電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

成龍作品特集(2)

2007-10-30 00:38:10 | 成龍的電影
他の作品もチェックしてみました。
(今回の選定はランダムです(笑)

紹介のみですが御了承ください。

■「天中拳」fromメディアアジア


少々キズが見られます。(オープニングのみワイド)



本当に、この作品っていつ作られたのだろうか??


■「拳精」
これもメディアアジア。



数年前まではトリミングでしたかね~。


■「流星拳」(メディアアジアの風・雨・雙流星)

ジャッキーとジミー王羽が共演。

今回の「片腕ドラゴン」ほかDVD発売で注目が集まっています。


これも是非再観賞してみるのも良いのではないでしょうか?
(ジミーさんVS赤ズボン4人衆は笑えるかな?)

■ドラロー


ジェネオンの大陸バージョンDVDは廃盤になってますね。


■龍騰虎躍(メディアアジア)


確か救成主さんの見解では右の人が趙魯江だったとか。

■「ミラクル」


"MR CANTON AND LADY ROSE"になっているが・・・。

■「シティハンター」


【嘉禾】ホーム(ビデオ?)のもの。字幕は無し。

■「ファイナルプロジェクト」


これも中英文字幕でした。

■「プロジェクトA」


メディアアジア。このお爺様亡くなってしまったんですよね。

■「アクシデンタルスパイ」


タイトルが簡体字になっているのが細かい拘りですね。

■「サンダーアーム龍兄虎弟」


この人どうしてたのかな?




いやぁ、自分で見直しても懐かしいものばかりでした。


コメント (2)
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成龍作品特集

2007-10-22 23:51:13 | 成龍的電影
・・・と、言いましても"成龍作品特集"という名前の大陸盤DVD-ROM(2枚組)についてです。
パッケージ裏には51本ものタイトルが列記してありますが、これを以前入手された方は無事再生出来ているのでしょうか?(私は数年前に入手しました)

再生方法が複雑で中身を見る事そのものに苦労してしまいましたが収録されている映像を全部ではないですが、何とか確認出来ました(過去形)。但し画質は最低レベルです。

「80デイズ」など比較的新しいものも入っていましたが、やはり旧作に注目しました。
(○:再生確認済み ×:確認できず)

・蛇鶴○
これと天中拳はメディアアジアのロゴで始まります。おそらくは大陸ならではのものだと思われます。

  羅維影業ロゴが古いものでした。
  


  本編は最初の演舞が白っぽいプリントですね。
  

  全体的に古い感じでした。
   


・天中拳○
以前kingkingさんのサイトで話題になっていたのは、竹藪(画像参照)入りのver。これもそのバージョンではなかった!
    

・そのほか
拳精○
木人拳○
流星拳○
醒拳(龍騰虎躍)○
飛龍神拳×

成龍拳、新怒りの鉄拳、笑拳は元々、パッケージ裏に記載がありませんでした。
(蛇拳と酔拳もなぜか無し)

尚、しっかり裏には龍拳と書いてあったのに実際は読み込み不可or収録されておらず残念でありました。このDVDにはそんな事は通用しないのでしょうけれども(苦笑)。

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心蘭的故事

2007-10-20 10:20:32 | 嘉禾電影
72年の文芸作品(撮影は72年8月頃)。前回の「黒夜怪客」と同様、この映画では苗可秀が柯俊雄と共演しています。
台湾映画ですが、【嘉禾】が発行(配給)して73年に香港でも公開されています。製作したのは鴻達公司という柯俊雄の会社のようです。

苗可秀が出演したのは「ドラゴンへの道」が終わった頃だと思いますが、この映画で功夫片では見られない演技をこなしていたと思います。例えば歌手として歌うシーン。子を持つ母親役などは女優としての力量を試された演技でしょう。
また文芸なので武術指導はないと思っていましたら周新貴という人が当たっていました。(アクション場面は冒頭のからみや、ボクシングの試合など。)
いえいえ、この周新貴という人、どうも龍飛の別名のようですが・・・。

