電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

レディ・ブレイド~刀不留人

2015-01-26 23:20:59 | 嘉禾電影

数年ぶりに『刀不留人』のことを思い出していますが、GH社の発売された国内盤DVDは今や廃盤。。。(相場も現在は予想通り高額になっています)

前回の記事では『龍虎雙劍侠』という原作の武侠小説があった事までは判明しましたが、まさに今、2015年現在、Google Playで普通に読めるじゃないですか!
(武侠小説がタブレットなどで読めるので本当に良い時代になりましたね。電子書籍の利点のひとつは検索ができること。中文とは言えマウスを使って簡単に翻訳できるから分からない表現があれば変換すればよい・・・ですね??)
直筆の挨拶ページがあって、しっかり倪匡(ニー・クワン)の篆刻印が押されていて感動!

なんと、直筆!
ご本人の書いた字は初めて見ました。(いかにも作家っぽい(笑)。
倪匡って、本当にいろいろ小説書いてて、しかも70年代当時も映画化された作品も多く、やっぱり売れっ子の作家なのですね。
映画の方と比較してみると、パッと見、登場人物はほぼ原作通りの様に思えます。
(もちろん細かい部分は違うことでしょう)
ノラ・ミャオも何麗君という女流剣士となっていますし、ニコパパ謝賢の役名が唐青雲。(ちなみに似ている名前があって「龍拳」の主役でホーエンというのが唐皓雲でしたね)
ジェームス・ティヱンが陳若愚という名前ですね。
役名を整理しつつ、これで映画では分からない部分なども調べることがきっと出来ると思います。

簡単に言うと、主役のノラ・ミャオの父親殺しの仇討ちのドラマが展開されますが、土地の王(ポール・チュン)は皇帝に代わって国を支配しろという。大金(5000両)をやるから富豪の屋敷を襲えというのだ。
ハンはその命令に従わず、一人留まった。
なぜハン(韓)という男は大金を手に入れようとはせず、仲間と協力しないのか。
一人ぽつんと残されたハンにある男の魔の手が忍び寄ります。
鬼爪と呼ばれた孫という人物です。(放送時は”悪魔の爪”となっていました。)
ここから少々ミステリアスな展開となるのですが・・・。
この予想外の展開と、何麗君の持つ2つの刀、彼女を助ける2人の男の意味こそがこの映画の肝であり原作者・倪匡が描いたストーリー、作品に込めた意味なのです。

映画では監督が原作に忠実に作っていたと思われます。
もし監督がアレンジを施し、もっと弾けていたら・・・。
まだ当時はそんな芸当も出来るはずがなく(つまり余裕もない)
ライバル会社であった邵氏に追いつけ、追い越せの必死の状態であったと思われますね。

 リャンロンおじさん、教えてよ。

 

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四大門派

2012-09-03 00:00:00 | 嘉禾電影

こちらのブログサイト「電影フリークス」では、30年以上も前の映画を取り上げることが多いのですが、出演している俳優について知らない方もいらっしゃるということを前提にしますと、誰にでも分かりやすくて、いろいろな面から香港映画に興味が持てるような記事を書いていこうと思います。映画そのものの解析に力を入れてますが、ぜひ若い世代の方にも読んでいただければ幸いです。(中高生大歓迎!大学生なんていますでしょうか??)

中身はあまり変わってませんけども、ブログのテンプレートを変えたり、サイト名称も同時に変更させていただきました。新生電影フリークスということで当サイトのイチオシ作品を取り上げてみたいと思います。

今回はゴールデン・ハーベスト製作の黄楓(ファン・フェン)監督作品では私の一番のお気に入り『四大門派』(1977)についての内容をまとめてみました。

この『四大門派』は過去、「少林の陰謀」とか「必殺!少林寺武芸帳」というタイトルでテレビの地上波やCS局で放送されたことがあり、私がはじめて見たときあまりの面白さに感激して何度も繰り返して見た記憶があります。
 北京語音声での放送

監督自らがシナリオを書いており、キャストも確かに豪華ではありますけど、まずそのシナリオがしっかりしていますので映画の面白さは保証されているようなものですね。

今回登場人物などのデータを整理してみました。

監督はアンジェラ・マオを育てたことで有名ですが、彼女自身が気に入っている映画だと言う『密宗聖手』でチベットへ行ってロケしたので、チベットに少し興味が出てきたんでしょうか(笑)。

サモハンの奇抜なチベット僧(武器は血滴子、じゃなくてシンバルだ!w)をやらせたりしてますからね。
アンジェラは『四大門派』には出演してませんが、彼女がもし出演していたらまた違った映画になったことと思います。そういえばこの映画には、なぜか女性がほとんど出てこないんですよね。謎)


あらすじは以下となります(ネタバレあり)。

武術の各流派が宮廷に集まって酒宴が行われている。
皇族の皇子ダウロンは各流派の奥義を記した秘伝書を集め、すべてを掌握しようとしていたが
少林寺派と武當派は欠席。
その残り2つの流派の秘伝書が揃わずに感情のやり場が無くなって、ついに皇子から秘伝書奪取の命が下った。

