電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

痳瘋怪拳

2010-12-31 00:00:01 | 七十年代作品【1979】

  マー フォン グアイ チェン
原題 痳瘋怪拳   The Tigress of Shaolin

公開日 1979/9/15(土)         邵氏兄弟有限公司 作品
                  650,318HK$ 1979年度第76位

スタッフ&キャスト

監督/脚本 羅棋 (ロー・ケイ)

出演  劉家勇(リュー・チャーユン)
    惠英紅(ベティ・ウェイ)
    陳狄克(チェン・ディーコー)
    黄哈(ウォン・ハー)

解説
「ドラゴンズ・クロウ 五爪十八翻」や功夫喜劇『無招勝有招』で知られるリュー・チャーユン主演のショウブラザース製作のカンフー映画。共演に「インファナル・アフェア無間序曲」「ベルベット・レイン」のベティ・ウェイ。監督のロー・ケイは近年ホラー作品やユン・ピョウ出演のドラマ『少年陳真』(2004)などのベテラン監督で「ジェット・リーの軌跡」では脚本をつとめた。本作品で”ハンセン病拳”という異色のカンフー映画を作った。ベティ・ウェイは70年代ショウブラザースに在籍し、以降現在まで活躍する息の長い女優である。

ストーリー
カンフーを愛する鉄橋三こと小三(劉家勇)は病気の父親(沈勞)から自分が死んだら誰も世話をしてもらえなくなると言われる。町で医院を開いている孟平(湯錦棠)を探すように言うと、父親は息を引き取ってしまった。ある日、小三は町で怪しげなを薬を売るインチキ気功師たちをみつけ懲らしめる。元締めの王吉(林輝煌)が現れると小三は気功師たちをうまく言い包めて逃げ出した。その後、酔っ払って絡んで来た采嬌(惠英紅)の祖父・酔鬼(黄哈)に強引に酒を飲まされた小三は酔猿拳で応戦する。しかし、采嬌が割って入って来たので退散した。孟平の医院を見つけた小三だが、王吉のいる医院と分かり顔を隠す。王吉は隠れる小三を叩きのめすが、孟平に乱暴に扱わないように忠告された。盲目を装う男・李舒(陳狄克)と王吉に無茶な修行をさせられる小三。一方、州の長官・林と共謀して麻薬密売を企てる孟平ら一味。こっそり様子を覗いて孟平たちの悪事に感づいた小三は外へ逃げるが海辺で王吉たちに捕まって殴られ瀕死の状態に。そこへ小船で通りかかった采嬌に運良く助けられる。彼を家に運ぶと酔鬼が来て横たわる小三に驚く。しかし二人は、”過ぎたことは水に流そう”と小三を助ける。元気になって広生隆雑貨店で働く小三。茶屋の店員・小老鼠(岑潛波)は小三と騒動でドタバタするが店を台無しにしてクビになったも同然。結局、逃げ出して一緒に雑貨店で働こうと仲間に入れる小三だった。小三が生きていることを知った孟平は小三を捕まえようとワナを仕組んだ。米を運搬中の小三は麻薬密売の罪で役人に取り押さえられるが代わりに店主が打ち首の刑となってしまう。店を失った二人は路上パフォーマンスで稼ぐがそこに李舒が邪魔に入った。が、海幢大師(江國強)が現れ、小三たちを救う。大師は五郎八卦棍を伝授するのだった。王吉が寺に押しかけ小三を探し出そうと懸命になるが、いつの間にかそこに住み着いていた痳瘋拳の達人・痳瘋婆(劉瑞意)が出てきて大暴れするのだが・・。


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引き続き羅棋監督の映画。
悪役に同じ湯錦棠を使っているのは偶然だろうか?