タイトルにある心蘭はナイトクラブの人気歌手を演じる苗可秀の役名・呉心蘭のことで彼女のお話です。柯俊雄は学生でボクサーのチー(役名・羅起鵬)を演じています。

そのチーは毎日ケンカばかり。裕福な家庭の息子(つまりボンボン)でバイクを乗り回している。心蘭はケンカで道に倒れていたチーを偶然見つけ、家に運んで看病する。それがきっかけとなり二人は付き合い始める。

チーの父親(常楓)は厳しい人で、母も元歌手だったからと心蘭との結婚に反対する。チーが卒業すると父親の反対を押し切って結婚するが、喧嘩っ早いチーは仕事がうまくいかない。チーは叔父の漁船に乗ってやっと定職に就いた。やがて女児が生まれ、赤ん坊を抱えてチーの帰りを迎える心蘭であった。(やはりチーは白のTシャツ姿です。)幸福な暮らし送っていたが、2人目の男児が生まれた日、チーは海へ出たまま行方不明になってしまう。

そして…それから6年が経過した。医者のホー(武家麒)は、豆乳を売っている子供の屋台に車をぶつけてしまう。なぜ子供が商売をと思い子供に訊くと母親が病気であることを知った。その後、学校を休み、ホーからお金をもらったことで子を叱る心蘭だったが、チーがいなくなり貧しい生活で自分の為に働いたと知ると2人の子を抱き寄せた。(健気な子供たちの姿は涙を誘う場面です。)

心蘭は心労で病気になってしまっていた。その心蘭を医者として放っておけず助けたホーはお金は要らないと言う。親切な医者であった。頼りがないところでの親切心から少しずつホーに惹かれていく心蘭。チーが帰らないままだが叔母(王莱)の勧めもあり心蘭はホーと結婚してしまう。

1年後、足が不自由になったチーが港の家に戻ってきた。心蘭は子供を連れて出て行ったと叔母は告げるが心蘭を探し求めて街を歩き回るチー。新聞に捜索の広告を載せても心蘭は気がつかない。チーは酒に溺れる毎日を送るが金もなくなり、バーの店員に殴られ追い出されてしまう。

怪我を負った彼は病院へ運ばれる。そこはホーの病院だった。夫を手伝おうと治療しているところへ心蘭は近づいた。チーの目には心蘭の顔が確かに映っていた。心蘭を遂に見つけたのだ。奇跡的な再会に抱き合うふたり。しかし、心蘭には医者の夫がいる。激しく動揺し、その場に倒れる心蘭を2人の男が心蘭の腕を支えている。すると、チーが口を開いた。「君は残るんだ。俺が出て行こう…。」寝ている子供を一目見たチーは外へ出て行くのだった。

この映画は自らが背負った運命に苦悩する男女を描いた悲劇のドラマでした。
結婚し歌手をやめてからの苗可秀が、ごく普通の平凡な女性を演じていたせいかそれが新鮮に感じました。そういった面では彼女の違った一面が見れました。



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嘉禾作品の情報募集

2007-10-18 06:00:11 | ソフト情報
現在発売中の【嘉禾】系列映像・音声・字幕等の情報を募集します。(9/29)

(Joysales盤永恆的經典VCDに限ります。)

基本的には次の情報です
(1)【嘉禾】のオープニングロゴの種類
(2)字幕の種類
(3)音声
(4)その他(香港公開日など)

※下記に随時反映します。(嘉禾の出品/發行の作品)
宜しくお願いします。

データ協力:ぽこっち様

■ロゴ
(1)稲穂
  
(2)白字
  
(3)赤字
  

■新着情報
片名        公開日   ロゴ 字幕       音声  発売日
---------------------------------------------------------
黄面老虎____74/08/16_??_中英文/??_北京語_07/10/18
壞小子_____80/04/17_??_中英文/??_北/広_07/09/29
粉髑髏_____82/04/02_??_中英文/??_北/広_07/09/29


