電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

劇場公開版の言語に関するデータ

2014-09-24 22:28:12 | その他・研究

70年代に劇場公開された映画の詳しい情報としては、書籍などの資料を見るのが手っ取り早いと思います。「香港・台湾フィルム全リスト」という資料がとても役立ちますが、このリストは資料本が刊行された1980年当時の全リストとなっています。

 「ドラゴン大全集」芳賀書店刊 日野康一編

このリストは、シネアルバム76「ドラゴン大全集 KUNG FU! ブルース・リーからジャッキー・チェン」という本に記載されています。(下記参照)

ここで注目したいのは、”当時上映されたフィルムがどの言語で上映されたのかについて”・・・なのです。

あまりこの情報って無かったなと思っていたのですが、この本のことを思い出し、備忘録的に記事を書いてみました。

 王羽「嵐を呼ぶ必殺剣」当時は、日本語版が上映された。(その理由もあるにはあるのだが)

74年をピークとして、「燃えよドラゴン」以降に公開された作品をメインに配給会社とともに、上映時間、上映時音声などがリストとして載っています。来年ぐらいにはそろそろ、復活!ドラゴン・ブームでも来て欲しいですね。

また、この資料本には張徹(チャンチェ)監督の特別寄稿が掲載されています。チェン・チェの映画における死に関する記述に注目してみると、「古代東洋人(中国と日本)の戦い方は欧米人とは違い、降伏することはなく、がむしゃらになって死ぬか、自殺するだけのことです。」と書かれています。

王羽の「大刺客」を例に挙げ、主人公が目的の敵を暗殺した後、自分の腸をひねり出して自殺するという、勝利してから自殺するという行動が欧米人には理解できない性質だと書いています。血まみれで悲壮な死をむかえるという映画で表現する。これが東洋的なアクションの描写であると・・・。

そして、50年代頃からの黄梅調映画がカンフー映画製作の土台になったというのも貴重な証言ですね。結局、誰も自分の国の人間が持っていた性格を表現することがなかったために、自らが映画を通して表現してみせたという話になると思います。理解するには確かに難しい面もあるのかも知れません。しかし、張徹は「残酷すぎるで片付けるな。」と主張します。張徹は浙江省生まれです。つまり中国人。中国人でなければ理解が困難もあるでしょうが、先の東洋人の意味には日本人を含む考えもあるようでした。

以上、張徹ご本人による言葉からの感想でした。

 

 

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祝!ヤング・マスター&ドラゴン・ロードほかエクストリーム・エディション発売決定

2014-09-13 11:03:02 | ニュース

つい先日もいつ出るのだろうと思っていたところだったのですが、ついに「ヤングマスター」の”本物”入りのブルーレイ・ソフトが発売されます!

公式サイトはこちら

そうです。待ちに待ったファンの念願が遂にかなったという事になるのですが、私も劇場で観て以来の対面となる訳で、実際に手にしてみて一刻も早く再生してみたい気持ちです!「これだよ、これだよ。これが本物だよ。」ってカンジかな(笑)。

今回、事前に上映会のようなイベントは無いのでしょうか?ヤンマスの特報というか予告編を見た記憶がもう無いのですが、ドラローあたりは予告もよく他のと一緒にみたような記憶があるので、また当時の記憶が甦って来るかも知れないですし映画館という環境がいいですね。

まぁ、今後バックインXXXとかで大スクリーンで上映されたりする可能性もあるでしょうか。(むしろこの方が喜びが大きいかも)

どうも劇場公開版が入っていると、商品名がエクスト・バージョンとなるようですね。

いろいろ入っているものが多くて、まぁ詰め込みすぎというくらい(正直そんなにゆっくり時間を割くことが不可。ほかのは見ない人も多かったりして^^)の仕様ですけども、プレスシートの縮小版コピーが入るのは、まぁまぁうれしいところです。(欲をいえば実物大がいいかなぁ)

プレスなんてオークションなどで高値で取引されてたブツでしたので、コレクターでもなければなかなか全部揃えるなんてことはできないですよね。

ほかのラインナップも凄くて、サイトの情報をちょっと順に見ていきましょう。

『ドラゴンロード エクストリーム・エディション

いやぁ、今回のリリースはうれしいニュースですよね。一気に(?)リリースされて次のリリースもまたあることを考えると、そんなお金はもう無いですよ・・・なんてことになっちゃいますが、まぁ好きなタイトルですから純粋に喜んでいます。

新録版というもの将来を考えると必要なのかも知れませんが、個人的にはあまり需要がないというか新たらしい声での視聴はないですね。当時の声優の声が脳に焼き付いちゃっているからなのですが・・・。

『スパルタンX エクストリーム・エディション

これが自宅でゆっくり見れるというのは素晴らしい。でも今年のイベント上映で、秋に予定しているようなのですが、やっぱり発売されちゃうんですね。せっかくなので劇場に観に行くつもりです。

『プロジェクトA エクストリーム・エディション

こちらは京橋のフィルムセンターで見ましたね。まぁいろんなソフトが出てますから、今まで出た種類は相当な数になるんでしょうね。多すぎてまったく把握できません。VHSが公開版を使っていたんだったと思います。

『プロジェクトA2 エクストリーム・エディション』

これはうれしい!!!ストーリーがどうも好きなんですよ。本編に不思議な魅力があるのは間違いないところです。チャーリー・チャンのインタビュー入ったところでそれが売りになるとは到底思えませんが(苦笑)、私は是非観たいですね!