ベティ・ウェイの映画も最近はあまり見なくなってしまいましたが、
80年前後のベティ・ウェイがとても美しくこの時期が個人的には一番好き。
具体的には「少林皇帝拳」(『爛頭何』)から「レディークンフー 激闘拳」(『長輩』)あたりまで。彼女をはじめて見たハーベストの「レディ・スクワッド/淑女は拳銃がお好き」を劇場で見たときはこんなにも強い女優さんがいたんだねと衝撃的でしたが邵氏時代の方が断然いい。
彼女のファンがまだいるのか不明ながら、古い作品は主要なものが殆ど国内でリリースされてしまったので新作(まだまだ出る!)に期待するしかなくてちょっと残念な気もする。
旧作の方の『鬼叫春』や『風流断剣小小刀』『情侠追風剣』などまだきれいだった時期の邵氏作品も見てないのでそれをチェックしようとは思っています。

『少林搭棚大師』より
劉家勇の父・何寶星(右)

「少林寺拳道」で一瞬凄みを利かせていたこのオッサン(失礼!)が劉家勇のおとうさまだったんですね~。(この映画を見てはじめて知りました)
怪演する母親までいる劉家勇は両親が出演してやりずらくなかったのかなと思うのですが彼の洪拳アクションはいつみても素晴らしいの一言です。
劉家勇と寺の和尚の見せる棍術(五郎八卦棍)は見せ場ですね!
セレステDVDの解説を読むと面白い。劉家勇のプロフィールには陳狄克が紹介してこの世界に入ったようなことが書いてある。(武術指導はその陳狄克と黄哈だ。)
ブラックユーモア満載で国内ソフト化はちょっと無理かな??
コメント (2)
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小偸鬥大賊

2010-12-30 00:01:10 | 成龍的電影
今回は73年に富豪影業が製作した『小偸鬥大賊』(The Rats )についての記事です。

これは現代劇で香港の街路でのカーチェイスなども楽しめる作品で、この映画の作られた73年頃にはこういった現代劇、例えば『小老虎』や『黒龍』などをはじめとして数多く作られている。

この映画を監督した羅棋(ロー・ケイ) は『小偸鬥大賊』と同時期には国内DVDが発売中止となってしまった『老虎殺星』を監督したり、他の協利作品で監督をしていた。(武術指導:程小東)

この映画には当時人気だったアラン・タンが主演している。映画の肝は”あるグループ”の映画だということ。一体、そのあるグループとは?

構成されるそのメンバーの面々は、チャールズ・チン、リディア・サム(沈殿霞)、ウィリー・チェン(陳自強)、ポール・チャン(張沖)、パトリック・ツェー(謝賢)、陳浩、そしてアラン・タンのメンバー構成となっていた。そう!アラン・タンは”銀色鼠隊”という当時形成されていたグループの一員だったのだ。

後述する中国語の文献によれば他にも張森らがいたとされているが、張森や主要メンバーたちは元は例えば國泰(キャセイ)の『劍魂』(71)や『浪子之歌』(71)などに出演し、当時キャセイの副社長だった陳自強を含めさまざまな映画を作ることになる。
結成した時期は不明なのであるが、メンバーが結集して張沖監督で撮った『銀色大隊』 (74) などが作られた74年頃が人気のピークであったと思われる。

面白いのはメンバーがそれぞれ製作会社を持っており映画を製作していたことである。例えば、リーダー格の張沖の会社・張氏兄弟影業での『蕩寇三狼』(73)であったり、 陳浩は昆仲影業で『應召男郎』(74)を。そして謝賢はと言えば、謝氏兄弟公司の『明日天涯』(73)がある。アラン・タンは博文公司で『亡命浪子』(73)を撮るなど、各会社で自由な映画制作を行っていたのである。(『愛慾奇譚』(73)では張森監督でメンバーが総動員されていたことも・・。)そうであるからこの銀色鼠隊のメンバーたちが協利や関連作品に出演することは何ら不思議なことではない。

また、『小偸鬥大賊』には当時リディア・サムの近い距離にいた秋官ことアダム・チェンも出演しており、彼のプライベート・サイトでは若かりしアダム・チェンの当時の貴重なスチールが掲載されている。
http://www.adamcheng.net/bbs/viewthread.php?tid=717&extra=page%3D1


内容は、湯錦棠(白天名義)演じる悪党相手に泥棒四人組(アラン・タン、アダム・チェン、マース、徐小明)が奮闘する姿を描いた作品となっている。

若者四人組

特筆すべきなのは、この映画が”ジャッキー・チェンの出演している映画”であることだ。
香港で出版された『成龍(傳)』という文献には72年の朱牧が設立した大地公司で『頂天立地』『女警察』などに出演したと記述の後、第5章にこの映画に出演の記述が出てくる。
 『女警察』より

