電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

レディ・ブレイド~刀不留人

2015-01-26 23:20:59 | 嘉禾電影

数年ぶりに『刀不留人』のことを思い出していますが、GH社の発売された国内盤DVDは今や廃盤。。。(相場も現在は予想通り高額になっています)

前回の記事では『龍虎雙劍侠』という原作の武侠小説があった事までは判明しましたが、まさに今、2015年現在、Google Playで普通に読めるじゃないですか!
(武侠小説がタブレットなどで読めるので本当に良い時代になりましたね。電子書籍の利点のひとつは検索ができること。中文とは言えマウスを使って簡単に翻訳できるから分からない表現があれば変換すればよい・・・ですね??)
直筆の挨拶ページがあって、しっかり倪匡(ニー・クワン)の篆刻印が押されていて感動!

なんと、直筆!
ご本人の書いた字は初めて見ました。(いかにも作家っぽい(笑)。
倪匡って、本当にいろいろ小説書いてて、しかも70年代当時も映画化された作品も多く、やっぱり売れっ子の作家なのですね。
映画の方と比較してみると、パッと見、登場人物はほぼ原作通りの様に思えます。
(もちろん細かい部分は違うことでしょう)
ノラ・ミャオも何麗君という女流剣士となっていますし、ニコパパ謝賢の役名が唐青雲。(ちなみに似ている名前があって「龍拳」の主役でホーエンというのが唐皓雲でしたね)
ジェームス・ティヱンが陳若愚という名前ですね。
役名を整理しつつ、これで映画では分からない部分なども調べることがきっと出来ると思います。

簡単に言うと、主役のノラ・ミャオの父親殺しの仇討ちのドラマが展開されますが、土地の王(ポール・チュン)は皇帝に代わって国を支配しろという。大金(5000両)をやるから富豪の屋敷を襲えというのだ。
ハンはその命令に従わず、一人留まった。
なぜハン(韓)という男は大金を手に入れようとはせず、仲間と協力しないのか。
一人ぽつんと残されたハンにある男の魔の手が忍び寄ります。
鬼爪と呼ばれた孫という人物です。(放送時は”悪魔の爪”となっていました。)
ここから少々ミステリアスな展開となるのですが・・・。
この予想外の展開と、何麗君の持つ2つの刀、彼女を助ける2人の男の意味こそがこの映画の肝であり原作者・倪匡が描いたストーリー、作品に込めた意味なのです。

映画では監督が原作に忠実に作っていたと思われます。
もし監督がアレンジを施し、もっと弾けていたら・・・。
まだ当時はそんな芸当も出来るはずがなく(つまり余裕もない)
ライバル会社であった邵氏に追いつけ、追い越せの必死の状態であったと思われますね。

 リャンロンおじさん、教えてよ。

 

コメント (5)
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少林寺拳道

2015-01-01 00:00:00 | その他・研究
今日はリューチャーフィ主演作品について。(2005年に封印した記事をベースに加筆して書き直しています。)

SB製作「少林寺拳道」はラウカーリョン監督作の中では割と好きな作品である。私が最初に見たのはテレビだったのだが、知人から89年当時劇場で上映されたことがあったとの情報を以前に聞いていました。

劇場での上映情報に関しては雑誌では”ぴあ”の地方版とかあれば一番いいと思うのですが、当時のバックナンバーを入手するのはかなり困難であり、各映画雑誌なんかでも該当する目当ての記事をそう簡単には見つけられないんですね。
やはり手っ取り早いのが新聞ということになります。日々の新聞に広告が載っていて上映時間も書いてあったりするので映画雑誌なんかよりはずっと正確である。
いくつかの新聞でその上映広告が確認出来たのだが、全ていわゆる”スプラッシュ公開”というものになりますね。
「少林寺拳道」以外でも過去には「いれずみドラゴン嵐の血斗」や「血斗竜門の宿」(これは先行上映)も同じ地方スプラッシュだったとされる。

