電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

劉家榮、劉家良・・そしてサモハンと。

2012-06-29 00:00:00 | 七十年代作品【1978】

前回の『鬼馬功夫』つづきです。

今度は1000元の大物・胡良(唐偉成)に狙いを付ける主人公・皮球だったが、
25元の賞金首・八極(鄭康業)を仲間割れした胡良から救い出し、懸賞金をもらいに警察へ。
しかし、目の前で死んでしまって折角の苦労が水の泡に。
チェン・カンイェー(下)

聚香楼に戻った皮球は、胡良打倒の協力者を募る。
テーブルで誰かと話しているとさすがの今回は大物だけに断られた。
すると、うしろの男(大細眼)が立ち上がった。
肩をポンと叩いてしまったダー・サイアン

早速、胡良のところへ向かって対決したものの、やはり胡良は手強かった。
応援を頼もうと聚香楼にいた包揚天に話して、胡良の屋敷に戻ってみると
胡良は「男は殺したぞ」と言い、皮球が包揚天を連れてきたと告げると
ならば部屋の奥で勝負しようと蛇拳高手・包と対決することになった。

劉家榮の蛇拳は必見!

老練・包の蛇拳に手を焼いた胡良は奥の手を出す。

これが神打の術だ。(ウィルソン・タン)

神打の術で無敵となった胡良は、包揚天を酔拳を使って退けた。

 これは見物。酔拳VS蛇拳

最後の手段だと、3人目の男・葉孤行(徐少強)を呼び寄せる皮球。
たとえ死んでいても半額の500元の賞金が出るという強敵を倒すため次々に挑戦者を送り込む皮球だった。
 剣士ツイ・シウキョン
しかし、胡良のキレのある剣捌きの前に剣士・葉孤行も敗れてしまう。

舞台は「ヤングマスター」ラストでも有名なあの場所!

そして誰もいなくなった聚香楼で、困り果てる皮球。
小梅に相談してみると、自らの腕を磨くしかないと言われ蛇拳を試してみることに。

町ではコブラを売る店があって店主(西瓜[包リ」)に話しかけるが、
どうも蛇はシックリ来ないのであった。
 右:サイ・ガーポウおじさん

すると隣ではウナギの店があった。
”ウナギ”にするか”蛇”にするか迷っていると、何か閃いた様子の皮球。

「よし、これでいこう!」と決意

ウナギと戯れるうちに秘技”ウナギ拳”を編みだした皮球は、胡良を倒すための準備をすすめていた。
野原で修行中

修行でウナギ拳を身に付けた皮球は、神打に打ち勝つには何かが必要と感じていた。
「何か秘策は?」と小梅から言われると、「君のはいてるパンツが欲しい」と本音を漏らすが、彼女にパシリと頬を叩かれてしまった。

うなぎを料理してみた。

しかたなく老鴇の店に行くと、デブ女・霞姑(徐愛心)が出てきた。「これだ!」
デカパンの女

準備も整い、ついに胡良と対決する時が来た。

 
ウィルソン・タン。ビシっ。フィニッシュ大好き!

ならこっちビシっとね(笑)

まずは剣で対抗してみせる皮球だが、やはり相手は百戦錬磨の胡良。
着ていた服も切り刻み、護身用の鎧も剥いでしまった。

そして、出た!ウナギ拳!!!
腰には「邪」の文字が・・。

つるつるすべって容易につかめない体(これは油ね!)。
こうなったら奥の手、神打だ。(弱点は「龍の忍者」と同じ。)
デカパンを被せ、神打を封じる皮球。
「これでどうだっ」

意地を見せる胡良に皮球は最後の武器を使う。
結果はウナギ拳・皮球の勝利。今度こそ賞金はもらえるのか・・!?
隊長に捕まってTHE END

少々この映画について語ってみると、これはダーティ。要はズルいカンフー使いの男の物語ということになるんでしょうね。
ワン・ユーがそのズルいことばかりやる主人公で(つまり卑怯だということだが)、なぜ周囲の人間は命を落とす危険だってあるのに彼に力を貸して、あるいは騙されて敵と戦う気にさせられてしまう、そんなカリスマ主人公に仕立てたのか。
それはユエン・ウーピンの「蛇拳」(正式なタイトルである『蛇形チョウ手』。猫爪がちょっとズルい手だったのですよね。)がまさにちょっとズルいことして敵に勝った結末であったからなのでしょうね。劉氏兄弟はは『蛇拳』を相当意識し、さらにグレードアップ。巻き返しを計ったに違いありませんね。ウィルソン・タンも協力者ですが底力を見せた劉氏兄弟による『鬼馬功夫』。是非、まだ未見の方はこのあたりを着目していただきたいと思います。