この『女警察』で意気投合してジャッキーの友人となったチャールズ・チンだが、『小偸鬥大賊』はチャールズ・チンが窓口となって出演したとも思えるが、チャールズ・チンは出演していない。この映画の場合はアラン・タンおよびリーダー張沖と胡錦ラインが強くその線が濃厚だ。おそらくはその流れの一本に数えられるだろう。胡錦はもちろん『女警察』でも共演しているし、ジャッキーのいたグループ(ジャッキー、元奎、元彬、チン・ユーサンら)が引き受け、アクションシーンの一部を担当したのではないだろうか。武術指導した程小東のグループとの関わりについては不明で今後の課題である。

この映画が作られた73年のはじめ頃はジャッキーにとっては武術指導の仕事をメインにしていた時期でもあり本作品など、スタントシーンを担当したものがいくつかある。
有名なのが「空手ヘラクレス」(73)で武術指導を担当した。

武術指導 陳元龍

ところで、前述の中文書籍に書いてあったのだが銀色鼠隊の一員でジャッキーの元マネージャとして有名だったウィリー・チェンとの出会いについて『女警察』出演から始まったチャールズ・チンとの友好関係からであった事が記述されている。
これによればジャッキーは当時チャールズ・チンの事務所に出入りしてそこにウィリーもいたそうだ。
また、仕事がなくなり香港を離れてオーストラリアにいたジャッキーは友人の結婚式のために香港に戻り、ウィリーはそのチャールズ・チンとジョセフィーン・シャオの結婚式で再会したという。
その結婚式は75年の1月であった。その場でジャッキーと会ったウィリーは、友人のために全力を尽くすジャッキーの姿を見て更に好感を持ち、そして飛行機でオーストラリアへと帰るジャッキーを見送るときには連絡先を教えるように話し、いつか映画でジャッキーを使ってみたいと熱望していたという。これはとても興味深いエピソードだと思う。

それでは、この映画のジャッキー出演シーンを解説してみたいと思う。

実際の映画では役柄も割と大きな役だったマースが目立っていて頑張ってますが、アクションシーンでは元奎らの顔も確認できる。



ジャッキーは、酒場での乱闘場面に出てくる。ジャッキーの他に元奎、チン・ユーサンらが登場する。

主な対戦シーンをチーム別に整理するとこのようになる。
湯錦棠側チーム(チン・ユーサン、元奎、元彬、陳樓)
アラン・タン側チーム(アダム・チェン、火星、ジャッキー)

まず、湯錦棠がアラン・タンに仕掛けて乱闘が開始される。

ジャッキーは大きく4つの場面に関わっている。以下の通り。

1.湯錦棠VSジャッキー

湯錦棠に蹴りを入れ、画面から素早く消え去る。

2.ジャッキーVS元奎

元奎を持ち上げて置いてある瓶にケツを突き刺す。激痛!ユンケイ。

3.多数VSジャッキー

二人からの攻撃をかわした後、うしろから陳樓に羽交い絞めにされるが、腕を捻ってひっくり返す。

4.アダム・チェンVSジャッキー
最後は湯錦棠側に回るジャッキー。相手からのパンチで壁に激突して最も顔がアップになる。








全体的に暗い場所・酒場でのアクションとなっている。
しかしながら、静止した状態での顔アップのシーンこそ無いが連続したアクションシーンの中で一際目立つ大きな白い襟の人物がジャッキーであることがハッキリと分かる。
またいつものパターンですが、その後の場面で火星がジャッキーと同じ衣装を着ていて笑ってしまう。



顔出し俳優マースが様々な作品で目立つ事が多いのは彼の持ち味でもあるのだが、この映画のように顔をあまり出さないジャッキーと共に格闘アクション場面を形成しているケースが多々あるのだ。

参考文献
『成龍(傳)』梁健 著 1997
仏版VHS "Les Rats De Hong-Kong"
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『牆内牆外』The Servant メモ

2010-12-28 12:03:11 | 未整理
情報:
79年の香港ランキング2位だが、情報がなく詳細不明(残念。。。)
参考になる文献ではキネ旬増刊・香港電影満漢全席(1997)中の記事「香港電影興行ベスト10」に各年度の記録と解説文がある。1979年の記事にはロニー・ユーとフィリップ・チャンが共同で監督というような記述だけがあった。

