍になったのよ」と言われたので
「だってこの子は優しいから私のことを聞いて泣いてくれるのよ」と言うと友達は
「私だってあなたに毎日口をこぼされたら胃潰瘍になるわ」と言われてショックだったそうです。
でも本人のショックより胃潰瘍のわんちゃんの方がきっと心も体もしんどいと思う。
だってわんちゃん、愚痴こぼせないもの、かわいそうに。
無駄泣きしたら餌もらえないか、叩かれたり、怒られるの知ってるし・・
ある施設でセラピーのために犬を飼いました。
数カ月後、まったく食事をとらなくなったので調べると胃潰瘍。
お医者さんから
「セラピードッグを引退させてあげてください」との勧告でした。
施設の人たちはこのわんちゃんにみんな口をこぼしていたのです。
「犬でさえ体調を壊すのですね。私は我慢が足りないのかと思っていましたし、弱いからダメだなと思っていたのです」と彼女がいうので
「御主人は不安が強い人だから。だから愚痴が多いのよ。自分が弱いっていってるのと同じ。
それに誰だって毎日人の悪口を聞かされたらおかしくなりますもの。試しに愚痴を入れたCDを毎日聞いたら録音した本人でさえ胃潰瘍になると思いますよ。それに愛した人がそんな残念な人ならあなた自身が自己嫌悪になったでしょう?」と話すと
「そうです。なんでこんな人を好きになっちゃったんだろう・・と思うと自己嫌悪でした」と言いました。
「人は変わるのよ。変わらない人もいるけれど甘える人が見つかった、と思う人は変わってしまうの。何十年も修行した高名なお坊さんでさえ、あるもの(場所ですが)をみた瞬間、人が変わって、修行を突然辞めて普通の人になったというお話もあります」というと
「そうなんですか、それなら変わってしまったと思うのも正しいのですね?」と言われたので
「ええ、変わるのです、人は。いい方に変わる人ならいいですけれど。でも人は低い方に変わりやすいです。愛する人に愚痴をいい過ぎるのは、愛している人に毒を飲ませるもの一緒です。だから胃がやられるし、消化器官や女性なら婦人科がやられます」というと
「そうなんですか」と言われたので
「もしかして○側の卵巣痛くないですか?」ときくと
「その通りです。これももしかして手術かもしれません」と落ち込んでいました。
そしてふるらんの頭の中に聞こえてきた声があって、
「もしかしてあなたのお父さんと上手く行っていなかったでしょう?」と言うと彼女は無言になりました。
家に帰ると愚痴の毒を飲まされる。
仕事でのストレスは、辞めたら収入が止まると思う不安を呼ぶ。
大切な女性として扱ってくれるかと思っていた結婚ではなかったから、自分が強くなって頑張ろうと思っている心理からくる「女性性の否定」と加齢からくる「疲労と疲れが取れない」。
「ある女性の行者さんにね」とふるらんが昔のお話をしました。
あるお寺に行ったときに行者さんが数人いて、お滝の修行が終わったところでした。
滝に打たれると先達さんの力量と修行された人にもよるけれど、綺麗なお姿になるの。
それはそれはとても綺麗になお姿になっていたので、遠巻きにそのお姿を見ていました。
するとその女性の行者さんが私のそばを通りかかったときにニッコリ笑いながらふるらんに
「あなたは生理が終わると楽になれるわね。それからが本物になれるわね」といい、おなかのあたりを見ていました。
「ただそれまでは大変だけど、それを超えたら本気を出せるから楽しみだと思ってそれまで何があっても我慢して超えてね」と言ったのです。
ふるらんはお客様の彼女に
「私は修行なのでいろんな苦しみを超えることが仕事。でも私はその経験を生かし、人を助ける事が使命。その使命ができたらご褒美が突然降りてくる時があってね。ご褒美を望んではいけないけれど望んじゃうのが人間よね
あなたは違う。あなたの苦しみを本当に一緒に考えてくれて、抱きしめてくれる人を見つけるのが本当のあなた。あなたに自分の吐いた毒を飲ませる人と一緒にいるために生まれてきたのではないの。相手が変わったのだからあなたも変わっていいのよ。幸せの道を歩いて、心から優しい人を見つけてね」と言いました。
彼女は
「別れていいのですね?」と聞くので
「うん。早く解毒して身体治しましょう」と言いました。
離婚の方法とタイミングを聞き、彼女はそれをメモしていました。
その後、数カ月後、彼女は離婚。
連絡をいただきました。
「離婚しました。自由になったと思ったらとっても身体が楽になりました。これから自分の好きなことをたくさんして早く自分に戻ります」と書いてありました。
ふるらんからの返信は
「おめでとう」という内容と「解毒の方法」としっかり書いて送りました。
仏教では不満や悪口をいいすぎるのは○徳を積むと言われています。
今あるものに感謝をしていたら○満はあっても大量には出ないのです。
一瞬の○満は
「これはきっと足りているのを知りなさいと言われているかも」とすぐ転換できる自分にしなければならないのです。
(なかなか自分でもできていないけれど)
私たちは普通の人間なので、まったく愚○をこぼさない人にはなれませんが、もしこぼしたとしたらそれ以上に耐えなければならないことが起きると思うのも正しいことです。
でもそれを過剰に反応してはいけません。
とにかくいろんな徳を積み重ねること。
ふるらんも毎日、毎日徳を重ねることをしています。
そして決してしていはけないことは
「苦と毒を広げないこと」。
人間だから言ってしまうことも思ってしまうこともあります。
でもそれを広げてはいけません。
ですから気をつけて話す、発信するということをしていかなければならないのです。
修行を人生の時間の中でしている人はなおさら。
「行に立てつき、徳を要求し、神仏の前のみ行者として見せ、人より上位に立つことのみ安定と信じ、日々を軽んじ、甘んじるものは自らを毒とし、下に落ちるための道を自ら作るごとし」なので。
「内省を涼しく行い、そして仏様の御心のように温かい風がさわやかに身にも心の中にも広げられ、何があっても心は平和である人」になりたいですね。