とても楽しい作品でした。

『鬼馬功夫』の客入りはなかなか好調だったようで、上映開始直後のパーティでは監督の劉家榮(ラウ・カーウィン)をはじめ、主演のワン・ユーやセシリア・ウォンとナット・チャン夫妻が出席。他にもカール・マックや劉家良と劉家輝の顔ぶれも。そして、なんとなんと劉家榮が『老虎田[奚隹]』で共演したサモハンまでが出席していたそうです。
当然ながら次の映画の話も上映後すぐに出ていたようなのですが(サモハンと劉家榮ならこれは近い将来の「モンキーフィスト猿拳」のことでしょう。劉氏なら「ガッツフィスト魔宮拳」か?)
サモハンが劉家良や劉家輝と同じ会場にいたということでいろいろと想像してしまいますね(笑)。
サモハンと劉家良と言うと、89年の「ペディキャブドライバー」での対決がありましたが、これはまだまだ先の、それも10年も先の話ですからね。 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鬼馬功夫

2012-06-27 00:00:00 | 七十年代作品【1978】

 ワン・ユー(2008年没)

ワン・ユー(汪禹)。この人もいっぱいカンフー映画に出演なさっていましたけど、その殆どが邵氏だった気がします。

ワン・ユーの主演映画は以前、『功夫小子』(1977)を書いて以来になりますか。 今回の研究レポートの『鬼馬功夫』は、その彼が1978年に主演した功夫喜劇映画です(監督は劉家榮)。

 『鬼馬功夫』

製作プロは劉氏兄弟公司になります。 これは『鬼馬功夫』が製作された当時のエピソードですけど、劉家榮が多忙だったためラウ・カーリョンが監督や武術指導を手伝ったとインタビューで語っています。確かに78年後半は空いてしまっている感もあるんですが、まぁ兄弟ですからね。

 劉家榮、汪禹、黄杏秀、劉家良

この映画ではワン・ユーが川で泳ぐウナギを見て、それを自らの体で表現して体得するというシーンがあります。このシーン(動画参照)が大好きなのですけど、ワン・ユーが世にも奇妙なウナギ拳を生み出す瞬間であるのです。

 ウナギをつかまえた!

ちなみにこのシーンや映画の随所で流れてる音楽がチャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」のなかの「中国の踊り」という曲だそうです。(情報提供:Aceさん) ちょっと短い曲ではありますが、この映画にはとても効果ありますね~。

うなぎ踊りかな?

先日、たまたま公園を歩いていたらカモの親子が池を泳いでいたのを見ました。とっても可愛らしかったですね。(どっかにカルガモ拳なんてないかなぁ。)

『鬼馬功夫』ではウナギ拳と蛇拳などのカンフーと多彩な出演者たち。そして、最後の強敵、ウィルソン・タンが神打を使うという絶妙な組み合わせ。いかがでしょうか、この劉氏兄弟が用意した最高のディナーは!!!

 

それでは、ストーリーと登場人物を順に見ていきましょう。

冒頭、仕掛られたワナに敵を反対に引っかけてしまうお約束のシーン。

こうなるはずが・・。

 やっぱりこうなっちゃう(笑。

ここに出てくるのは魚頭雲と杜少明。(2名ともクレジット有り)

左:魚頭雲(余允名義) 右:杜少明

主人公の皮球(ワン・ユー)は、賞金稼ぎ。

「オレが山崎邦正・・じゃなかったワン・ユーだよ」

張り出されたビラを見て賞金首の鐘風を捕まえようと計画。

ヒゲの男がターゲット

食堂でチャンルン と。

懸賞金50元に目がくらみ、まずは鐘風に似ているということでヒゲを書かせて無理矢理犯人に仕立ててカネを騙し取る皮球。

うひゃひゃひゃひゃ

次に見ず知らずの葬式に忍び込み、 キョンシーに化けてピョンピョン跳ねながら死体を運び出す皮球。

これはちょっと悪ノリしすぎか・・。。

道士(ホー・パッコン)も登場する。

林正英にちょっと似てるねホーさん

警察へ鐘風と偽って運んでくると、さっきの家族が駆け込んできて失敗!

