【嘉禾】製作の「壊小子」(邦題:「復讐の彼方」)は韋白の主演映画です。
いわゆる民初功夫片ですが主役の韋白以外は人気のある有名俳優が出演していないという地味な作品です。殆どが【邵氏】のスターで固められ、私が以前CS局で観たときには(字幕は中文英文和文の3段!)かなりマイナー作品のイメージがありました。また、日本での知名度の面では著しく低い存在である李榮章が監督をしています。彼は【邵氏】で助監督として「洪拳與詠春」などに参加していましたのでその頃から韋白を知っていたかも知れません。この映画の武術指導にはこちらも【邵氏】で活躍した黄志強(カーク・ウォンではない方の人)が当たっています。
韋白は【邵氏】から【嘉禾】へ移籍して「豪侠」や「林世榮」に出演するなど【嘉禾】でも活躍することになります。当時【嘉禾】で売り出し中だった彼は「豪侠」「壊小子」を経て「師弟出馬」に出演、一気に名を広めたと思います。洪拳や空手もお得意の彼。”韋拳”なる独自の拳法も編み出す程の武術家、功夫使いでした。
風来坊の馬山雁(韋白)は佛山の壊小子と呼ばれていた。持ち前の腕と度胸で歐行武(韋弘)と老人・高岳帥(楊澤霖)とのいざこざもあっという間に解決。しかし、他人の婚礼の縁起物の焼き豚をつまみ食いするなど騒動を起こす。放浪生活から1年ぶりに実家に戻ったが騒動の被害者に怒鳴り込まれ母親(文秀)に勘当される。(家の息子が追い出される光景はよく目にします。)ある日、泥棒2人組(廖偉雄、朱剛)が男から財布を盗んだ。ところが馬はその金を奪ってしまう。再び歐が登場し弟子にしてくれと頼むが馬は一蹴する。馬が川で魚を獲っていると、大金の入った財布は2人組に持っていかれた。
翌朝、金鳳(文雪兒)の家の外で寝ていた馬。金鳳が気付くと父親(鮑洛夫)を呼び出した。父親は財布を取られた男だったのだ。家から追い出される馬。そこに借金取りの沙福(馬宗)が現われた。馬が助けに入ると沙福たちは退散した。しかし父親は病気にかかってしまう。ここで馬は金鳳に結婚を強要した。すぐに追っ手が来ると強引に家に火をつけた。金鳳は馬に従うしかなかった。父親を宿に運び、馬が医者の包史仁(葉夏利)を連れてくる前に父親は息を引き取っていた。悲しむ金鳳と平然とする壊小子。そこに中ボスの沙金陀(王青)が登場する・・・。
と、終始強引な壊小子と金鳳とのやり取りや各登場人物の絡みには趣向を凝らしてありますので展開が読めず引き込まれてしまいます。(この後、大ボスの沙千甲(陳耀林)も控えていますが・・。)ラストにはちょっぴり感動しました。また”壊小子”は滅法強く、アクロバティックなカンフーアクションもストレス無く安心して見ていられましたので疲れないと思います。尚、韋白が演じた”馬山雁”は英語名が"Wild Goose"といいましたが、イギリス映画「ワイルド・ギース」(78)のBGMが劇中に流れるのも一興でした。
JoySalesから永恆的經典系列VCD発売中(香港版)
★田俊主演作品
■「必殺!少林拳・涙の復讐(福建少林拳)」(8/24発売)
■「貂女」(8/24発売)
■「追撃」(8/24発売)
★コメディ作品
■「綽頭状元」 (8/17発売)
■「ザ・ポップマン(神偸妙探手多多)」(8/13発売) 前回記事はこちら
尚、77年に劇場公開されました「新・金瓶梅(新官人我要)」(Confession of a Concubine)【鳳鳴】は、8/13に発売(チョウ・ユンファは勿論出演しておりませんのでご注意を)。
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★コメディ作品
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■「ザ・ポップマン(神偸妙探手多多)」(8/13発売) 前回記事はこちら
尚、77年に劇場公開されました「新・金瓶梅(新官人我要)」(Confession of a Concubine)【鳳鳴】は、8/13に発売(チョウ・ユンファは勿論出演しておりませんのでご注意を)。