画像:なし

出演者:不明

会社:陳欣健


ソフト:未確認

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真假功夫 THE INSTANT KUNG FU MAN メモ

2010-12-28 01:04:02 | 未整理

寸評:
続いてジョン・リュウ出演作品。
しかし、映画の方は売り文句の”袁家班の功夫喜劇”を全面に押し出して
「蛇拳」「酔拳」の時と同じ黄正利を使ってはいるものの
内容的には蛇拳や木人拳のジャッキー・チェンの真似をしていたのでアイデアにはあまり独創性がなかった。(当然、成績は惨敗。)プロデューサー、監督の違いだろうか。


情報:
『神腿』とは違って逆に77年説のある『真假功夫』。
ポスターには「蛇拳」「酔拳」の監督・袁和平が武術指導と大きく書かれており「蛇拳」「酔拳」より後の作品ということが分かる。
(監督は董令狐、プロデューサー李文耀)
香港公開は78年8月、広東語での公開。但し、香港では外国映画(台湾)扱いだった為公開日はオープンになっていない。(台湾では香港より遅れて11月の公開)
尚、『霎眼功夫』という通称(別名)があるが、これが実際にどこで使われていたか確認できなかった。

画像:


出演者:主演した葉飛揚は過去『赤手空拳』(73)に別名義で主演し、この『真假功夫』でも期待されていたが、ジャッキーのようにブレイクすることは結局無かった。
袁日初はこの映画で”袁和平の6番目の弟”として売り出された。


会社:富茂影業は黄正利が出演した『神腿鐵扇功』(77)、『佛掌皇爺』(80)を製作。


ソフト:US盤DVD(英語版)が発売済。


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『神腿』The Mar's Villa メモ

2010-12-27 06:43:47 | 未整理
寸評:
ジョン・リュウ主演の足・足・足の映画。高飛VSジョン・リュウ。やっぱり格好いいですね。(滝の上の対決は何なんだろう・・。)神腿というと別人のドリアン・タン(レオン・タン)ように思えますが、もう一人の自称(爆、神腿かな。でも真面目に演技しています。

情報:
いま本数の多い79年関係を洗っていますが、
HKMDBでは79年説もあるようなんですが、
台湾で77年に公開されているようなので77年の作品と思われます。
(『密宗神腿』と微妙に変更)
雑誌記事では銀色世界のNo91('77ー7月号)に新作紹介が掲載。

The Mar's Villa って・・・主人公の何かにまつわるお話なのかも。(役名は馬天浪だそうです。)

画像:



出演者:共演のタン・パオユン(唐寶雲)は、倉田保昭の「激怒の鉄拳」などに出演してた台湾の女優さん。どちらかというと文芸片ばかり。紅一点でしたが、よくまぁジョン・リュウと共演できましたね。


会社:大華影業はいくつかの作品を製作。(丁重)


ソフト:USA盤のDVDが発売済。


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トゥルー・グリット

2010-12-22 23:35:41 | 映画音楽
本日は、古めかしいカンフー映画ファンなら必聴のCDのご紹介!

’68年のジョン・ウェイン西部劇「勇気ある追跡」(原題:True Grid)の
コーエン兄弟によるリメイク作品「トゥルー・グリット」が来年3月に公開されますね。
公式サイトhttp://www.truegritmovie.com/intl/jp/(※先日は何もありませんでしたが現在、予告編が見れます。)

そういえばオリジナル版の方のサントラCDでは巨匠エルマー・バーンスタインの魅力たっぷりな曲がいっぱい聴けるんですよねぇー。
オリジナルポスターを模ったCDのジャケットもいいですね!


こちらで試聴できます。


この中の"A Dastardly Deed"とか"Rooster"、"Chen Lee and The General"などの曲が映画では「帰って来たドラゴン」とかチー・クワンチュン『身形拳法與歩法』(邦題:「飛竜カンフー」)なんかでも使用されていますね。

中でも8曲目の"Big Trail"はいい曲です。
これはブルース・リャンの「必殺ドラゴン鉄の爪」のオープング曲として有名ですね。
いままで映画のBGMとして聴いていましたので音質もあまり良くなかったですが、タンバリンの音などがハッキリと聞こえるようになっているのでこれもうれしいですね!