 保安隊長(カール・マック)とビリー・チャン

皮球は偶然、町でホンモノの鐘風(高崗)を見かけるが、

トンプソン・カオ(高崗)

肝心のカンフーの腕前は凄腕とは言えず 聚香楼で仲間のバウンティハンター達に

黄志強、陳狄克、京柱 (ノンクレジット出演)

吹っかけて 捕まえてもらい、そのオコボレをもらったりする。 そして、女主人・老鴇(許瑩英)の売春宿にいた鐘風を発見。

許瑩英「きゃー店を壊さないでー」

稼ぎ仲間(黄樹棠)を利用して、賞金首を捕獲してもらうことに成功。

 ウォン・シュートン

 しかし、カネは貰えずじまい。主人公は終始こんな不運に見舞われる。 皮球は鐘風からスったサイフに入っていたビラから新たな情報を知る。

黄振堂(馮克安)は200元の懸賞金。

フォン・ハクオン 

包揚天(劉家榮)の手を借りて 、

キセルを使うラウ・カーウィン

今度こそ分け前をもらえると思っていたら、実は皮球にも死体を盗んだ罪で5元の懸賞金がかけられているのを知らされ、

「えー、そんな!」

驚いて走って逃げた。 そして、女友達の小梅(黄杏秀)と一緒にカジノへ。

セシリア・ウォン

次のカモは亀公徳(石天)という30元の男。

なかなか動きのいい石天。功夫良から指導を受けたのだろうか?

猿拳を操るこの男を何とかやっつけて手中に収めるが、賭けで負けてしまい自分の運の無さに反省する。

博打に手を出さなければ・・・。

(後半へつづく)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

龍拳続集

2012-06-18 00:00:00 | 七十年代作品【1978】

好きでたまらないから骨までしゃぶっちゃう。骨シャブのコーナー(爆。
ということで、前回の「龍拳」のつづきになります。

日本版についてのデータが整理できました。今回は「龍拳」日本版で使われた登場人物の名称と配役などをまとめてみました。(例によってBWは含まれません)


龍拳は数種類あり、同じ原文(オリジナル中文)からいくつもの邦訳が存在していることになります。

CSバージョン。なぜこれ程までにバラバラなのか。

たまに洋画の原作の小説を読んだりしますが、訳が映像ソフトの数だけあるというのは小説の翻訳本となんら変わりがないですね。ただ、武侠小説なんかは同じ原作のものが複数の出版社から出ないから日本語に訳された書物がいつくも存在するなんてことはまずあり得ませんね(たぶん)。
洋画の小説なら例えばSF映画として有名な「猿の惑星」だと翻訳本がいくつかあり、フランスの原作者ピエール・ブールが書いたフランス語版が最初ですが、日本で出たものは元がフランス語だったり英語だったりで、その訳も訳者のかたの裁量により変化します(時にはストーリーが変わるなんてことも…。)
スクリーンプレイシリーズなんかも好きですが、まぁ原作本や小説、文字のスクリプトに興味はありますね。
当時の脚本とかでもいいから、たとえば「燃えよドラゴン」のスクリプトと言われる英語で書かれた"BLOOD AND STEEL"なんて一度読んでみたいなぁと思います。
これが脚本(BLOOD AND STEEL) ネットで販売?

話が反れてしまいましたが、龍拳も当時の香港の雑誌には小説も掲載されていました。「龍拳」のシナリオは良く出来ていると思います。日本語にするとき、どう訳すか。例えば、龍拳で最初に百忍道場のチュンの奥義である“三彈腿”を飛拳と訳したのは、東映の劇場版でしたね。
飛拳なんて拳法は実在こそしないかも知れないけれど、このネーミングのセンスはすばらしいなと思いました。

そういえば東映のヤツって 最初に
字幕を作った人が小さく表示されてましたね!