辛極貴(李昆)は寶玲を追って劉の家まで来た。訪ねてみると劉は既に居なかった。大家に聞くと引っ越したと言う。寶玲と2人で出て行ったらしい。やはりそうだったかと辛は失望する。死んだことになっているから家には戻れない。まずは住処を探しに行くことにした。友達だから何でも力になるよと伍は言った。仲良し詐欺師コンビの結成である。
賃貸でいい部屋があるということで早速下見をすることに。そこの管理人(王莱)と使用人(石天)がコンビ2人と話している。伍は辛を社長だと紹介するがどうみても社長とは呼べない身なりで管理人は納得のいかない表情。「ご商売は?」と質問してきた。伍は工場がつぶれたと困っている事を言ってその場を切り抜けた。奥の部屋へ入ってみると此処で医者をしている男は患者が来たのかと勘違いした。隅にある2階の上の部屋が空いていた。家賃は月100ドルだったが住むことに決めた。
翌朝、寶玲は高級なホテルの一室で目覚めた。しかし隣に劉の姿はない。部屋を探してみるが劉はどこにもいなかった。これはおかしい。逃げられたのだろうか?。すると机に置き手紙があった。「お金をありがとう。」彼女も騙されたのだ。手紙を破り捨て泣き崩れる寶玲だった。
辛のアパートでは麻雀が始まった。メンツは管理人、医者と中年男(田豊)に頼りない辛だ。辛はクセで額に麻雀牌を擦りつけている。あと一ピンでアガリだ。しかし誰も一ピンをツモっても振り込まない。おでこにハッキリと一ピンの跡がついていたのだ。辛は皆に大笑いされる。今度は管理人が北を切った。それを辛がすかさずポン。既に3枚場に見せてあったので中年男に睨まれた。またまた笑い者にされる辛。こんなのやってられるかと卓をひっくり返した。
場面は骨董品店に変わる。外国から来た一行が店内を見回している。伍はウィリアムズいう夫婦を“特別”に古い家まで車で案内した。辛が老人、章老千に変装して絵を書いている。骨董品を見る夫婦。夫人が小さな美女像をみつけ、値段はいくらかと聞くと4000ドルと言われた。それは高かった。伍は内緒で2500ドルにするからと言いうまく買わせることに成功した。元手の20ドルが2500になったと大喜びする辛。伍はマカオの2万を返さないといけないと例の一件を気にしているようだった。
コンビ2人は帰りにクラブの前を通る。辛は高い店だと心配になるが伍は引っ張り込んだ。中は沢山の客で賑わっている。席につくと伍が気づいた。そこにはホステスとして働く寶玲の姿があった。気まずくなった寶玲はその場を去った。その後、南施(丁珮)が伍についた。伍は銀行員だと名乗る。ダンスを踊るふたり。するとノってきた伍は歌も歌えると言い出した。いい男だと伍を眺める南施。テレサ・テンの“一水隔天涯”やトム・ジョーンズの“よくあることさ”を熱唱する。場は盛り上がる。さらにヒートアップした伍は上着を脱いでノリノリでバンドのギターを奪い、狂ったように歌い出した。伍は周りの女性達を虜にしてしまった。歌い終わると当然の如く囲まれる伍だった。
南施が部屋に伍を連れてきた。「暑くない?」とそれとなく誘惑して服を脱がせる。しかし南施の客が次々とやってくる。まずは騎手の王大泡(午馬)が現れた。トイレに隠れる伍。南施は王から競馬の予想を聞いていた。そこにパトロンの“パパ”(羅維)も現れた。嘘をついて来たからと慌てている。王もトイレへ。今月の小遣いをもらう南施。トイレの中で伍たち2人は事情を納得している様子。静かだなと王はドア越しに耳を立てていた。しかしあっという間にパパは帰って行った。トイレで意気投合するふたりを見た南施は気絶してその場に倒れた。
伍が家に戻ると仲間がにぎやかに飲んでいた。儲け話があると伍が切り出す。が、辛の姿がない。なぜかスネている辛。伍がいなくなったあとクラブで散々な目に遭ったのだ。でもいいニュースがあると辛を呼んだ。伍が有名なジョッキーの王と知り合いになったと言うと予想を聞いて大儲け出来ると皆、大騒ぎに。しかし辛は金を払わされたおかげでスッカラカンと不機嫌のまま。何とかするからと伍は宥めた。
とある屋台の果物屋。いつもの調子で隣の工場の事務長だから工場長に会いに来たと言ってフルーツを騙し取る伍。偶然にもこの工場には彼女の燕(苗可秀)が働いていた。数ヶ月ぶりに再会するふたり。お互いに近況を話し合う。どこに住んでいるのかも聞いた。するとさっきの果物屋が来た。嘘がバレて騒いでいる。いつものように金を払う彼女だった。