60年代の曲なんかもよく聞いていましたけど、
アメリカっぽくていいですよね~。西部劇も劇場でゆっくり見れたらいいなぁと思います。


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台湾における別名

2010-12-14 00:05:24 | 成龍的電影
台湾などでも映画のタイトルは登記され、同じ題名は使えなかったりする。
本当にそうだとしても単に香港でのタイトルとは異なった名称の別タイトルで公開されていたことは実に多かった。

ここでは大半が台湾で撮影されているジャッキーの70年代作品の台湾における別題について整理しておきたい。

何か証明できるものがなければならないが、現地のポスターなど実際に使われていたものなら手っ取り早い。

まずは「天中拳」から。
『一招半式闖江湖』

これが一番有名かも知れない。(というか台湾でのタイトルで知られている)


もう一つのポスターがこちら。
当然羅維影業のマークは新しい方である。

酔拳のイメージに近いような気もするが、よく見ると金剛や石天さんの絵がとても面白いと思います!



また、酔拳のヒットは凄まじく
初期の作品を再編集したバージョンやタイトルだけ変更して再公開するという現象を生んだ。

割と有名なのが国内では当初「ファイティングモンキー昇龍拳」と呼ばれた『頂天立地』。

この台湾題『成龍決鬥東洋客』はかなりインパクトがあるのですけどね(苦笑




大地公司のもう1本の『女警察』は若干変更され『女警察鬥成龍』だった。
東映から2本のビデオが出ていたがもしかして東映が買い付けたの??

ところで『女警察』が最初に台湾で公開された時はどうだったのだろう。実はこれにも別題があり『女飛龍』となっていたのである。
「007/黄金銃を持つ男」でも林秀さん活躍してましたね~。



ついに日本語吹き替え入りDVDも発売されファンなら知らない人はいないと思われる「必殺鉄指拳」。これのタイトルまで変えられてしまって『唐山師兄弟』というタイトルに。



ここで謎の作品『愉龍轉鳳』を一つ。
(これはまたいつか書いてみたいと思います。)

又名が小賊状元才になっています。



最後は、私の好きな「龍拳」です。
台湾では『神拳』として公開されましたね。実際に神拳でプリントされている映像があるのでこれは分かりやすい例かも知れませんね。(そういえば先日書いた『山東老大』も当初は”龍拳”というタイトルだったのかも。)



以上が確認できた台湾題になります。





おまけ

逆に非ジャッキーながら『笑拳』と名付けられたのが、この映画。
最近とっても気になる韓国材もいるのです。
(ヒント:ブルース・リャンの映画です)


どなたかおわかりでしょうか?

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フィルモと追加情報など

2010-12-13 11:47:24 | その他・研究
ジャッキーのフィルモグラフィーと言えば、「ドランクモンキー酔拳」のパンフに掲載されていたものが私の知る最も古い部類のフィルモとなりますね。
他にも先日惜しくも亡くなられた日野氏が整理したものや映画評論家諸氏の書いたもの、映画雑誌の別冊に記載されていたもの(画像)などがありましたがどれを見ても統一感はなくバラバラなのでありました。



キネ旬に載っていた正確性に欠いていた国内のデータベースサイトからの丸写しというフィルモには唖然としましたが、90年代、2000年代と時代の経過とともにジャッキーの出演作品のパンフには初期作品についてはあまり記載されなくなり、劇場公開作品のみ表記するような傾向にあり、これはページの都合なのかも知れないですけど実にもったいない話です。 そういえば「シャンハイナイト」のパンフに記載されたフィルモは素晴らしかった。(1ページ全部使って邦題と原題の両方を記載など。)コレ、理想的でした。

また、香港カンフー映画スタアの主演映画が日本で劇場公開されるケースはジャッキーが最も多く、あとは辛うじてジェット・リー、ドニー・イェン、たまにサモハンぐらいだろうか。劇場公開されてさえいればいいという事ならいっその事、また最初から。つまり「ドランクモンキー酔拳」から劇場公開をやり直してくれないかなと思ってしまいます。そして日本人に適合する日本独自の酔拳、蛇拳、笑拳…(以下、自粛。(笑。)として再公開していただきたいですね。昔の映画を映画館で…という話なら、あの「スティング」(73)やらハリソン・フォードの「刑事ジョンブック」(85)だってシネコンで上映されているんですよねぇ。

