電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

祝!ドランクモンキー酔拳 劇場公開40周年

2019-06-26 20:25:44 | 成龍的電影

こんにちは、醒龍です。

まだまだ梅雨明けは来ないですが暑い日が続きますね。来月は7月ということで夏真っ盛りになりますね。夏と言えばやっぱり酔拳がぴったりですね。なーんて。

ジャッキー・チェンが日本上陸したのが、79年。昭和でいうと昭和54年。今年が令和元年。何年前かなぁ、なんて和暦で数えると元号も変わったりして分からないですね。

そうなんです。早いもので来月でちょうど40周年。これはお祝いですね。折角だからイベントでもあればいいのになぁ。

せっかくなので太陽の下で酔拳のポーズを取るジャッキーをイメージして記念の絵を書いてみました。大したことのない絵ですが。

公開日は7月21日ですが、東京では先行上映がその日からだったんですよね。なので、全国ロードショーは8月4日からだったと思いました。地方で公開されたチラシの裏にはバーンと8月4日のハンコが押してありましたのでたぶんそうだと思いますね。まだ当時は行けませんでしたけども・・。


ジャッキーの旧作は吉祥寺東映とか三鷹のオスカーあたりでいっぱい観ましたね。当時は拳シリーズの劇場版ポスターがチラシ屋で150円で売ってたのでよく自転車で買いに行きましたっけ。昔をいろいろ思い出しますね。酔拳や蛇拳のは先日惜しくも亡くなられたモンキーパンチ氏のイラストを使って当時は本当にとことん日本独自路線を展開していたのがうれしくてとても懐かしい気がします。

オリジナルの海報は数種ありますが、やはり日本名ドランクモンキー酔拳の元となった英原題"Drunk Monkey in the Tigers Eyes"の表記と、ポスター上部に横書きで"蛇形刁手第二集"と入った物がそれっぽくていいですね。これがマストでしょう。

変更されたDRUNKEN MASTERはよく見ますが・・。

テレビでも酔拳はほぼ各局で放送されてましたけど、フジの初回放送が衝撃的でしたね。たまたまその日は家族がいなくて1人で見てたんですが、最後まで見終わったあと興奮してたのを覚えてますね。分かる方には分かると思うのですが、なかなかあの興奮は味わえないものだと思います。

それから20数年後、テレ東の21世紀特別編も良かったですが、とにかく昔から日本で一番愛されてるのが酔拳だと思いますね。

そうそう酔拳について1つ思い出しました。テレ朝バージョンってのがあって、これがちょっと違うんですよ。

テレ朝オープニング。トリミングされてますが割とキレイです。

右端に袁信義の顔もハッキリ映る、
ちょっとフィルムにキズが入ったような画像ですが、これがテレビ局の放送媒体として使われたことに驚きました。(副音声は無し)

”導演 袁和平"の出るタイミング。フジテレビで最初に流れた時はジャッキーの酔拳演武の中で出てきましたよね。

テレ朝のここの部分が謎で、なぜか違うタイミングなのです。忘れてましたけど、ずっと残ってしまった謎でした。

オープニングの拳法混乱(カンフージョン)がカットされ、いきなり本編がはじまる
この謎仕様について今回ちょっと、考えてみました。

テレ朝バージョンは、ババーンという激突音とともに将軍令からスタートします。

ココより前の部分が気になる部分なんですけど、本放送ではカットされてしまって見ることは出来ませんでした。

仮にですね、これがロングVerのプリントであったと仮定すると、ちょっと信じられない事が考えられるんです。(もちろん推測の域を出ませんが・・)

将軍令より前の部分は・・・。これはもう北京語版などで見られる黄正利と袁信義の場面しか考えられないんですね。

袁和平のクレジットは道場で出てくるので、その前のクレジットは酔八仙の書を開いたときの"監製 吳思遠"(ここがポイント!)と、当然あの某野外ロケ地になるはずです。それは同時にカンフージョンが流れないことを意味しますね。(同じ導演のクレジットが出るタイミングが2度出ることは考えられないため)