『プロテクター エクストリーム・エディション

こちらも確かに凄い。VHSが確か公開版仕様でしたのでまぁついでにって感じになるとは思いますが、テレシネ付きなら買いでしょう。

テレビでやってたヤツにしてもじっくり観ると本当に面白いんですから。

『キャノン・ボール エクストリーム・エディション』

数年前にフィルム上映されたときに鑑賞済みですが、そのまま永久保存版となる可能性大(爆)。これは当時劇場では見てなかったなぁ。

東宝東和が、ここまでやるなら是非『バトルクリーク・ブロー』もエクスト版が欲しいところですね。(というかテレシネ)こちらも劇場で当時見ているものの違いはよく分かりませんけど、シネフォント付きで鑑賞したいです。この鑑賞スタイルが本当にたまらないんです!

東映の方の続きも気になります。『龍拳』、『カンニングモンキー天中拳』がちょびっと来て『成龍拳』や『ドラゴン特攻隊』そして『醒拳』がテレシネされているのでしたら、『蛇鶴八拳』はどうなのでしょう??まぁ慌てても仕方ありません。(とにかく焦ってはいけないと思うんです)ゆっくり順番に優越感を味わうつもりです。

 

 

 

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キン・フー『怒』~喜怒哀楽より

2014-09-12 00:13:06 | 七十年代作品【1970】

オムニバス作品『喜怒哀楽(Four Moods)』(70)の2つ目のエピソードは『怒』。この部分を監督したのがキン・フーです。

まずは、こちらの動画をどうぞ。

公式(?)トレイラー

 

借金に苦しむリー・ハンシャン(左端)のために作った映画らしい。

 

邵氏の『黒店』で描かれていたシーンで、店に客が来たとき慌ててアクロバティックな動きを見せて、客を招き入れるというシーンがありました。実はこの『怒』でも、全く同じ、そのシーンがあります。映像としてのモデルは『怒』にあった可能性が高いです。つまり『黒店』という映画は映画史的には『怒』の後ろ側に続く映画に属し、これらの作品群はそういった繋がりを持っていますので、

『大酔侠』(66)-『龍門客』(67)-『怒』(70)-『黒店』(72)---『迎春閣之風波』(73)・・・
                         |
                         +--???

上記のようなプロセスになりますね。(図:棧電影リスト)

この『怒』から枝分かれするものが、他にもまだあるかも知れません。

 フー・チンと張鵬

『怒』はこんなお話です。

北宋時代の物語。楊六郎こと楊延昭(曹健)の部下であった焦贊将軍(薛漢)は人殺しの罪で流刑となった。途中で暗殺されることを心配した楊は焦贊の同僚、任堂恵(張鵬)に忍び姿で向かい、焦贊を護衛するように命じた。焦贊を護送する4人の役人(陳寶亮、黄國柱、杜偉亮、李逵)。人里離れた場所、三岔口に到着した一行は宿をとる。この宿屋は夫婦が経営していた黒店であった。
店主の劉利華(陳慧樓)とその妻(胡錦)は旅人から財物を奪ったりする悪人だったのだ。任堂恵があとから宿に到着、部屋へ案内する劉妻。任堂恵が持っているずっしり重い銀貨も気になる様子だ。役人たちは劉利華に吹き込み、寝ている任堂恵に斬りかかろうとするが、察知した任堂恵はうまく攻撃をかわす。そして暗闇の中、宿にいる者たちの静かな決闘がはじまった・・・。

 

衝撃的なラストとなっていますが、結末は原作とは違う展開となっているようです。
客棧で胡錦がいくつものろうそくの灯を硬貨で投げ消し、暗闇でのバトルがはじまるという演出がとても良い!!
任堂恵を演じた若き張鵬が東山紀之そっくりで思わず笑ってしまいますが、陳慧樓とのバトルも二人の動きはなかなかいいですね。
役人の一人はクレジットだと”杜偉亮”という名の人がいます。実はこの人、杜偉和だったんですね。杜偉和は意外や意外、キン・フー作品の常連さんなのでありました。(あの龍飛も一瞬ですが、どこかにいます(笑)。探してみてくださいね。)

 杜偉和(左)

『怒』は以上ですが、時間にすれば30分ほどですが、リー・ハンシャンの為とは言え、キン・フーは棧を使った短編を製作したのでした。京劇の武劇「三岔口」をそのまま映画にしたそうですので、見比べてみると面白いですね。

【参考】京劇・三岔口ダイジェスト 動画はこちらから

             (※日本語説明文入り)





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日本語字幕つきで観られる『鷹爪手』

2014-09-07 16:02:16 | ニュース

今回はいつもの映画の記事ではありません。
香港の未公開映画が字幕付きで観られるというサービスのご紹介です。
実際に日本語字幕付きで観られるものは限られますが、一部の映画などは既に日本語字幕が付け
られています。
動画の方は著作権処理され、無料で視聴できるものらしいです。

とりあえず私が観て見たのが『鷹爪手』という張冲(ポール・チュン)主演の武侠作品。
70年の國泰公司(キャセイ)の映画ですが、以前は北京語音声のみで字幕も無かったため
視聴するには敷居が高く内容をチェックする程度でした。

『鷹爪手』はこちら

このVIKIというシステムですが、
まだ始まったばかりの、いわばコミュニケーションツールです。
今後、どのくらい発展するのか予測不可能ですが、ボランティアたちの力を
借りて映画を楽しめるサービスというのも面白いかもしれませんね。

最近は大手の企業がこういったサービスに参入したりしているようですね。
将来的には日本語音声もボランティアの力で、人工音声になる可能性もありますが
海外の映画が日本語で楽しめるジャパニーズダブな時代が来るのでしょうか。
(声優を使わない、機械的な声ってあまり聞きたくない気もしますが・・・)

 

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