最初に”太極両儀劍譜”という秘伝書を持つ武當派のところへ向かったツォンホー(ヤム・サイクン)とチンバー(サモ・ハン)は、師匠のクー(クワン・サン)に秘伝書を渡せと迫る。
息子で武當派の弟子・シャオホー(ジェームス・ティエン)は「出て行け!」と言うが、そんな事では諦めるはずが無く道場に居座り続けるチンバー。

腕ずくで奪いに走ると、(道場の門下生のユン・ピョウが顔を見せる)師匠は力及ばず、息子の命と引き換えに秘伝書を渡すと言ってやむなく降参することに。

師匠は覚悟を決め「息子を逃がしてもらう約束だ。でなければ秘伝書を燃やしてしまうぞ。」と言い放つ。 裏口から四川にいるという母親の元へ旅立つシャオホー。
しびれを切らしたチンバーが怒りを爆発させると、師匠は秘伝書に火をつけ、その場で不意打ちに遭い最後を遂げた。燃やしたのはニセの秘伝書だった。

シャオホーのあとを追うツォンホーたち。必死の思いで逃げるシャオホーだったが、体力も限界に達し、これ以上逃げるのは不可能。丁度、目の前に古い寺があり、この寺に逃げ込むと、そこには座禅を組んでいる一人の僧侶がいた。猛追してきたツォンホー達も疲れて果ててはいるが、寺へ入って追い詰めたシャオホーに最後の一撃を食らわそうとした。その瞬間、僧侶が手を差し延べる。 事情を察した僧侶が援護したのだ。追っ手のツォンホーを外へ放り出し、シャオホーの命を助けるのだった・・・。

 

謎の僧侶が現れてこの人物が誰なのか大変気になるところですが、この後、物語はダウロンたちが少林寺へ乗り込んで行く話に続きます。そう簡単には手に入れることができない少林寺の秘伝書をめぐる攻防はとても見ごたえがあります。

そもそも”四大門派”とは武當、崑崙、少林とあともう一つ、峨嵋派の4つの流派の事を指しているのですが、
この映画がどうして四大門派って名前になっていたのか気になります。映画を良く見てるとマン・ホイの乞食の党とかいろいろ出てきますね。
ところで、香港ではこの映画は『四大門派』と呼ばれますが、台湾では別の題名で『武林煞星』となっていました。題名が複数ある場合、基本的にはこのように香港か台湾での呼び名どちらかになることが多いですね。 なぜこのように別の題名が付けられるのか?。タイトル一つ取っても奥深いですね。

出演者も豪華なだけではなくて、実は重要なポイントがあります。
ハーベストのベテランとして君臨し、主演作なども数々とこなして来た田俊(ジェームス・ティエン)。「拳精」では七死拳でジャッキー・チェンを苦しめ、「龍拳」では憎い裏切り者を演じました。その彼が武當派の弟子として、主人公・古小虎を演じてます。そしてまた拳シリーズで三度もボスとして登場。ジャッキーとの壮絶なラストバトルを繰り広げた金剛(カム・コン)が、慈悲深い僧侶を演じているなど、役者の善悪チェンジの妙を楽しめるというのがこの映画の醍醐味です。

 田俊に少林拳を教える僧侶・金剛
他にも「笑拳」で”鉄の爪”を演じた任世官は同じく皇帝に仕える親王の手下の役など、拳シリーズのファンの方には充分過ぎるほどのキャストです。

マニアを唸らせる任世官VS田俊

ここで一人の人物にスポットを当ててみたいと思います。武術を極めたいがため秘伝書コンプを謀る筋肉モリモリの武術オタク、陳星も捨てがたいところではありますが(実は”単眼和尚”という役も怪演!)、この映画で見事な僧侶の役を演じた金剛はとても素晴らしかったです。金剛こそがこの映画のMVPではないかと思います。
サモハンとの対決もシャープな技で素晴らしいのですが、少林寺の管長と意見が合わずに寺を出たというの謎めいた僧侶の役は演技賞ものでした。(彼は若い頃、短距離選手でオリンピックにも出場した経験があるとか。)主に台湾で活躍されていましたが、現在の状況は残念ながら全く分かっておりません。彼がハーベスト作品に出演するというのは非常に珍しいケースで、出演の経緯などは不明ですが、何か特別なことでもあったのでしょうか。ちょっと気になりました。

また、金剛は台湾にいることが多いということですが、共演作が一番多いのは誰だと思いますか?

龍飛(ロン・フェイ)でしょうか? それとも山茅(サン・マオ)?

いいえ、彼らも相当多いのですが、彼らよりもっと多いのが実は高飛(フィリップ・コー)なのでありました。二人の共演作を見てみるのも面白いかと思います!