■【嘉禾】系列発売リストVer1.02
片名        公開日   ロゴ 字幕       音声  発売日
---------------------------------------------------------
天龍八将____71/01/22_稲穂_中文_____北京語_07/02/01
刀不留人____71/04/30_赤字_中文_____北京語_07/06/08
鬼怒川_____71/05/12_稲穂_中英文/焼付_北京語_07/01/26
奪命金劍____71/07/28_赤字_中文_____北京語_07/06/28
鬼流星_____71/08/11_赤字_中文_____北京語_07/05/11
追撃______71/10/07_稲穂_中英文/焼付_北京語_07/08/30
一夫當關____71/10/14_稲穂_中英文/焼付_北京語_07/03/09
金旋風_____71/02/12_稲穂_中英文/後付_北京語_07/05/23
山東響馬____72/03/03_稲穂_中文_____北京語_07/05/18
鐵掌旋風腿___72/06/01_稲穂_中文_____北京語_07/09/06
冷面虎_____73/02/02_赤字_中英文/焼付_北京語_07/03/09
馬路小英雄___73/02/17_赤字_中英文/焼付_北京語_07/01/26
海員七號____73/04/20_白字_中英文/焼付_北京語_07/08/17
鐵娃______73/05/10_白字_中英文/焼付_北京語_07/04/19
戰神灘_____73/07/13_赤字_中英文/後付_北京語_06/09/06
?拳震九州___73/09/12_なし_中英文/後付_北京語_06/09/06
五雷轟頂____73/10/11_赤字_中文_____北京語_07/06/08
龍虎金剛____73/12/21_赤字_中英文/焼付_北京語_07/04/13
黄飛鴻少林拳__74/01/22_赤字_中英文/焼付_北/広_07/03/22
七省拳王____74/02/06_なし_中文_____北京語_07/07/12
福建少林拳___74/06/14_赤字_中英文/焼付_北京語_07/08/29
虎辮子_____74/07/05_白字_中英文/焼付_北京語_07/08/23
綽頭状元____74/07/18_白字_中英文/焼付_北京語_07/08/23
鐵金剛大破紫陽觀74/08/02_赤字_中英文/焼付_北京語_07/05/23
中泰拳壇生死戦_74/09/28_白字_中英文/焼付_北京語_07/05/23
女子?拳群英會_75/03/15_赤字_中文_____北京語_07/05/11
艶窟神探____75/06/12_白字_中文_____北京語_07/06/08
鐵漢柔情____75/09/12_赤字_中英文/焼付_北京語_07/06/28
密宗聖手____76/02/20_赤字_中文_____北京語_07/01/25
鰐潭群英會___76/09/16_白字_中英文/焼付_北京語_07/05/23
破戒______77/12/03_赤字_中文_____北京語_06/07/12
貂女______78/03/16_白字_中英文/焼付_北京語_07/08/29
コメント (9)
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黒夜怪客

2007-10-15 22:10:48 | 嘉禾電影
柯俊雄主演で苗可秀が共演したハードボイルドタッチのアクション映画です。

「スカイホーク鷹拳」や「破戒」の鄭昌和が監督した作品(韓国ロケ)で【嘉禾】では「黒夜怪客」(73)が初となります。(宇進電影公司の製作)

物語は、1人の男がある組織の殺し屋に射殺された。男が持っていたアタッシュケースに入っていたのは財宝のありかを示す地図だった。
主人公のワン(柯俊雄)は海の男で腕っ節が強く、港にいるチンピラどもの相手ではなかった。そんなワンであったが組織からの依頼を受け、父親の借金返済の為、とある仕事を引き受けた。それは海に沈んでいる財宝(金の延べ棒)を探すというものだった。前金をもらって借金を返済し晴れて彼女(苗可秀)と結婚するワンであったが…。
お宝探索の当日、ワンと組織の人間たち(南宮勳、洪性中)はクルーザーに乗りこみ沖へ出た。現場に到着しワンが海底に潜ると、そこには確かに沈没船があった。そしてお宝を発見、ワンの仕事はここまで。組織の連中が財宝を引き揚げて歓喜していると、元日本兵の荒木(易原)、カオシャン(洪金寶)、ポンウェイ(楊威)、ツイチェンティエン(黄仁植)の4人組がボートに乗って襲撃してきた。ワンたちが出航する前から狙っていた彼らは財宝を横取りするつもりだったのだ。財宝は戦時中ビルマから日本へ運ぶ途中に沈没したものだった。咄嗟にワンが船に火をつけ、海に飛び込んだ隙にワンはひとり脱出に成功する。
数年後、牧場で妻と5歳になる娘の3人で平和に暮らすワン。彼はお気に入りの劇団に寄付するまでの実業家になっていた。しかし、ある雷雨の夜、ワンの家を黒いサングラスの暴漢が襲ってきた。それは6年前の事件でワンがまんまと撒いた4人組の1人だった。