あと、以前から不思議だったのがフジのは酔拳のタイトルが映画の中で出て来ないんですよね。元のフィルムであれば必ずどこかにはあると思うんですが、これを不自然と思う局のスタッフさんは何らかの形で付け足しすることもありますね。配給会社がカンフージョンのオープニングを作ったので酔拳のタイトルを入れる場所が無くなってしまった格好ですね。本当なら香港版や8ミリのダイジェスト版みたいに酔八仙の書を開いた時にバーンと出るのが自然なタイミングでしょうか。

フジとテレ朝の違いとしては、導演と監製の順序が逆になっています。フジはカンフージョンの後、監製がなぜか最後となっていてそこでオープニングが終わります。テレ朝は最初に監製ではじまって最後に前述の導演が出るという具合です。これも本物っぽい気がしますね。

ちなみに、オープニングと場面が道場に切り替わるこのつなぎの部分が酔拳の編集のキモで、無数にある各国でリリースされた映像ソフトの中には導演の中文クレジットが飛んで消えてしまっているものもあります。

私の考えを整理すると・・・、劇場版は2種類あって、先行時がロングバージョン(カンフージョン無し)。
8月の正式公開では道場のシーンの無い短縮版という2つのバージョンだったのかもですね。

フジテレビの放送は短縮版のオープニングと道場場面を挿入したもの。テレ朝はロングから冒頭~激突音の直前までをカットして、さらに放送枠に入る程度に短くカットしたような状態だったと思われます。そうすると、短縮版では将軍令はなかったのかな??

2週間という先行上映の期間中、見ることが出来たのが一部の地域だったからこそ、このバージョン違いも可能性としてはあり得るのでは?と思ってます。

先行版と全国版とその両方を観た方がいてかつその差異が分かる人もおそらく殆どいないと思われますが、シーゾナルから提供されたものが先行版に近かった物だったかも知れませんし、独自の編集を加え全国展開されたとしたらスッキリしますねぇ。

当時は配給会社の都合もあって、映画をいつ、どのプリントで公開するというような事情は、今とはまったく違ってもっと複雑であったはずです。(これは会社によっても随分違ったのではないかという認識です)

そんな細かな事は観客はもちろん知りませんし、興味がない人にはまったくどうでもいい話です。

しかしファンは細かい部分の真相が知りたいので、今までもやって来たようにいろいろとああでもない、こうでもないとファンは議論し続けてきました。

推測の域を出ないのですが、好きであるからこそこんな事を考えていられるんですね。

とにかく、私もいつまで経ってもやっぱり酔拳が好きなんです。
40年前、日本の観客を前に主題曲"カンフージョン"をバックに華麗な酔拳を見せてくれたあのジャッキーの勇姿・・・。それはドランクモンキーとして、最高のデビューシーンだったのではないでしょうか。

以上、忘れかけていた疑問や謎について整理、考察してみました。

今夜は、気持ちだけロン毛のジャッキーになって(カツラは持ってませんw)お酒飲んで楽しく過ごしたいと思います。

See you next time!

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戦神灘

2019-06-07 22:20:17 | 七十年代作品【1973】

こんにちは、醒龍です。

先日、近所で流鏑馬が見れるということでその公園に行って見てきました。当日はかなりの暑さで、炎天下の中を精鋭の選手たちが頭にはヘルメット(!)や烏帽子をつけたり個性的な衣装で競技してました。暑さのため実力が発揮出来ず結果を出せなかった選手もいたようです。

コースには2つの的があって、ど真ん中が高得点となっていて、その二本の矢の合計得点で順位が決まるという形式の競技だったのですが、矢が飛ぶ瞬間は迫力あって間近で見れて良かったですね。点を取れる人のフォームはきれいでしたね。タイミングが勝負ですが馬に乗りながら矢を打ってそれを的に当てなければいけないので相当な技術が必要な競技ではないでしょうか。