こんなやつ 
 成龍拳
龍拳は誰だったかな。
やっぱり宍戸正かな。

調べてみると、この人は80年代に公開された他の映画にも字幕を入れたり、監修されていたりするようですが、名前を覚えておいた方がいいですね。 


キャストや吹き替えデータも今回一新。 (→こちら
完璧なリストなんてこの世にはありゃしませんので(苦笑、一部不明確な部分があると思いますが一応完成しました。 是非、ご活用ください。

データベースには羅維影業(ここがポイント!)の台湾での公開情報も入れてみました。(でも、台湾の情報ってホント少ないですね。。。)

最後に「龍拳」の不思議なところについて。

■「龍拳」の不思議・その1

百忍道場でジェームス・ティエンとイーグル・ハンが稽古試合をして
その後、死体が運ばれてくるシーン。

運ばれてくる前と後で、子供のシャオシーの姿が変わってる(笑。(なんと服の色まで・・。)おそらく別の子供ではないでしょうか?
 最初に出てくるのは青い服の男の子

次の場面。ん、ん? どうしてこんなことに??

ちなみに子役の姓名は不明だが、吹替ならどちらもスイージ、CSだとシャオ・シイ。DVDならシュヘイジだ(笑。

 

■「龍拳」の不思議・その2

 手紙

ノラ・ミャオの母親役、サンタイ夫人の名前は劇場版ではシュウシュウとなっていたのであるが、
チュンがサンタイを倒した後、道場で自殺してしまったチュンの妻が書いた遺書には秀秀(=北京語読みでシュウシュウ)と書いてあった。

遺書を読むチュン

これではサンタイ夫人ではなくてチュン夫人がシュウシュウということになってしまい、これはかなり大きな差があると思う。
(実際、小説では秀秀という名ではなく荘夫人となっている)
ただし、シュウシュウ(秀秀)とは実際には声だけの出演で女優が登場することは
なかった。劇場版にもミスがあったことになるでしょうけど、こんなケースもたまにあるんですね。

今回のネタは以上です。(まだつづくかも・・・)

 

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

重建精武門

2012-06-11 00:00:00 | 七十年代作品【1974】

74年にジュディさんがチャールズ・ヒョンと共演したのが、御存知『重建精武門』(又名:『拳頭石頭古靈精』)です。ちょうど76年には精武門ブームがあって『重建精武門』は台湾でも12月に公開されています。

 
日本人と戦う、上海にやって来た一人の女性を描いており、精武門の重建(イコール再建)がテーマです。

革命軍歌みたいな精武門(オリジナル?)のテーマに乗ってはじまります。

嘉興にあった精武門の弟子、小花(ジュディさん)は生き別れになった
兄弟弟子たちと再会しようと上海へ。

ジュディさんはどんな役かといえばとても気の強い、
正義感のある女性を演じています。

敵をバッタバッタとやっつけるジュディさん

今回は、日本軍の仲間を偽装する指揮官、チャールズ・ヒョン。

これが実は・・・。

コミカルなキャラクターのチェン・ウェイロー(スリ)。
チェンとジュディさんのやりとりが滑稽でこれによりコメディタッチな雰囲気も少し出しています。サイフを掏られ店で働くジュディさん

ちょっとだけ容姿、アクション共にブルース入ってるのが
二番弟子の楊崙。
 ヤン・リン
ジュディさんのことを師妹(シーメイ)って叫んでます。

アチョー

ジュディさんと二番弟子がワル者と戦いながら日本人道場に乗り込みます。

そして、精武門のチン老師(葛香亭)が息を引き取る前に
精武門の名簿を受け取ります。

再建を誓う

終盤、桜吹雪を見せる遠山の・・・じゃなかった精武の御紋だ(爆。
 ジャーン

待ってました。一番弟子の水銀(チャールズ・ヒョン)が現れるというお話です。
(拡大図)精武の文字

ラストは、日本人(クリフ・チン)が使う長い棒に苦戦しながらも、何とか倒してTHE END.