伍は南施宅を訪ねた。見つめ合う二人。南施はベッドに誘う。今日は競馬で勝てる、右手に鞭を持ったら勝つサインだと言う。文無しの伍は銀行で会議があると言って拒んだ。どうしてこんないい話なのにと不思議がる南施。伍はここに来る前にスリに遭ったが1万もすられて手持ちがないから行けないなんて言えないと話す。金は南施が出すことになりいざ競馬場へ。馬券はすべて大当り。2人は大金を手にして喜ぶ。しかし馬券屋が目を付けていた。その後、騎手の王と高級レストランへ。さっきの馬券屋が何か企んでいる。すると店の奥にいた伍が呼ばれた。社長の馮(馮毅)が取引しようと言ってきた。チャンス到来とOKを出した。席に戻った伍は大勝を祝って3人で乾杯した。
仲良しコンビはプレゼントを沢山持って燕の家に訪問する。その家の女性たちが集まってきた。伍は父親代わりが銀行家でアメリカにいると話す。家にいる女性は皆、失業中で託児所を開きたいそうだ。しかし設立に少なくとも10万が要る。5万はなんとかなりそう。伍は10日以内に5万を用意すると豪語する。アメリカに電報を打つと言うが…。燕は心配そうな顔をした。
伍が馬券屋の馮を訪ねると、早速レースの説明をする。7レース出て勝てるのは4レースで1レース5万。2レースなら7万。高くないかと言われても他人なら10万だからと馮に金を払わせた。本当に怖い物知らずである。大金を用意した伍は燕のもとへ。しかしアメリカにいる親代わりから貰ったと言って彼女にも本当のことを言わない伍だった。もし嘘なら見捨ててくれと燕と約束する。
帰りに馬券屋を騙したからと逃亡計画を辛に話す伍。一方、ラジオで競馬の結果を聴く社長と部下たち。結果は惨敗。見事やられた社長。伍はマカオの人にも金も返したし、託児所も開けたから新天地で頑張ると言った。辛は誰も知らない場所で心配になるがついて来いと自信たっぷりの伍。すると託児所を見に来てと燕から電話がかかってきた。
道を歩いていると馬券屋に見つかってしまった。走って逃げるがに追いつかれてしまう。五人の男に囲まれボコボコにされる伍。それを見ていた一人の女性がバッタバッタと男達(楊威、徐忠信、黄家達、元奎、田俊)を倒していった。伍がよくみると茅瑛(本人)だった。映画では代役かと思ったという伍。「本物の私よ。」本当に強いカンフースターだった。お礼を言って別かれた。
託児所は無事開設されていた。子供もいっぱいで盛況である。燕は名誉の負傷を負った伍を見てどうしたのかと心配する。つい口をすべらせて本当のことを言ってしまう辛。やっぱりと怒ってその場を去る燕。約束を破ったのだ。しかし仕事をしてまともになると反省する。チャンスをくれとだけ言ってどこかへ行ってしまった。
工場では大勢の人々が働いている。今日も一日仕事が終わった。そこにマカオの商売人・鄭が再登場。香港に短期で出張に来たらしい。伍に会いに工場まで来たのだった。伍に会うと金を出すから商売をしないかと持ちかける。香港に1週間いるから考えてくれと連絡先を教えた。工場の外で待っていた燕と女友達。ふたりはずっとその様子を見ていたのだ。彼女は「映画を観ない?」と伍を誘った。道端にピーナッツ売りがいた。伍はデートだからついてくるなと買ったピーナッツを辛に渡し手なづけた。これも計算のうち。残された辛たちも満更でもない感じ。
伍徳全の恋はこれからである…。
ーENDー
長々とストーリーを書きましたがテンポがとても良く洗練されておりコメディ映画としてかなり面白い作品だったと思います。この後、「鬼馬雙星」(Mr.BOO!ギャンブル大将)が大当りするのは御存知の通りですが「綽頭状元」は許冠傑がMr.BOO!シリーズで見せたキャラクターの原点の一つと言えると思います。そういえば西本正氏のインタビュー本「香港への道」の中でなぜか映画の題名が書いてなかったのですが競馬場で撮影したと言っていたのはこの映画の事ではないでしょうか?
そして、羅維監督は続編「綽頭皇上皇」の製作に入ります。前作のようなコメディだったらもちろん誰もが大喜びです。しかし残念ながら公開されなかったのです。なぜ公開されなかったのか?