馬にもそれぞれ名前があって、アナウンスされる名前がかわいらしい名前だったり、それらしい名前だったりと様々でした。競走馬ではなくて人間が戦いに臨むときに駆り出すような馬には魅力がありますね。こんな伝統古来の珍しいものが観戦出来てとっても良い機会でした。また近所で開催されたら見に行ってみようかなと思います。

今回の記事は久々のジミー・ウォング主演作品です。

ジミーさんの映画も現在、ホントに沢山見られるようになったのはうれしいですね。古くは勝新との対決なんかもありましたっけ。私が好きなジミーさんはやっぱりギロチンですね。あと、現代劇のスカイハイ。ジミーさんは何十年も前、既にボンド俳優と共演してたことになるんですよね。

さて今回は、戦神灘(センシンタン)という73年の映画です。国内盤DVDも出てますので観ている方も多いかと思います。今回は手元にVCDがあったのでそれを使います。このVCDがまた残念ながらマニア泣かせのオリジナル焼き付け字幕ではなかったですが、クッキリした中英文の2段字幕でまぁ確かに読みやすい字幕ですが、こればっかりずっと観てました。

ここで、ジミーさんの映画を分類してみると、①邵氏時代、②初期嘉禾作品群(時代劇、現代劇)、③独立製片公司時代(台湾)に分類されます。80年代以降は割愛しますが、60~70年代まで、ざっとこんな感じになります。この戦神灘は②に入ります。②はもちろんイイのですが、やっぱり③が幅広いですし、開拓の余地のあるゾーンですね。そう、気付いている方もいらっしゃると思いますが、当ブログでは実はこの③に重点を置いてます。

それでは、本編です。

今回のテーマは倭寇との戦いということで、海賊ですね。日本の海賊はやはり海から攻めてくるので海岸に焦点が当たります。ここが一応、映画の舞台となります。

灘は中国語では砂浜というような意味になりますから、浜辺で対決するというのが大前提ですね。チェン・シンvsカンタイが最高に良かった『蕩寇灘』 (72)で倭寇である日本人との対決が見られるのも既にありました。

ではジミーさんの倭寇戦はどうだったのでしょうか。

いかにも海賊らしい姿の日本人は登場しませんが、ここでは倭寇=サムライです。なのでいつもの民初ではなくて、明の時代まで遡ります。ジミーさんは杭州知事の甥っ子ですので、捕まって処刑された叔父の復讐劇です。強豪を集めてジミーさんたち七人の戦士とサムライが対決する映画ですね(笑)。ジミーさん含め、七人の戦士たちが主役です。序盤にこれらのメンバーを探すところから物語はスタート。

その顔ぶれはまず、町で鉄をも切り落とすという刀の商売人。腕もなかなか。そして、二つの盾を武器にするという奇想天外な男とか、短い二本の槍使いの男に、顔にキズの入った賞金稼ぎという邪道路線のようです。あと軍師っぽい男とご老人がもう一人。ジミーさんを入れて全部で七人という構成であります。

余談ながら劇中、李鎮の町人で倭寇から逃げる作戦を唱える河本にソックリなヤツが出てきますが、あれは本人だな(笑)。お前はタンロンじゃなくてタンメンか?