最近また、なんとなく劇場のパンフを見直したりしてますが、ジャッキーなら本数も半端じゃないので結構時間がかかります。これは今まで見落としていて気が付かなかったんですが、なんと『香港過客』についてもジャッキーのプロフィール中に記載されていた事実が・・・。(東宝東和配給「ヤングマスター」と「ドラゴンロード」に記載)こぞって「『香港過客』で初主演~」と書かれていて初主演映画であることが強調されていたのです。どうしてこんなプロフィールになっていたのか今さら気が付いても仕方ありませんが、海外のサイトにあったように初主演だからといって『広東小老虎』の別題として新たに扱われたのはもっと解せないなぁ。。

それから、前回までの記事の追加情報などをいくつか。

その1
『山東老大』は台湾で公開されていることが分かりました。
公司名が建華公司となっていたので台湾の資料から探し出せなかったのですが、73年5月に台湾で公開していました。この時期もそうなんですが70年代の台湾での動向にも今後注目してみたいと思います。

その2
結局ジャッキーの初主演ではなかった『香港過客』で主役を演じた俳優・金峯は、「昨夜星光(96年、ワイズ出版)にしっかり載っていましたね(笑。 この本はたまに俳優をチェックしたいときなどには役に立つ本でとても勉強になります。

参考までに、本の出版に関しては洋書ですがBlack Belt Communications から出版された
"The Ultimate Guide to Martial Arts Movies" という本がありますね。

英文で約280ページ。第1巻目との事。(ニャーさまからの情報)


最後になりますが、最近私もハマっている香港映画関連サイトのご紹介です。(管理人はkungfufanさん)
http://kungfu.hp2.jp/
こちらのサイト“KungFu tube”ではジャッキーをはじめ、サモハンやユンピョウほか様々な香港スターについてまとめられているサイトです。(ジャッキーの初期作品をまとめた特集記事は必見!)お好みのカンフースターを要チェックです!


コメント (2)
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香港過客

2010-12-05 10:08:18 | 七十年代作品【1972】
本日は邵氏の『香港過客』(72)について書いてみます。
英題をStranger in Hong Kong と言い、香港に来た旅人の話という様な事は想像できます。
しかし、この映画は以前から(って、たぶん中坊の頃だけど・・)どんな映画なのか気になっていましたけど長い間情報も得られず今まで内容は全くわからない映画なのでした。

やっと見れました!

また、以前こちらの記事にも怪しいタイトルであることを書きましたが、
この映画はジャッキー・チェンのフィルモグラフィーに掲載されたことがある作品でした。
本当にジャッキーは出演していたのでしょうか?

この映画を実際見てみると、ジャンルとしては犯罪映画になるのだと思います。ストーリーはこんな感じです。

飛行機で香港へとやってきた男・張山(金峯)は妻(鄭文静)と子供を連れて観光中、実は観光客を装っていた女(丁珮)の事が気になってその女の事が頭から離れない。その夜、観光客のバスがホテルに到着。
ホテルのエレベータの中で女からルームナンバーを書いた紙を渡される張山…。
女の誘惑に負けてベッドイン。そして女と同伴でポーカーを楽しむ男だったが、賭けに負け乱闘騒ぎとなった。
犯罪組織のボスのところへ連れて行かれた張山はルビー強奪計画の実行を強要され抵抗するが女との情事の証拠写真を突きつけられ犯行に及んでしまう。実は職業柄、金庫破りの名人だったのだ。
こういうのよくありますよね。
厳重な警備を潜り抜け目的の巨大ルビーの置き場への侵入に成功。


ルビーが置いてある金庫のダイヤルを必死に回す張山。そして金庫のロックを外した途端、張山は逃亡を図るのだったが・・。

一見何の変哲も無い男が旅行中に大ハッスルしてルビーを盗むという展開でした。
(監督は桂治洪と劉芳剛)主人公がホント逃げまくっちゃうんですけど
飛行場のシーンで始まり、最後も同じ飛行場のシーンで終わるという
コメディっぽい演出は昔の映画らしさを感じますね。最初と最後にあの田豊が出てきます。
主役の金峯の映画なんて殆ど見たことがありませんが60年代には邵氏などで活躍した俳優さんでしょうか。(昔出てた香港スターの本にいかにも載ってそうな感じ??)
また、当時のファッションリーダー、ベティ・ティンペイが魔性の女を演じていたのが印象的でした。