・・・と韓国を舞台にアクション映画の巨匠・鄭昌和が金の延べ棒を巡って拳銃アクションあり、カーチェイスあり、トロッコありの争奪戦を展開する無駄のないアクション映画です。ラストに残ったのはサモハンと黄仁植の2人。このラストの大物2人と柯俊雄の対決は息を飲んでしまいます。

冒頭、ノンクレジットですが劉永が港でのファーストバトルに出てきます。(バンコク?ここでは何と劉家榮の顔も見える。)
白いTシャツが似合う主役の柯俊雄は台湾生まれ。台湾で多数映画出演し亞州影帝とも呼ばれていましたが、この時期に【嘉禾】と契約し「心蘭的故事」(72)に続いて苗可秀と共演。この映画での貫禄も十分でした。易原(荒木一夫役)はこの数年間に黄楓監督の「山東響馬」や「黒路」などに出演、そして鄭昌和作品に出演という貴重な時期を過ごしました。前半に登場する南宮勳は鄭昌和監督の関係から出演し、チェンゴン役の洪性中も「破戒」や黄楓監督作品に出演しています。(武術指導の陳全もチラっと出演)

また、興味深いのはこの作品の製作時期が73年3月である事で、これは何を示すのでしょうか?
それは、サモハンがブルース・リーと共演した「燃えよドラゴン」も撮影終盤で丁度この時期に当たると思いますが、リーは相手役を計画しており、私はサモハンが「黒夜怪客」撮影中に韓国から呼ばれ、記念すべき「燃えよドラゴン」のファーストシーンに出演したということになるのでは?と考えています。
コメント (1)
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考察「新精武門」

2007-10-03 23:58:57 | 成龍的電影
ジャッキーの「新精武門」はどんな映画だったのでしょうか?既に観ている方はこの映画について様々な印象を持っているかと思います。おさらいを兼ねこれを少し考えてみます(Alpha Film&Videoからリリースされた英語版VHSを元に考察します。)

製作の背景には当時の映画雑誌の記事から「精武門」(ドラゴン怒りの鉄拳)のリバイバル公開によるヒットが影響しているということがありましたので、まずはこれを検証してみました。
当時の資料を調査してみますと「精武門」は香港で74年2月から再公開されており、そうなると相当前から羅維は続編の製作を考えていたことになります。
しばらくして76年になりますが、この時期の香港では「唐山大兄」や「龍争虎闘」が次々に上映されてリーの人気が再燃していたと思われます。「唐山~」が2月でしたのでこれで羅維は最終的に製作を決断したのかも知れません。観衆はリーとその後継者に期待し続けていたのが分かります。そしてジャッキーが羅維からオファーを受けたのは2月中旬で羅維と陳自強がジャッキー(この時はまだ陳元龍)に接触し、2月末には成龍と改名していたようです。

ストーリーは概ね次の通りでした。
日本人の圧力により上海の精武道場は崩壊寸前まで追い込まれていた。台湾に逃れた麗兒(苗可秀)は、阿龍(ジャッキー)と出会う。日本人の支配は既に台湾にも及んでいて警察も無力だった。この場所は日本政府の岡村(陳星)が率いる大和道場が牛耳っており、この地で麗兒が師範(韓英傑)らと開いた精武道場も岡村に屈辱的な目に遭わされ岡村の娘・千代子(鄭秀秀)に道場の看板を蹴破られてしまう。岡村らの横暴に阿龍は怒り、指を噛んで"精武"の血文字を胸に書き、仲間と共に立ち上がるのだった。その姿に陳眞(李小龍)を見た麗兒は陳眞の形見を阿龍へ授けた。やがて秘伝の"迷踪拳"を会得した阿龍は大和道場に乗り込みついに岡村と対決するというストーリーです。