 ほらタンメン(笑)

タンメン、タンメンと詰め寄る(嘘)

彼の相手役が何とビックリ董今狐(リチャード・トン)でした。(『真假功夫』(78)の監督さん)

今回レンというナイフ投げの役の御存知田野(ティエンイエー)師匠が登場する場面では、あれれ。片腕ドラゴンの冒頭と同じあのセットがそのまま出てきます。結構撮影の時期は近いのかも知れませんね。 

そうそう、ボスはロン・フェイですよ。いつかジミーさんとの星取表を作ってみたいですけど、今回は倭寇の海島聯軍副頭領だそうです。へぇー、なるほど。

この映画では杭州に攻めてきた倭寇軍に、到底太刀打ち出来ない民衆たちを使ってどうやって倭寇に打ち勝つかが焦点です。なんと、七人の戦士の一人が町人たちを訓練させるんです。兵糧も出てきますし、これはまるで光栄の戦国シミュレーションですね。そして、倭寇軍VS杭州軍のバトルがワァっと延々と30分以上あるような感じのこの長~いシーンが続きます。

途中、敵の鎖鎌の攻撃で宙に舞うジミー王羽。いいトコでスローモーション使っていいですねぇ。

セリフでは日本語こそ殆どしゃべりませんが、倭寇たちのあのカツラでサンマオらも登場して、ロン・フェイはチョンマゲが良く似合ってるんですよね(笑)。このサムライがメッチャクチャ強い。一人のだけごっつい鎧(ブラック)で暴れ回り、ジミーさんも凌駕しちゃうこの辺りが超笑えて楽しい場面です(笑)。

西部劇っぽい感じはあまりなく、馬のシーンも少なめのようです。まして流鏑馬は登場してません(笑)。いやぁさすが世界の黒沢明。七人の侍。用心棒も好きです。私はどちらかというと用心棒派なのですが、テレビでやってた「バンデッツ・フロム・シャントゥーン」とかによく出てきた、場末感が出ている宿場町(のセット)がワクワクします。実際どこだか分かりませんが(台湾?)、またその同じ場所のようでした。

そんなこんなであっという間に終盤戦へ突入。チョンマゲやってるロンフェイの必殺ギラギラ光線に対し、さすがジミーさん。ギラギラ返しで応戦します(笑)。ギラギラと言えば、確か『新座頭市 破れ!唐人剣』でも見せてましたね。

そういえばコレの例の香港版についてですが、いま現在もウィキペディアには日本のバージョンとの相違点がいくつも箇条書きされているのですよね。恐らくこれを観たと思われる人物が記事を編纂したようなのですが、気になる点がありますね。例えば、共同ですが導演として黄銘の名前がクレジットされているのだそうです。確か徐增宏(シュー・ツォンホン)と安田監督の聯合導演のはずなのでこれは明らかにおかしいですよね。詳細についてはなかなか公式にはオープンにならないのでもうずっと闇の中だと思います。  

ギラギラからちょっと脱線してしまいました。二人の大物スターが対決するという先の映画程ではない今回の戦神灘。ジミーさんが単独で暴れ回るのではなくて、チームで巨大な敵に立ち向かうというスケールの大きさによりジミーさん独特の個性的かつ斬新な描写が少なくなってしまったようです。

ラストの夜のシーン。ロンフェイとの最終決着地、戦神灘です。さて、どちらの墓場となるのか(!?)。前述の通り、ロンフェイとは何度も何度も対決しているジミーさん。大抵ジミーさんが勝っちゃう訳なのですが、今回は二刀流対二刀流でした。そして夜の暗闇対決というのが新しかったのかも知れません。

このままでは終わりはしません、ジミーさん。ここも計算尽くであるのか、大がかりなセットでどこかで見たようなセットでしたがここで決着となりました。あーあ。

 

 

それでは、また次回の記事で!!さらばじゃ


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パッケージ画像がありませんが、オリジナルポスターをあしらったデザインのDVDです。 

セブン・ウォリアーズ 戦神灘 [DVD]
ジミー・ウォング
キングレコード

 

 


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このテーマ曲がどこからか流れてくると、もう鳥肌モノですネ。

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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

 


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ジミーさんとジャッキーのコラボ(通算2回目です)。日本語音声入り

ジャッキー・チェンのドラゴン特攻隊(日本語版) [DVD]
ジャッキー・チェン,タオ・ダ・ウェイ,ブリジット・リン,ジミー・ウォング,チャン・リン
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