長棍VS黒傘(・・・なんて見たことない(笑。

ジュディさんはその後、チャールズ・ヒョンと共演することはなかったようなんですけど
彼との共演は大きかったと思います。

ジュディさんは、72年『仇』でデビュー後、75年7月まで鳳鳴影業のヤン・チュンと3年契約してたので、他の映画への出演は困難だったのですが、その間にもいろいろあったみたいです。

この映画を製作した得利という会社は他にもいろいろ製作しています。
倉田保昭の旧作『怒髪衝冠』(邦題:「激怒の鉄拳」)とか『大追蹤』(邦題:「大追跡」)のDVDも数年前にリリースしてますけど、なかなか魅力のある功夫片もいくつか作ってます。

例えば、『醉猴女』(1979)とか

 エイプ・ガール
金鳳玲が主演

同じ79年の金鳳玲主演作『怪招十三點』(又名:『硬功鐵橋三』)
もそうですね。


 
袁小田も出演
無数にあった香港の小さな会社もひとつひとつチェックして何を作ったのかなって考えてみたり。とても全部は覚え切れませんが…(苦笑。
でも、一本作っただけの会社と違って得利のように有望なプロダクションだってあったんですから、探してみればまだまだこんな会社もあると思いますね。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香港過客について

2012-06-06 00:00:00 | 未整理

昔のジャッキー・チェンのフィルモグラフィーには確かに存在していた『香港過客』。
以前書いた記事の繰り返しになってしまいますが、いつの間にか『広東小老虎』の別題・・・というのが海外では通説になってしまい、(私も多少は影響を受けました)いつだったか『香港過客』の映像をはじめて観てガックリしてしまっていた自分がいました。

そして先日、ある海外のサイトでびっくり仰天させられる内容を目の当たりにしました。

それまで残念ながら映像での確認が取れなかったのですが、やはりフィルモに追加する必要がありますね。(まさかパンストかぶったマスク姿がそうだなんて正直思わなかった…。)
この見落としがちな落とし穴を見事発見して、また証拠となるものを表に出すことが出来たあちらの方を称賛したいと思います。

この、何と言いますか独特のにおいを嗅ぎ分ける臭覚のような感覚さえあれば誰でも出来るはずなんですが、いわゆるカンや経験値が必要だったり、確認していく過程ではクリアーな映像(静止画ではない)が必須であるという条件もあるかも知れません。
そして確実に証拠となるもの。これが必要で、これがなければ立証は困難です。

いま現在、「カイ・チーホンの『香港過客』はジャッキー・チェンの出演映画だよ。」なんて誰も言いませんから話題にもならないですし、誰もがまったく知らない、関心のないとても小さな事なのだと思います。

しかし、リストから減ることはあっちゃならないとは思いますが、(場合によっては…??)逆に増えることは喜ばしいことではないでしょうか。

これでカンベンしてもらえるか分かりませんが(苦笑)、また何かフィルモに関して(出来れば新事実の発見等々・・を目指して)努力して行きますので、それまでどうか長い目で付き合ってやってください。

 上の画像の口元に注目してみてください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

元気の出るチー・クワンチュンの鉄線拳!!!

2012-06-04 22:31:11 | 元気の出る映像

数年前のものですが、テレビで鉄線拳を見せてました。
上着を脱ぐと、歓声が(笑)。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『決鬥老虎莊』

2012-06-03 00:00:00 | 七十年代作品【1977】

前々回、いろいろ教えていただいたニャーさん(私が大好きなブログ『ポロリカンフー.com』の作者さん)への感謝を込めて。ニャーさんのためならえんやこら。というわけで(?)、まだまだあった超立体映画について書いてみようと思います(笑。

と、その前に。
77年の超立体映画の流行に乗った監督、ローウェイ。なぜ監督は「飛龍神拳」の一本だけで立体映画を諦めてしまったのか。教えてちょーだいティロン(笑。

で、もう一本。超立体映画のうわさのあった映画というのが、今回のパオ・ホッライ監督の『決闘老虎荘』です。
以下、詳しい内容をレポートします。

チェン・カンタイ主演の『決闘老虎荘』は、確か数年前には製作が81年(?)とかいう説もあって、それならどうしてこの時期に立体映画が作られたの??と訳のワカラン状態でありました。

しかも、この『決闘老虎荘』は不思議なことに『九紋龍』という題名であるというデータが現在も香港影庫には登録されていて、製作年度も今では1978年だったり80年だったりと海外のサイトでもあやふやで、本当は何年に作られどの様な映画のことであるのかよく分かっていなかったのです。 