 普慧大師を演じた金剛

さて、陳星が少林寺に要求した3つの秘伝書というのが、「少林倚天拳譜」「羅漢陣法」「大力金剛指經」の3冊だったのですが、やはり少林寺ということで秘伝書の1つでもある羅漢拳は良く使われるようですね。

この映画も少林寺で有名な十八羅漢が登場します。
 ズラリと並ぶ羅漢たち


”十八羅漢”には18人の羅漢たちひとりひとりにしっかり名前があるそうなんですけど、そのうち2人が”降龍”と”伏虎”という名前になっています。この2人がペアになっていて中国では彫像などが作られたりしていますね。

映画では韓国のスーパーキッカーのお二人が扮していますが、完全に主役のジェームス・ティエンを凌駕しちゃってますね(笑)。設定がどうなっているのかどうも曖昧で、どっちがカサノバでどっちが権永文なのか判断がとても難しいのでちょっと調べてみました。

答えは小説(シナリオ)の中にありました。
主人公シャオホーが師匠の形見”戒律堂印”を背負って十八羅漢と対決するくだりで、映画のシナリオでは「小施主~」というセリフが降龍のセリフになっています。
 ←赤い枠の部分

本編ではどうなっているかというと、権永文が戒律堂印を持って田俊に話かけています。

 ←田俊に話しかける権永文

このシーンの前後の文章を読んでも降龍の名前ばかり出てきます。(カサノバのセリフはほとんどなし)なので、権永文が降龍という設定になっていることが分かります。

こんな感じで不思議に思った事などを自分で調べてみたりすると、いろんな事が分かって面白いと思います。

長くなってしまいましたが、今回はこれでおしまいです。また次回もおたのしみに!

 

 

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唐山大兄

2012-08-24 00:00:00 | 嘉禾電影

ハーベスト映画(ちょっと古いヤツ)を書き続けてますが、皆様からメールをいただいたり、コメントしてもらってやっぱりGH世代の方、そうでない方、皆さん嘉禾のこと大好きなんだなぁと感じております。せっかくなのでしばらく続けてみようと思います。(mixiでもゴールデンハーベスト・コミュニティの管理人やってますのでよろしかったら覗いてみてね!) 

↓こちら(要mixiアカウント)
Golden Harvest社

今回は、ブルース・リー主演の『唐山大兄』。言わずと知れた記念すべきリーのハーベスト第一回出演作品(ロケ地:タイ)。
香港とか台湾ロケではなかったので雰囲気はいつもと違いますが、どうしてこっちのロケになったんでしょうね。

ブルースの一番好きな作品は実は『ドラゴンへの道』なんですけど、最近見てなかったのもありますし、ここのところハーベストにハマってしまった事もありまして久々にまずはこの『唐山大兄』からスタートという具合になりました。
ブルースもやっぱり偉大だけど、ここは他の俳優さんにも注目してみたいと思います。
テレビで放送したときなどは正月なんかに放送されることが多くてそれだけでも大作なんだなぁと思ってしまいますよね。

オープニングマニアの私としては(笑)、この「ドラ危機」のオープニングは大好きですね。(いや「ドラ道」の方が好きなんだけど、ってしつこい!)
これは中文クレジットのヤツ。バーンと出てカッコいい!!
これを大観衆にみてもらうなんて映画のスタッフやキャストの人たちがその横にいたら、いい気分なんだろうなぁと改めて思います!(本編はじまっても音楽が流れつづけるのだぁ~。)

ものの本によると、監督は当初、『北少林』でマリア・イーの父親を演じた呉家驤がやっていたが、アクションシーンはローウェイでなければという首脳陣の考えがあったとかで、途中からローウェイをタイへ行かせたということです。

ところで、このひとリー・クン。 
 李昆さん
この映画では結構大きな役で、いつも『天龍八将』みたいにお笑い担当だけどセリフも強くていつもそんなんばかりじゃないだぞと言わんばかりの、その存在をアピールした演技をしてましたよね。(声は洋画だと「スーパーマン」のオーティス役とかアニメならケンケンとか狼男とかの役だった神山卓三さん。映画がさらに楽しくなるような声の持ち主でとても楽しませてくれました。)
ちょいワルで、ぴったりですね!

もう一人、気になる人。ジェームス・ティエン。
(なんとこの時はジェームスではなかった!当時の名前はポール。不思議なことに パンフにはしっかりジェームスと記載されている。)初公開時はポール。日本の74年にはジェームスになっていた??
クレジットが"PAUL TIEN" 

まぁそんな話は置いといて、しっかりブルースを受け入れて演技してたり、彼独特のスタイルで戦って劉永にはやられてしまいますけど、当初主役を予定してたそうですから、やっぱりしっかり者ですね。善人の役だといつも一緒の見せ方する人だなぁと思います。この人がハーベストから一時いなくなる時を考えると、どうしてそういう行動になったのかとかいろいろなことで心境の変化があったりとかスターの座を保っていくのは難しかったのでしょうか。

そして社長のハン・インチェ。 (大塚周夫さん。リー・クンと揃えばチキチキマシーンだね(笑。)
ビッグボスの悪役全開モードで桃屋のCMに出てきそうな中国人のおじさんって感じで(笑)、頑張ってましたねー。この「ドラ危機」での演技はなかなかのものだったと思いますケド。

えっ、サモ・ハンは無関係なの??