「綽頭状元」は【嘉禾】と【羅維】の共同製作でしたがこの両会社の関係は悪化、苗可秀も多忙になってしまいます。つまり未完成だったのでは?と思うのです。総ては600万ドルの興収を出した「鬼馬雙星」超ヒットがもたらした思いもよらない結果だったと思うのですが如何なものでしょうか。
※Joysalesから「綽頭状元」VCDが発売中
賃貸でいい部屋があるということで早速下見をすることに。そこの管理人(王莱)と使用人(石天)がコンビ2人と話している。伍は辛を社長だと紹介するがどうみても社長とは呼べない身なりで管理人は納得のいかない表情。「ご商売は?」と質問してきた。伍は工場がつぶれたと困っている事を言ってその場を切り抜けた。奥の部屋へ入ってみると此処で医者をしている男は患者が来たのかと勘違いした。隅にある2階の上の部屋が空いていた。家賃は月100ドルだったが住むことに決めた。
翌朝、寶玲は高級なホテルの一室で目覚めた。しかし隣に劉の姿はない。部屋を探してみるが劉はどこにもいなかった。これはおかしい。逃げられたのだろうか?。すると机に置き手紙があった。「お金をありがとう。」彼女も騙されたのだ。手紙を破り捨て泣き崩れる寶玲だった。
辛のアパートでは麻雀が始まった。メンツは管理人、医者と中年男(田豊)に頼りない辛だ。辛はクセで額に麻雀牌を擦りつけている。あと一ピンでアガリだ。しかし誰も一ピンをツモっても振り込まない。おでこにハッキリと一ピンの跡がついていたのだ。辛は皆に大笑いされる。今度は管理人が北を切った。それを辛がすかさずポン。既に3枚場に見せてあったので中年男に睨まれた。またまた笑い者にされる辛。こんなのやってられるかと卓をひっくり返した。
場面は骨董品店に変わる。外国から来た一行が店内を見回している。伍はウィリアムズいう夫婦を“特別”に古い家まで車で案内した。辛が老人、章老千に変装して絵を書いている。骨董品を見る夫婦。夫人が小さな美女像をみつけ、値段はいくらかと聞くと4000ドルと言われた。それは高かった。伍は内緒で2500ドルにするからと言いうまく買わせることに成功した。元手の20ドルが2500になったと大喜びする辛。伍はマカオの2万を返さないといけないと例の一件を気にしているようだった。
コンビ2人は帰りにクラブの前を通る。辛は高い店だと心配になるが伍は引っ張り込んだ。中は沢山の客で賑わっている。席につくと伍が気づいた。そこにはホステスとして働く寶玲の姿があった。気まずくなった寶玲はその場を去った。その後、南施(丁珮)が伍についた。伍は銀行員だと名乗る。ダンスを踊るふたり。するとノってきた伍は歌も歌えると言い出した。いい男だと伍を眺める南施。テレサ・テンの“一水隔天涯”やトム・ジョーンズの“よくあることさ”を熱唱する。場は盛り上がる。さらにヒートアップした伍は上着を脱いでノリノリでバンドのギターを奪い、狂ったように歌い出した。伍は周りの女性達を虜にしてしまった。歌い終わると当然の如く囲まれる伍だった。
南施が部屋に伍を連れてきた。「暑くない?」とそれとなく誘惑して服を脱がせる。しかし南施の客が次々とやってくる。まずは騎手の王大泡(午馬)が現れた。トイレに隠れる伍。南施は王から競馬の予想を聞いていた。そこにパトロンの“パパ”(羅維)も現れた。嘘をついて来たからと慌てている。王もトイレへ。今月の小遣いをもらう南施。トイレの中で伍たち2人は事情を納得している様子。静かだなと王はドア越しに耳を立てていた。しかしあっという間にパパは帰って行った。トイレで意気投合するふたりを見た南施は気絶してその場に倒れた。
伍が家に戻ると仲間がにぎやかに飲んでいた。儲け話があると伍が切り出す。が、辛の姿がない。なぜかスネている辛。伍がいなくなったあとクラブで散々な目に遭ったのだ。でもいいニュースがあると辛を呼んだ。伍が有名なジョッキーの王と知り合いになったと言うと予想を聞いて大儲け出来ると皆、大騒ぎに。しかし辛は金を払わされたおかげでスッカラカンと不機嫌のまま。何とかするからと伍は宥めた。