例えば、高松東映での上映時にはこんな新聞広告が掲載された。(四国新聞89年9月7日付。)
邦画「悲しきヒットマン」と同時上映

キャッチフレーズが”鍛えれば全身が武器になる”とか、”未来よりも遠い「今日」があることを知る”とか書いてあるのだが、驚いたのはその英語タイトルだ。何と"Fire spirit of shaolin"になっていたのである。このネーミングとてもいいですよねぇ。もう最高!!(何かに使わせてもらおうかな)他では蔦のようなものがからまったロゴの広告なども見られたが実際に使われていたかどうかは分からない。

さて、過去にテレビで放送したこともあった「少林寺拳道」だが、私が見たのはテレ東の木曜洋画劇場だった。(少林寺映画なんて最近は洋画劇場じゃ全然やらないのだけれど)放送日は1991/7/25になっていた。

これが劇場版と同じ素材であったのか全く不明なのだが、DVDなどで見られるものとは異なる「少林三十六房續集」の題名(要するに台湾ver)で放送されていたのだ。

本編は普通の少林寺の修行僧の話なのかなと思ったら凝った作りだしコミカルでなかなか面白い映画だなと思ったものだった。映画には笑いもないとね^^/

テレビ用の日本語吹替に関してはいま思えば豪華な声優の起用だったと思う。韓国人コンビの権永文と張一道には大塚芳忠と二又一成。サンテ管長(京柱)には小川真司が。江島なんて「燃えよドラゴン」でブルース・リーをアテたこともある谷口節であったのだ。これは吹替ファンにはうれしいメンツだ。主役のジェンチェには、ちょっぴり違和感もあった堀内賢雄だったけれど、明るい役どころにはピッタリ。ホントでよかったですね。
尚、テレビでの役名で台本からそうなっていたと思われるのだが、張一道が演じている元力豪(Yuen Li Hou)と権永文演じる権民(Chuan Min)は役名が逆になっていた。些細な事だが念のため付け加えておく。

80年代のブームも既に去ったであろう'91年夏、突如としてこの作品が放送されたが、先の驚くべき89年のスプラッシュ公開前にも予兆(?)があった。
「少林寺」大ヒットで83年に近代映画社から出ていたトップページのリーリンチェイの笑顔が印象的なクンフー映画大全集には「少林寺三十六房」公開時の特集頁があった。後で気づいたことだがこれには写真がいくつか使われていてその大半が「少林寺拳道」のものだったのである。その写真からはコミカルな要素は感じられず全く違和感がなかった。(これらは三十六房のどこかで使われているシーンなんだなと思っていたからなのだが。)逆に言えば当時からその様な資料が存在していたということにもなるが、おそらく三十六房公開後すぐに劇場公開を控えていた事も可能性としてはゼロではなかったと思う。まぁ内部の事情は分かりませんけどね。

ついでに、この映画の原題についてのメモを。香港での原題は『少林搭棚大師』。製作当初は『搭棚小子』と呼ばれていた。搭棚とは広東語の辞書で調べてみると搭が棒や柱の組み立てを表し、棚が工事現場のテントなどを指すので棚(足場)を組み立てる意味になるようだ。
海外に目を向けると英語圏のビデオは『RETURN OF MASTER KILLER』のタイトルで本編は同じものになる。(出演者のクレジットは最初に出る。)MASTER KILLERの方が有名なのだからこれは続編扱い。また2003年春、米ミネソタ州で中国電影展が開催された時は『少林大膨大師』として紹介されていたらしい。

最後に、この映画で一番好きなシーンを挙げるならば、竹紐を使ったアクションになるだろうか。これを見た時、とある引っ越し業者の職人の為せるワザを思い出した。彼は腰に付けたビニール紐とカッターを器用に使って私の目の前でぱぱぱっと荷造りしてみせたのだ。あまりの手際の良さに感動し、これこそ現代の搭棚大師だと思ったのでした。終


参考文献:
1997年 キン・フー武侠電影作法
1983年 スクリーン増刊クンフー映画大全集
1984年 香港電影百科


コメント (2)
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