やはりブルース・リーに尽きますかね。

お待たせしました。次回は、田俊&金剛が登場!『四大門派』についての記事を書いてみます。

 

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北少林

2012-08-22 00:00:00 | 嘉禾電影

アンジェラ・マオ、ノラ・ミャオと来たらもうこれは彼女しかいまへんな(笑。

その名は浅田真央・・じゃなくてマリア・イー!!

そのマリアさんが出てる結構好きな映画が『北少林』(1973)という映画であります。 (ペン・チャンクイ(彭長貴)監督)

ジミーさんが表紙の嘉禾電影74年新年特大号に載ってたマリアさん。
『唐山大兄』から成長してて、とってもかわいらしいんですよね~。

笑顔がいいですね。

『北少林』(又名:『北地虎』)は放送時、「北地虎」(ガイドブック上は確か「タイガー・オブ・ノース」でしたっけ。
 主題歌はジョセフ・クー作曲!

リストを見てみると、『北少林』は』ハーベストのNo38。ずいぶんワープしますけど、まぁいいね(笑。

映画の方は・・・、中国北部で日本軍閥と戦った少林寺の流れを汲む北少林と呼ばれる人たちを描いたドラマ。朝鮮半島に逃れるも精神は不滅だったとするお話。

奉納相撲で日本人に勝った中国人・李安(卜千軍 )は日本人から追われる身となるが、叔父の雷成の家に行き、その娘・雪梅(マリア・イー)と再会する。いつか故郷の中国へ帰ろうと誓う二人だったが・・・。

韓国ロケを敢行して、ハーベストの厳選(?)されたトニー・リュウ、カオ・チャン、ヤン・ウェイのスター達。そしてサモハンも参加してましたけど、あとは殆ど韓国人のような・・・。

 この人が主演のパクちゃん。動きはサイコー。

 このおっさんもいたんかい!

 こちらのお姉さんも。

イケ面のトニー・リュウ(日本人役)

この作品は香港で公開されたのが76年と遅れたようなのですが、当初から『北地虎』だったものが香港公開時に『北少林』と変わってしまったようです。

虎はどこにいったの?(そして、誰?)

まぁまぁ、これを見てください。

「虎の絵」虎とは日本人のことなのね(?)

北の地にいる虎、ではなくてパクちゃん達、”北少林”が主役なのだからやはり題名は『北少林』でいかなきゃ。

(まぁ、そんなとこかな)

あ、こんなところにタンメンの元祖がいましたか!(爆。イケメンか。

お前に食わせるタンメンはネェ!((c)河本)

ジーンと来るラスト「どこにいるのぉー」

 

 

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刀不留人

2012-08-21 00:00:00 | 嘉禾電影

ハーベストの70年作品は、全部で4本。『鬼怒川』『刀不留人』『侠義雙雄』と『天龍八将』の4本です。

その中の『刀不留人』は、ノラ・ミャオの映画初出演作品です。(後から撮影された『天龍八将』は先に公開。)ノラ・ミャオは“嘉禾公主”と呼ばれ中国語の苗可秀はレイモンド・チョウが命名したので名付け親になりますね。

ノラ・ミャオ 広東語インタビュー

 

当時のエピソードを広東語で楽しそうに語るノラさんですが、いろいろ貴重な証言をされていました。

ノラさんも今年60歳。ずいぶん年齢はいっちゃいましたけど、まだまだ若いですね。
 現在のノラさん

そのノラさん主演の『刀不留人』の脚本を書いたのがローウェイで羅大維というのは彼のペンネームであるとされています。このローウェイの息子、デビッド・ロー(羅大衛)が出演しているのが特筆すべき点でゲスト出演という形ですがパトリック・ツェーの回想シーンで登場し、貴重な映画出演を果たしています。
 ロー・ウェイの息子!

そして、ずいぶん前にテレビで放送されたときの「ザ・ブレード・スペアーズ・ナン」はTVサイズで映像もVHS3倍並であまりクリアーな画質とは言えず、あとで顔を確認したかったときにはとても困難でしたけど、私が『刀不留人』を初めて見たのはこの時でしたね。

 
ジャッキー出演シーンも不鮮明でなかなか特定出来ず、以前、atocさんというハンドルネームの方から情報をいただきました。(atocさん、お世話になりました。お元気でしょうか?)
霧の中のバトルシーンに登場する人物たちがいます。鮮明でない映像からは判別するのは不可能に近いですけど、サモハンが『鬼怒川』ほどの役ではなかっただけにこんなシーンに本当に出てくるものかな?と当時は思っていましたが、いま思えば『鬼怒川』もサモハンやハン・インチェがハーベストのアクション・シーンを任されていたのですからある程度予測出来たはずで、参加したメンツも自ずと分かるというものでしょうか。あとは、ノラ・ミャオやジェームス・ティエンなど将来の出演映画を見ると 監督さんとのつながりなども見えてくると思います。

DVDが発売されて新たな発見もあったのですが、楽しみはとっておきましょうね(笑)。 (ヒント:邵氏劉家班にいた劉姓でない武術家といえば誰?)