ちなみに『九紋龍』は77年製作の全く別の映画で、(これもチェン・カンタイ主演映画です)いれずみを入れたカンタイが印象的な作品でした。 

 『九紋龍』 注コピーガード使用

それが今回、実際の『決闘老虎荘』は77年に作られたことが当時の雑誌などから判明したのです。 作られたのが77年なら台湾のブームの最中ですから頷ける話ですし、これで割とスッキリしてきます。

ところで、原題や英語名も多数あって混乱の元なんですが、ひとつひとつ整理すればこれも混乱を少しでもなくすことが出来ると思います。この『決闘老虎荘』は実に多くのタイトルを持つ映画で、当初付けられていたのが『冷血』というタイトル(77年8月時点)。次に、姉妹編だという説もありますが(後述)、『金刀銀劍古銅簫』(同年9月時点)が。
最終的には、『決鬥老虎莊』となっていた模様でした(同年11月時点)。

台湾では『武林三冠王』(1977-11-11公開)とまったく違うタイトルで公開され、香港では『決鬥老虎荘』の題名でちょっと遅れて公開(1980-12-25公開。但し、公開日の情報は点在するものの確証は取れず。)となったようですね。 

台湾の資料
 『武林三冠王』

邵氏から台湾へ活躍の場を移していたチェン・カンタイは77年にいくつもの映画を製作、出演していますが、これはそのうちの一本になりますね。 
東洋のブロンソン、チェン・シンが最後まで出てくるという何とも男臭い映画なのですが(汗)、ジュディ・リーが取りあえず花を添えてますので、これで映画としてはバランスのいい内容になっているのではないかなと思います。

これの姉妹編である(?)という話があって、同じ威霊公司で78年に撮られたのが、チー・クワンチュン主演の『古銅簫』で、(タイトルがちょっと変わってます)ジュディがゲスト出演しています。
ジュディさんが『決闘老虎荘』と同じ衣装で出演していて、まったく本筋とは無関係のシーンに登場してました。。 (但しフィルムを流用した訳ではなく、新しく撮影したものでウー・マとしっかり共演してました。)
 お似合いのお二人さん

ジュディさんも70年代の映画もいっぱいありますのでファンは興味が尽きないところですね。(ジュディさんは女ドラゴンと呼ばれ一世風靡した女優さん。72年の「地獄から来た女ドラゴン」などで活躍。)機会があれば彼女の作品もいくつか研究レポートを発表してみようと思います。


この映画はパオ監督の武侠片スタイルの作品になります。

主人公・冷捕頭(『萬人斬』と同じ姓ですね!)は鉄の捕頭としてその名を轟かせる”冷血”という設定。その描写は見事なまでに邵氏の映画のような人物像がそのまま表現されています。
その冷血が王妃殺しの事件を解決するよう任務を受け、アジトである老虎荘へ潜入したり(ここが見せ場!)随所に工夫が見られますが、ストーリーは割りと追いやすくて黒幕が次第に誰だか分かる展開になっています。

チェン・シンはキョンシーでおなじみの清朝官服(『四大門派』などではチェン・シンはこれまた派手な官服でした!)で人相悪いですけど、清朝の総官です。
 チェン・シン

乞食の秘密結社である丐幇(かいほう)の盟主、翠鳳を演じるのがジュディさん。
ここのメンバーは全員〇鳳という名前が付いてます。
彼女はシンボルである竹笛を持って、このアイテムが後でいろいろ役に立つというシロモノ。
また、劇中では”化子”という言葉なんかも使われているようです。(化子とは中国語で乞食の意。)「酔拳」の酔っ払い爺さんのソーは、蘇化子という名前でしたね。
女性の乞食スタイルというのも変わってますけど、こんな設定もあるんですね。
(そういえば「蛇鶴八拳」でもありましたね。結構似てるかも・・。)

 ピンチ

ジュディが負傷して治療を受けた後、目覚めると、目の前には・・・。
 意識を失うジュディさん

ちょっと笑顔のカンタイが笑。感傷的なシーンなんだけど(苦笑)
 

必死の形相で戦うチェン・シンも好きなのですが、この2人の対決も堂に入っててなかなか良い映画ですね。
 陳星VS陳観泰

結局、どこらへんが超立体的だったのか分かりませんでしたけど(爆)、
コレかな?
 仕込み傘のアクション

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする