10/20(土)TIFF初日に東京・六本木まで観に行ってきました。
今回はオールナイトということで23時スタートでしたが、「ポリスストーリー/香港国際警察」「霊幻道士」「キャノンボール」の順で、この3本が当時のままで朝までフィルム上映されました。 (当然のごとく始発電車で帰りました・・。)
冒頭、主催者からのスピーチがあり今回の上映作品の選定理由について簡単に説明がありました。
35ミリのフィルムが残っていて(その中で状態の良いものを可能な限り使用)、あまり上映されていないような作品という条件などで絞り込んだ結果、今回の3本に決まったそうです。
そして、持病悪化のために欠席されたレイモンド・チョウさんご本人からのメッセージが日本語と英語で読み上げられました。 来場者だけに向けられたメッセージ(式のメッセージはこちら)のようでしたが、古い映画にも関わらず深夜に観に来てくれていることをとても感謝されていた等のお話で、英語の時はじっと目を閉じて聴いていたのですが、脳裏にチョウさんの顔が浮かんできてちょっとだけご本人が目の前にいるような感覚になりました(笑)。
短いお言葉でしたが、香港にいるチョウさんの映画に対する思いを込めたメッセージが心に届いたような気がしましたね。
レイモンド・チョウってどんな人??っていう人ももしかしたらいるのかも知れないですが、この人無くてはブルース・リーやジャッキー・チェン、マイケル・ホイの映画も無かったことになってしまうのでとにかく偉大なプロデューサーだったのです。(最近は高齢にもかかわらず映画に出演されたりしてます!)
当時のチョウさん(50歳ごろ)
そして、最初のポリストの上映がはじまると、会場は大きな拍手が沸き起こりました!!(みなさんこれを、この時を待っていたんですね!)
先日の「プロジェクトA」もそうでしたけど、ゴールデン・ハーベストと言えば、やはりこのロゴが忘れられません!(何回見たことか・・。
このロゴとアノ音楽ではじまれば文句なし!
いきなりジャッキーの歌う『英雄故事』(みなさん覚えましょうね~)ではじまる本編はインパクト絶大でありました!誰か日本語でカバー曲とか作って!!あっ、ドラマなんかでかかるなんてのはいかが?(日本のドラマなどにもやっと移行されてきている感があるのでいい機会だとは思うのですが・・・。)
それで、見応えがあったのは最初のこの「ポリスストーリー」になっていたと思いますが、上映の順序についてもおそらくは検討された結果だと思っていますので今回の順序での上映で良かったと思います。ところどころフィルムのキズが目立って全体的にも状態はあまりよろしくない感じではありましたが、これが最良ということならやむを得ないでしょう。(後半はそんなことも気にならず映画に集中出来、最後まで息抜くヒマもないくらいに見れました。)ブリジット・リンもとても若かったですね。ジャッキーと共演してた頃が好きです。
熱血ジャッキーのポリスアクション作品
続いて「霊幻道士」ピヨーン、ピヨーンと跳ねるキョンシー。やっぱり、これですよね(笑)。最近はちょっとしたブームになってきているようですので、そろそろ昔のキョンシー映画なんかもリバイバルされるといいですね。
フィルムの状態も良く、こんな状態のいいものが残っていたのにびっくりしましたが、深夜にキョンシー映画を大勢で見るというのも、貴重な経験だと思います(笑)。
この「霊幻道士」もアクションの質こそ違いますけど、まぁそれなりにしっかりしたアクションではあるのですがポリストに比べれば静かなもんですね。道士役のラム・チェンイン(そして青野さん) や昨年リッキー・ホイも亡くなってしまったので、この映画を見るのもちょっと特別な想いがありましたが、それなりに結構楽しめました。(強いて言えば、中盤でもう終わっちゃうのかな?と思ってしまう場面があったりするので映画としては若干物足りない部分も感じられますね)
この後、霊幻道士はシリーズ化されましたが、このパート1は聊斎志異的話も絡んで子供向けではないと思うのですが、これが一応はブームのきっかけとなった映画であるわけですし、この第1作というのが重要な作品なんですね。
そしてラストには、この劇場公開版だけに流れる高中正義の「CHINA」を聴いて会場のみなさんうっとり。当時はこんな特別な演出があったんですね。パート2以降も上映されたらいいのに・・。(実は私はパート3のファンだったりします。)
道士様とそのお弟子サン。
ここでちょっと脱線しますが、日本人にはこの劇場公開版が至高の映像な訳ですが、北京語の「霊幻道士」台湾バージョンというものがあるのでご紹介しておきます。(『暫時停止呼吸』というタイトルが付けられてはいるものの本編のタイトルは『キョウ屍先生』なんだけども・・。)キョンシーが来たら息を止めるっていうのが当時流行り、そのまま題名として使われ、そんな遊びもいまの子供たちの間で流行るのかと思うと不思議な気持ちになります。またこんなのが流行りだしたら台湾とかでキョンシーの新作が作られたっていいじゃないかと思ってしまいますよ。
この通り・・。
北京語音声、北京語字幕となっています。(字幕が北京語表記であることを確かめるのはなかなかムズカしい・・。)音声、字幕を除けばおそらく広東語版と同じものでしょう。
このシーンが好き。「キョンシーになっちゃった。」
(おまけ)10/31はこの曲を聴いてみんなキョンシーになるのだ(笑)。
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最後は「キャノンボール」。
オープニングのシーケンスは以下でした。
東宝東和提供→劇場版タイトル→GHロゴ→本編
この映画は英語なので純な香港映画じゃないのが惜しいところなんですが、(出来ればなんとか中文にしてもらいたかった)こんな感じで。
(参考)ほうだんひしゃ。スゲー名前だ!(笑)
香港から出場できたのは2名だけ、(チョウさんも記念撮影には出てたけど(笑。)あとは全部アメリカ人。ってちょっとさびしい気もしたのですが、チョウさんが作り出した映画ということで、クスクスとジョーク連発にも多少ウケながら 、ライトな感覚で観るのがいいからちょっと深夜の映画館でみるようなものじゃなくて部屋でリラックスしてポテチでも食べつつ見るのがベストなんじゃないかと思いながらみてました。アメリカ映画ってこんなもんだったと思い出させてはくれますが。
ただアメリカのオールドファンが喜ぶネタが多いのも事実・・。時々日本人ドライバーとしてジャッキー・チェン&マイケル・ホイのコンビのやり取りが楽しくまぁ時間も時間ですし、ちょっと流して見てるのがちょうどいいかと(笑)。当時としてはかなりヒットしたようですが、この映画祭で上映するぐらいしか機会が無いと思うと、ちょっと見ておかねばという気にもなりました。
日本人コンビが大暴れ!
それにしてもいつもの007チックなメロディーで登場するロジャー・ムーアは貫禄ありましたね(笑)。テレビなんかだとラストのNGシーンまでも日本語に吹き替えられてましたけど、「キャノンボール」もたまにはいいものですね。カウンタックもカッコ良かった!
ということで、思い出に残る3本立て上映でした。レイモンド・チョウさんに感謝!