ジャッキー(左)とアノ人の共演シーン!!

そして、これも『天龍八将』と同じくニー・クワン氏の原案だそうなのですが、今まで気にならなかったことを後悔する訳ではありませんが、ここは原作小説を調べてみることにしまそ。 
 
ネットで調べてみると、これはどうやら『龍虎雙劍侠』という短編小説が該当するようですね。(但し、入手困難で詳細は不明。残念。。)

こちらの本ですが・・。読んでみたい。 

追伸
現行のノラ・ミャオのウィキペディアには気になる点が二つある。一つは、苗可秀を命名したのがなぜか金庸になっている部分。あともう一つは「ドラゴン危機一発」の彼女のシーンをシナリオにレイモンド・チョウが書き加えさせたとする記述。
この二点を疑問に思うのはノラ・ミャオ本人が芸名についてと、「ドラゴン危機一発」出演がバンコク旅行中にロー・ウェイに呼ばれて一日だけ出演し、彼がシナリオへ書き加えたと語った資料があるからなのでした。

 

 

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鬼怒川

2012-08-17 00:00:00 | 嘉禾電影

続々登場ハーベスト映画!
ゴールデン・ハーベスト(嘉禾、GH)の創業した年、1970年。最初に発表されたのは『鬼怒川』になりますね。アンジェラ・マオがまだ初々しくてとっても可愛らしいです。 
新人のアンジェラさん

アンジェラの出演作品をいろいろ見始めたのが15年前ぐらいでしょうか。ちょうどテレビのCS局で香港電影が大量に流れてた頃で、エアチェックが大変でしたけどファンにとっては好都合の時期であって毎日がウハウハ、ウキウキ状態でした(爆)。
ハーベストの初期作品も多数放送され、その中ではアンジェラの「スコーピオンガール」(原題:『破戒』が好きでした。ジミーさんの「片腕ドラゴン」も放送されたこともあってその時は大変うれしかったのを覚えています。

ハーベスト作品って日本では74年のブームの頃から恵まれてましたから、(逆に邵氏は少なすぎ。「嵐を呼ぶドラゴン」とかそのぐらいしかなかったのがホント不思議。)日本人にはナジミがあると思います。香港映画が好きっていう人ならいろんな時期のハーベスト作品をそれぞれ観て、それを楽しみ、ハーベストの病みつきファンになったりしたことと思います(笑)。

数えたら凄いことになりそうですが、これだけ日本に対して映画を売ることが出来たハーベストって相当ジャパンマネーを得ていたはずですよね。次から次へと映画が輸入されて、配給してたのは大抵例のアノ会社で(笑)、その頃(いまから20年前ごろ)邦画もまったく元気が無くて、ホラー映画もみないで観るのは香港映画ばかり~。

そして90年代後半、雑誌をみたら「アングリーリバー」という映画を放送するというのだけど、とにかく解説も何もないので出演者はおろかどんな映画なのかもさっぱり分からん状態でした。とりあえず観てみようとチャンネルを回して、本編開始直後これは古い映画なのだなぁと分かったところまでで、その後しばらくの間、見ることもなくエアチェックビデオはずっと眠っていました。

タイトル「アングリーリバー」

ハイテンポな音楽でスタートする「アングリーリバー」こと『鬼怒川』は、武侠映画でありながら合成したシーンがあったりとか怪獣が登場したりと、実に変わったところがありましたね。
怪獣にやられるアンジェラ

新人のアンジェラがオーディション合格後、いきなり主演映画に出演できるなんてハーベストの期待も大きかったことでしょう。当時のハーベストはアンジェラの主演映画を続々製作していったことは御承知の通り!!

ところで私が一番好きな監督はジョン・ウーですが、この『鬼怒川』を監督したファン・フェン(黄楓)はその次に好きな監督です。
ただ、いまは名前すら聞きませんし、ジョン・ウーに比べたら日本では殆ど知られていませんから、『四大門派』(Shaolin Plot)や『浪子一招』のようなとても良い映画があっても話題にもならず、国内版もいまだにリリースされてないんだと思います。

監督から映画を選ぶというのは少々マニアックではありますが、ジョン・ウーやファン・フェンの映画なら本数もそれほど多くないと思いますし(張徹なんて多すぎるし、邵氏ですからね。基本的に敷居が高い!) 順を追って監督作品を楽しむというのもなかなか面白い手段だと思います。
ハーベストの第一作目である『鬼怒川』を監督したファン・フェンですから、これ以前の監督作品にも興味が沸くのは当然のなりゆきで、数年前にはじめて観た『血符門』(1971)を観たときには感銘を受けました。この監督を好きになって間違いなかったと思った瞬間でもありました。
白鷹の凄い気合!!