ジャッキーはこの映画で三節棍を使っています。そういえば三節棍を持っているスチールをよく目にしましたので売りの一つでもあったと思います。私は実際に三節棍がどんなものか手に取って確かめたかった事もあり映画で使用しているものと同じタイプを購入してみました(画像参照)。白蝋杆という素材を使用しており棍棒は直径2cm程でとても堅く三本の棍棒を繋ぐ金具もしっかりしていて重量感がありました。これを使いこなすのは非常に困難ですが、達人が使うとなれば相当強力な武具であるのは間違いないところです。本編ではラスト近く、この三節棍を使ったバトルが展開されますが、陳星が沖縄武器(サイ)を使い、三節棍vsサイの珍しい対決となっていたのは印象深く、ここは迫力のある画が出ていたと思います。(ジャッキーはこれ以降「シャンハイヌーン」まで三節棍を見せず。)「新」には二節棍(ヌンチャク)を使うシーンも何度か登場しますが、実は前述の三節棍のアクションで途中から2本に変わるという展開になっていたのです。

ところで月3000ドルと安い給料でも後には戻れない状況だったジャッキーはリーの後継者と言われても素人っぽくヌンチャクをブン回したり、がむしゃらに闘い、ドジな面を見せる演技をしており、この当時は1000万ドルの監督(「唐山大兄」300万、「精武門」400万、「冷面虎」「綽頭状元」など興収を合計した金額)と言われた羅維作品で初めからジャッキーらしさを表現していたのが見て取れると思います。
そういえば「新」以降もヌンチャクのアクションを見せる時(例えば「天中拳」や「酔拳」)には、必ず最後に自分の顔や頭などに当てるというオチにしていました。つまりリーの真似をしつつ、彼のパロディを既にこの「新」で見せていたことになります。

ジャッキーも参加した前作で大先輩であったリーに誉められたスタント時代から数年後。"成龍"名義で初めて領銜主演としてスクリーン上にも名前が出た訳ですが、続編ということで前作からの流れを踏襲しつつ、上記三節棍のような新たな要素が詰め込まれています。まず羅維はそのまま警察署長として冒頭に登場し、既に大スターだった元"嘉禾公主"の苗可秀は断然人気があったはずで彼女目当てのファンも多くいたことでしょう。また今回は悪役ではなく師範として出演し、武術指導も担当した韓英傑の存在も忘れてはならないところです。千代子役の鄭秀秀は台湾でのテコンドーチャンプで当時21歳。彼女の起用は早々と決定していました。
また、本編に本物リーの画像が挿入されていますが(「龍争虎闘」の2枚の静止画像が使われている)たとえ一瞬でもこれを入れる入れないでは大きな違いがあると思うのですが羅維自身の作品の画像が使われず、これは関係が悪化していた【嘉禾】から許可が下りなかったものと推察します。

また差は歴然ですが前作との比較をしますと、名セリフと呼ばれるものや"東亞病夫"のようなフレーズは無かった様子でした。強いて挙げるとすれば”The two spells meanings of the Jing Wu school!!”(不屈の精神、団結は正に精武)になるのでしょうか。また残念なのは前作のような音楽が使用されなかったのも盛り上がりに効果的ではなかったと思います。
ラストのVS陳星も日本人との対決を演出するには畳が必須であるのか日本家屋を使うなど配慮していました(台湾には日本家屋が多いと聞きます)。この大和道場のロケーション先は他の映画でも使われており、陳観泰&倉田保昭「亡命忍者」(「地獄の忍者軍団クノイチ部隊」)の"精武道舘"と"娼館"や、何宗道「詠春與捷拳」(The Story of the Dragon※掲示板参照)でも使われていた日本式家屋で台湾の彰化市付近にあります。そしてラストシーン。これは前作があまりにも有名な場面であるので「新」が印象に残るとは思えません。衝撃的なラストという意味では前作と同様ですが飛び蹴りでストップモーションとなるのに対し、銃が撃ち込まれた無残な状態のカットで終わる為であるのですが、ここはなぜこのようなシーンになったのか理解に苦しみます。一部が「精武門」のオリジナルスタッフ、キャストの人々が送ったこれだけのエッセンスが詰まった映画でしたが、興行的には失敗に終わったようです。理由は明白だったのではないでしょうか。

ジャッキーはのちにこう述べています。
「苗可秀との共演は素晴らしかった。」また前作を「精武門(ドラゴン怒りの鉄拳)は香港で一番愛されているリーの映画だと思う。」(自伝より)
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