とある屋台の果物屋。いつもの調子で隣の工場の事務長だから工場長に会いに来たと言ってフルーツを騙し取る伍。偶然にもこの工場には彼女の燕(苗可秀)が働いていた。数ヶ月ぶりに再会するふたり。お互いに近況を話し合う。どこに住んでいるのかも聞いた。するとさっきの果物屋が来た。嘘がバレて騒いでいる。いつものように金を払う彼女だった。
伍は南施宅を訪ねた。見つめ合う二人。南施はベッドに誘う。今日は競馬で勝てる、右手に鞭を持ったら勝つサインだと言う。文無しの伍は銀行で会議があると言って拒んだ。どうしてこんないい話なのにと不思議がる南施。伍はここに来る前にスリに遭ったが1万もすられて手持ちがないから行けないなんて言えないと話す。金は南施が出すことになりいざ競馬場へ。馬券はすべて大当り。2人は大金を手にして喜ぶ。しかし馬券屋が目を付けていた。その後、騎手の王と高級レストランへ。さっきの馬券屋が何か企んでいる。すると店の奥にいた伍が呼ばれた。社長の馮(馮毅)が取引しようと言ってきた。チャンス到来とOKを出した。席に戻った伍は大勝を祝って3人で乾杯した。
仲良しコンビはプレゼントを沢山持って燕の家に訪問する。その家の女性たちが集まってきた。伍は父親代わりが銀行家でアメリカにいると話す。家にいる女性は皆、失業中で託児所を開きたいそうだ。しかし設立に少なくとも10万が要る。5万はなんとかなりそう。伍は10日以内に5万を用意すると豪語する。アメリカに電報を打つと言うが…。燕は心配そうな顔をした。
伍が馬券屋の馮を訪ねると、早速レースの説明をする。7レース出て勝てるのは4レースで1レース5万。2レースなら7万。高くないかと言われても他人なら10万だからと馮に金を払わせた。本当に怖い物知らずである。大金を用意した伍は燕のもとへ。しかしアメリカにいる親代わりから貰ったと言って彼女にも本当のことを言わない伍だった。もし嘘なら見捨ててくれと燕と約束する。
帰りに馬券屋を騙したからと逃亡計画を辛に話す伍。一方、ラジオで競馬の結果を聴く社長と部下たち。結果は惨敗。見事やられた社長。伍はマカオの人にも金も返したし、託児所も開けたから新天地で頑張ると言った。辛は誰も知らない場所で心配になるがついて来いと自信たっぷりの伍。すると託児所を見に来てと燕から電話がかかってきた。
道を歩いていると馬券屋に見つかってしまった。走って逃げるがに追いつかれてしまう。五人の男に囲まれボコボコにされる伍。それを見ていた一人の女性がバッタバッタと男達(楊威、徐忠信、黄家達、元奎、田俊)を倒していった。伍がよくみると茅瑛(本人)だった。映画では代役かと思ったという伍。「本物の私よ。」本当に強いカンフースターだった。お礼を言って別かれた。
託児所は無事開設されていた。子供もいっぱいで盛況である。燕は名誉の負傷を負った伍を見てどうしたのかと心配する。つい口をすべらせて本当のことを言ってしまう辛。やっぱりと怒ってその場を去る燕。約束を破ったのだ。しかし仕事をしてまともになると反省する。チャンスをくれとだけ言ってどこかへ行ってしまった。
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伍徳全の恋はこれからである…。
ーENDー
長々とストーリーを書きましたがテンポがとても良く洗練されておりコメディ映画としてかなり面白い作品だったと思います。この後、「鬼馬雙星」(Mr.BOO!ギャンブル大将)が大当りするのは御存知の通りですが「綽頭状元」は許冠傑がMr.BOO!シリーズで見せたキャラクターの原点の一つと言えると思います。そういえば西本正氏のインタビュー本「香港への道」の中でなぜか映画の題名が書いてなかったのですが競馬場で撮影したと言っていたのはこの映画の事ではないでしょうか?
そして、羅維監督は続編「綽頭皇上皇」の製作に入ります。前作のようなコメディだったらもちろん誰もが大喜びです。しかし残念ながら公開されなかったのです。なぜ公開されなかったのか?
「綽頭状元」は【嘉禾】と【羅維】の共同製作でしたがこの両会社の関係は悪化、苗可秀も多忙になってしまいます。つまり未完成だったのでは?と思うのです。総ては600万ドルの興収を出した「鬼馬雙星」超ヒットがもたらした思いもよらない結果だったと思うのですが如何なものでしょうか。
※Joysalesから「綽頭状元」VCDが発売中