さて、『鬼怒川』の本編には太陰教の教主・パイ・イン(渋いぜ!)、武侠片スターの高遠、武術指導コンビのハン・インチェ&サモ・ハン、ベテラン俳優の姜南や張亦飛(「少林寺木人拳」の管長)のほかにも驚くべきスターたちが結集しており、 ブルース・リャンがパイ・イン隣で無言で特別出演(嘘)していると思ったら、ラム・チェンインが出てきたり、あと若かりし頃のジャッキー・チェンやウィルソン・タンも端役出演していますね。

このラストの竹林での決戦が最高!

  白髪のサモ・ハン

和服姿(?)のブルース・リャン(右)

ジャッキー・チェン(スタント:左)クリックして拡大

恐怖の太陰教が使う毒剣・七絶閻王刺の毒治療に効くという薬草(DVDでは黒霊芝)をめぐって争奪戦となる展開でしたが、霊芝ってキノコだと思ってたので不思議に感じました(本編ではミドリ色の薬草として映ります)。
で、その霊芝と聞いて昔の白土三平の「イシミツ」というマンガを読んだ事を思い出してしまいました!。白土三平の漫画を懐かしく思える方も多いと思いますが、冬虫夏草とかいわゆる不老長寿の薬を扱ったとても興味深いマンガ本でしたね。この手のストーリーに弱くてついつい引き込まれてしまいます(笑)。

なので映画の題名にもなった恐るべき川『鬼怒川』の描写は案外少なくて、アンジェラが苦労して(?)手に入れた薬草に主眼がおかれているので、むしろ題名は黒霊芝の方がいいくらい。(台湾の川での撮影って難しそう。)でも何とか脚本も受け持ったファン・フェン監督は新しい会社のために映画を作り上げたんですね。当時は『鬼見愁』も流行してたので、川の名前も”鬼怒川”、仙人(なんとファン・フェン自身が演じている!アンジェラの父親もきっとそう。)の谷が”鬼愁谷”だったりするんでしょうね。
それから、他にも霊芝にまつわる話を描いた映画なども探せばいろいろあるかも知れませんね。

 アンジェラ・マオ
 

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天龍八将

2012-08-13 00:00:00 | 嘉禾電影

1971年のゴールデン・ハーベスト社、旗揚げ作品『天龍八將』(The Invincible Eight)です。

 
この「天龍八将」は香港で最初に上映され旗揚げではありますが、ハーベストの通し番号(通番)だと4番(4本目)になっています。
この通番というのが不思議な番号ではありますが、番号が付いていると整理しやすいですね。

『天龍八將』ハーベストのロゴ

映画の方は邵氏から移ってきた羅維が監督と脚本を担当。
原作には小説家のニー・クワン(倪匡)の名があります。
はて?彼の作品に『天龍八將』という小説は無かったはずでしたが、これはどういうことでしょう??

不思議に思って早速探してみると、それらしき武侠小説があるではないですか。

倪匡作品集のなかにある『八俊傑』という題名の小説は、日本語で”8人の優れた人物”という意味になるので、まさにこれが「天龍八将」の原案となった小説なのではないでしょうか。(ハン・インチェの演じたシャオ将軍も登場するようですし。)
「天龍八将」としての登場人物は一部変更されていますが(柳燕⇒江燕、祖逸飛⇒風逸飛、凌千金⇒歸千金など)
小説版の登場人物それぞれの頭文字(姓)を並べるとこうなります。
柳、舒、劉、宋、李、祖、風、凌
これだと、ちょっと味気ないというか意味がわからない。
それで下の名前はそのままに(一部変えてますけど・・)、姓だけ
変えてしまおうという事になったのだろうと思います。
「天龍八将」ではこの8つの文字を合言葉として2つに区切って読み、
”風雷焦祝”、”江何歸海”
のように使ってます。これだとなんとなくそれっぽく聞こえますね(笑)。

参考までに、南総里見八犬伝では仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌でしたね。
それぞれのシンボルの意味は八犬伝をそのままにしたような設定だと思いますので各人物をなんとなく当てはめてみます。

仁:慈しみ・・・(歸)
義:義理・・・(風)
礼:礼儀・・・(雷)
智:物事を知る・・・(焦)
忠:忠誠心・・・(祝)
信:信じること・・・(何)
考:工夫する・・・(海)
悌:兄を大切にする・・・(江)

ざっと、こんな感じになるでしょうか。もう少しいろいろキャラクターの性格を分析すると変わってくる可能性もありますが、八犬伝に似ている話だということが言えると思います。