そして、ジャッキーの出演に関して。
残念ながらジャッキーは出演しておらず、その隙は全く無いようでした。
この映画の武術指導は鹿村。(若き日の染野さんも端役で出演なさっていましたけど)
(右:染野氏)
それらしいシーンはカジノでの乱闘シーンがある程度のもので映画の内容からも
ジャッキーが出演するような映画でないことが分かりました。
長年の疑問もこれでスッキリしました!
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王天林追悼3『山東老大』

2010-12-03 17:06:49 | 七十年代作品【1973】
「ドラゴン荒野の猛殺」(74)などを製作した香港新華影業による『山東老大』(73)。この映画は入手が困難であり未見ではありますが、王天林監督作品で且つ、私の以前からの課題(後述)に関連が深いと思いますので今回取りあげて記事を書きました。



この映画も王天林が73年に台湾でメガホンを取った作品です。そうなんです。秦祥林が主演した映画であり、そして同時に胡錦さんも共演している映画なのです。

これでひらめいた方は素晴らしい!(笑。古くからのジャッキーファンならおそらく御存知の例のあの映画ですよ(笑)。

もしかしたら王天林監督の意外なジャッキーとの接点、関係があったのかも知れないというお話になるのですよね。ジャッキーが出演していたらですが確率は50%ではなくてもっと高いはずです。

そう、映画のタイトルは『死党』。実はここ数年の調査の結果、この『山東老大』こそ『死党』ではないかと私が最近思っている映画なのでありました。
『山東老大』は香港では未公開のようで、台湾でも公開された情報が見つからない状態であったのですが、秦祥林と共演した映画の正確なタイトルは埋もれてしまい誰にも判らなくなってしまった可能性もあります。

まだ決定的な証拠は見つかっていませんが、70年代前半にジャッキーと秦祥林がいくつもの映画で共演している訳ではないため、要は秦主演映画にジャッキーが出演していればそれが則ち『死党』になるのだと思っていました。
普通に考えれば死党というタイトルが見つからないのなら、製作当初の原名がそうだったのでは?と考えるでしょう。
しかし、その様な情報はどこにも無かったですし、そんな映画が存在した事実もありません。 そもそも”死党”という意味は仲間とかだったはず。

そこで私は、秦祥林の出演(というか主演)した映画を消去法でその可能性を追っていく手段を取りました。秦祥林は人気がありましたのでちょうど73年頃の作品にしぼってよいと思いました。秦はジャッキーにアクションを期待している訳でまさかジャッキーが文芸作品に呼ばれることはないと思っていますので(笑)、そのジャンルは無論対象外にしました。

途中、海外からのブツが郵便事故で手元に届かないトラブルに陥ったり(苦笑)、なかなか有用な情報も得られずここ何年もの間ヤキモキしたりしてました。私が検討した結果、最終的に絞られたのが次の3本です。

『大密探』
『追殺』
そして
『山東老大』の3本です。

まず『大密探』ですが、現代アクションの時装片でこれには出演していないようでした。


つぎの『追殺』は バイクアクション。残念ながらこれも違いました。
しぶい南宮勳
ビリヤード中のチャールズ・チン

そして最後に残ったのが『山東老大』でした。これは最もそれらしい功夫片で今回、『山東老大』の映像の断片からそれらしいキャプチャーを撮ってみました。上記の海報画像には陳元龍の名は無かったのでお手伝いとしてスタント兼武術指導ぐらいの関わり方だったかもしれない。人気俳優といってもおそらくはジャッキーをプロデューサーに紹介する程度の権限しかなかったと思うのです。


残念ながら画像が不鮮明であるためハッキリと言えませんが、いつか私の手元に『山東老大』の全編映像が届くことがあればきっと結果が判明することでしょう。 (フーチンさんも格闘アクションシーンがあるようで是非見てみたいものですね~)
そしてジャッキーの友人だった秦祥林やフーチンさんが王天林監督の映画に出演し、ジャッキーもその映画に出演していたのならこんな素晴らしいことはありません。またそうであることを私は祈っています。終

ジャッキーとフーチンさん

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