あと、このシナリオで気になる部分は、8人の中で江と海が残りますが、アクション以外で一番の見せ場(ポイント)があるとするならこの辺りだと思います。
敵の副官が8人の一人、”海”ですが、彼が如何にして仲間と合流しうるのか。その過程がポイントで、この部分の表現がどこまで出来ているのかが注目でした。

実際にどのようにして合流したかは本編を御覧になってみてください。

最後に小説についてですが、ニー・クワン原作を引っさげてハーベストが旗揚げした『天龍八將』には”八俊傑”という小説が実在した訳ですが、もしかしたら当時の新聞に小説が連載されていたかも知れません。(残念ながら時期が分からず、詳細は不明のままでした。)ニー・クワンの武侠小説ももう少し調べてみようかなと思います。

試写会での2人(アンジェラ・マオ&ノラ・ミャオ) 

 

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王天林追悼1・『追撃』

2010-11-30 15:41:11 | 嘉禾電影
この映画は先日亡くなった王天林監督が71年に撮った作品でジェームス・ティエンとマリア・イーの主演映画です。

日本では2008年のハーベスト作品DVD発売ラッシュでは未発売に終わりましたが、Joysalesからの発売もされましたので御存知の方も多いと思います。

王天林監督とハーベストの関係というと縁が無さそうに思えます。後に監督が「燃えよドラゴン」にも出演したりしていた事も考えると、レイモンド・チョウとの友好関係とも思えますね。

タイトルの『追撃』ですがこれだけでは何を追撃するのか分かりません。
二十年程前、CSで放送された時の題名は「血の剣」でした。これで風がわりな剣が登場する武侠片なのかと思うことでしょう。
どうでしょうか?こんなタイトルが付けられていたと知っただけでも多少は面白そうだと感じたりしませんか。
実際のストーリーはこんな感じになります。

主人公・石海龍(田俊)は、”血の剣”という名を持つ秘剣を持っていた。人々から狙われるが誰にも触らせない。この剣は父親の死の謎を解くカギとなる剣だったのだ。
実はこの剣は2本あり、もう一本は行方知らずで石はこのもう片方の剣を探す旅に出た。
どうやら天龍幇の頭主ハン・イチュという男が謎を握っているらしい。
石の持つ剣を目当てに次々と追っ手が石に斬りかかって来るが、意味もなく斬ることは避けたい。

しかし、石海龍はハンを探している道中、剣を何者かに掏り替えられてしまう。
姫芳芳(マリア・イー)は世間を騒がせているそんな人物・石海龍の事が気になっていた。
ようやく捜し求めていたハンの居城まで来た石海龍だったが、敵に囲まれ剣がニセ物と分かりその場から退散しようとした。
その石海龍の前にハンが現れ問い詰める。
「なぜ手下を斬ったのだ?」
「なぜわしに会いに来たのだ?」
「わしに見せたい剣とは何だ?」
「なぜ大切な剣を盗まれたのだ?」素直な石海龍はすべてに答える。
ハンには石海龍を斬る理由など無かった。ハンに本物を剣を見るまでは剣の秘密を明かす訳にはいかないと言われた石海龍だったのだが・・・。

この映画ではチェンカンタイが武術指導を務めており、冒頭にもチラっと出演しています。
(左:チェンカンタイ)
これだけでもこの「追撃」が特異なものに思えてきます。


また、主演したジェームス・ティエンはこの映画ではポール・ティエンという名義で出演していたのです。


おなじみのリー・マンチン(中央)。


この時期武侠片に各会社から引っ張りダコだった唐菁。『怒劍狂刀』や『聾唖劍』、『三十六殺手』『豪侠傳』『黒靈官』など製作会社も邵氏に明星などの独立プロ、そしてハーベストとバラバラですが本当にチャンバラ映画に出まくっていましたね。


そして、マリア・イーのデビュー作でもありました。



ジェームス・ティエンは気の優しい主人公を好演していたと思います。
また、全体にはどこか和やかな雰囲気を醸し出している。それはまだ初々しいマリア・イーの演技にも現れており、新興会社だったハーベストで映画を撮ることになった王天林がベテラン監督として余裕のあるところを見せ付けていたと思います。
脚本も王天林によるものとなっており、謎の女・雲彩を登場させたり石海龍の父の死の謎解きなどストーリー、展開は単純ではなくかなり引き込まれる内容となっていましたね。
そして、大詰め。ラストシーンで明かされる2つの剣の最後の秘密とは・・・。

MP&GI、キャセイで数多くの映画を監督していた王天林はハーベストでこんな映画も監督していたのです。つづく

次回は王天林追悼パート2『[足台]拳龍虎鬥』の予定です。

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慌失失

2010-01-29 02:56:17 | 嘉禾電影
金曜日はゴールデンハーベストの関連する内容などについて整理しておこうと思います。
(さすがに毎日更新とはなりません)
GHで最近見ました作品は79年のリチャード・ウン主演『慌失失』でした。(唯一の監督作。)
香港の街を走る救急車でスタート

病院に勤める助手の亜漢(呉耀漢)と亜明(楊又祥)は仕事仲間で看護婦の亜芝も同じ病院に勤めている。
亜漢は偶然忍び込んだエアダクトから医師の梁(唐菁)と患者・何の密談を目撃してしまう。入院している患者の殺害を企んでいるようだ。
亜漢は老婆に花を届けるのを毎日楽しみにしていたがある日老婆はベッドからいなくなっていた。
密談を思い出した亜漢は追跡を開始するが実は依頼したのは意外な人物で犯人たちに追われることになる。

ドジな主人公をリチャードが演じているドタバタ喜劇であります。
劇中、病院内外での様々な光景には古臭さもあるが呉耀漢がうまく香港コメディーに仕上げています。
例えば看護婦の家に遊びに行って全身がかゆくなって全裸になってタワシで体を擦ったり、巨大な掃除機との格闘や犬と戯れる、全身石膏に包まれる等々どれを取っても熱の入った演技、滑稽な描写で感動してしまう。
後半はセスナや軍のヘリに乗ったりと突拍子もない展開であるが、これが当時の”呉耀漢”の表現方法なんですね。

冒頭ではスザンナ・クワン(ディスコグラフィーはココ。)の歌う主題歌『心底的奮闘』が流れています。(アルバム『永恒的琥珀』に収録。)「ザ・ポップマン」でも主題歌を歌っている。しかし彼女は映画の主題歌はあまり歌わないようでTVBのドラマの曲がほとんどであるのが特徴です。

この映画には陳國威なる俳優さんも出演しているのですが(これって酔拳の袁信義の役名と偶然にも同じ。)とにかくハーベスト作品でありながらヒロイン看護婦役レベッカ・フォン(方潔玲)だとかマイナーな出演者ばかりとなっています。(ロイ・チャオがゲスト出演)

この映画ってすっかり存在を忘れていたのですが、K社の特別編集”香港映画スペシャル”の海報集P80に載っており(この本ではGHのスタジオの場所とかも紹介されている。倉田さんの特別レポートもあり。)これでそのページの作品は見ることが叶いました。

GHではないですが先鋒公司の70年代後半に製作された作品「イエローパンサー」をはじめ3本(他に「天涯を彷徨う男たち」「全ては勝者の手に」)のCS放送が記憶に新しいところですね。他にもデビッド姜大衛が監督した84年の『上天救命』。これ何でしょうね?
そういえば昔は「ザ・ポップマン」や『難兄難弟』、『發錢寒』までもがCS放送されていましたね。(邦題忘れちゃいましたけど。今度調べておきます。)とまぁ70年代後半からの香港コメディ映画史には欠かせない人物でしたねー。
リチャード・ウンはロバート・クローズ監督の『Golden Needles』にも出演していたそうなのでこれも要チェック。



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捜査官ピンクドラゴン

2008-06-29 23:49:49 | 嘉禾電影
冴えない顔の鄭丹瑞が主人公のマッタリ系刑事ドラマです。(原題は『神探馬如龍』)
刑事ものは沢山あると思いますが一年に一度見れるかどうかののんびりした映画です。

監督はドニー・イェンの「画皮」を監督しましたゴードン・チャンで、彼の初期の作品です。


馬如龍は伝説の警察官だそうですが、この名前どこかで聞いたことがあるような…。

突然ですが、私は"題字"マニアだったりしますので、それ見ると大喜びします!
映画のタイトル画像を出来る限り残して収集し(これが本編だという証拠にもなります)それが手書き書体(中文)で、字幕も焼付けだったりすると興奮する映像になります。オリジナル作品であるということもあると思います。

この作品のように古くないものは残念ながらデザインなどに目を奪われがちなのですが、映画という完成された芸術作品の題名は絶対に重要なのです。

本編は実は大したことはありません。出てくる人物は主人公の同級生だったのですが、騒動に巻き込まれ…(以下略)。

しかし、冴えない主役を除けばゲストスターは豪華です。ニナ利智、ロザムンド關之琳、梁家輝に李子雄と私のお気に入りのスターばかりが出演しています。
他にも『豪侠』の劉松仁なんてマニアックな俳優さんも出演なのですが、彼が渋い役を演じており、こういうのも港片の醍醐味ですね!


いつからかこんな雰囲気の香港映画にも慣れ、安心して見ていた昔の自分を思い出します。
今になって鑑賞すると、チーホンのおでこが気になったり、梁家輝が知人にソックリだったりして(このパターンは良くあると思います)どんな映画でもそんな状態になれば、その瞬間は夢のような不思議な感覚におそわれてしまいます。
この夢のような感覚というのがリラックスして時には居眠りしてしまうぐらいになり(退屈だから…ではありませんが)お酒を飲んで気持ちよく酔った時なんかに似てるかも知れません。

最後まで主人公のどこがピンクドラゴンなのかなぁーと思って見てましたが結局分かりませんでした。。ピンクの豹ならぬ“龍”なのですから何かヒントでも欲しかったですね。
コメント (2)
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