電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

ドランクモンキー酔拳放送

2010-10-22 10:31:21 | ニュース
あっと言う間に10月も終わってしまう感じですが、ちょっとしたニュースのお知らせです。
来月、11/11(木)のテレ東・午後のロードショーにて久々に「ドランクモンキー酔拳」(78)が放送されます!(こりゃーうれしい~)
先日の「ゴージャス」ではまさかの新規録音と毎度毎度テレ東さんには驚かせられますが、気になりますのは今回の放送では以前同局で放送された特別編何某といった記述が無いことです。まぁ当日の放送がどんな仕様での放送になるのかはっきりしませんがいまからとても楽しみですね。
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豪侠

2010-10-13 23:11:06 | 七十年代作品【1979】

    ハオ シャ
原題 豪侠 Last hurrah for chivalry
『勇者たる者/剣豪一代』(CS)
公開日 1979/11/22(木)
嘉禾電影公司作品
1,007,404HK$ 1979年度第51位

スタッフ&キャスト
監督 呉宇森 (ジョン・ウー)

出演
韋白(ウェイ・ペイ)
劉松仁(ダミアン・ラウ)
劉江(ラウ・コン)
李海生(リー・ホイサン)

解説
大ヒットした「レッドクリフ」のジョン・ウーが79年に監督・脚本した武侠映画。ゴールデンハーベスト製作(日本劇場未公開)。主演は「ヤングマスター」で一躍有名となったウェイ・ペイ。共演に「妖刀・斬首剣」のダミアン・ラウ。ジョン・ウー監督「カラテ愚連隊」から劉江、馮克安、鄭雷らが数年ぶりに再会、顔を揃えている。(劉江とダミアン・ラウの二人はジョニー・トーのデビュー作『碧水寒山奪命金』(80)で再び剣を交えることとなる。)
主演のウェイ・ペイは70年代ショウブラザースで活躍し、ゴールデンハーベストへ移籍したが、数本の映画に出演したのち80年代後半には映画界を去りアルゼンチンへ移住したとされる。

ストーリー
土地の領主・高朋(劉江)は婚礼パーティ会場に現れた宿敵・白忠堂(李海生)一味に襲撃されて重傷を負いその土地は奪われた。三年前、先代に土地を奪われたことで高朋に復讐したのだった。運良く部下(張鴻昌、王光裕)に助け出された高朋は師匠の陳冠武(鄭雷)の家で療養することに。何としても仇を討ちたい高朋だったが師匠に自分の腕では無理だと言われてしまう。仕方なく師匠に懇願すると、人々から”神刀”と呼ばれ倒せば隠居出来ると言われた刀の使い手・張三(韋白)の話を聞かされた。しかし張三はここ七年、刀を封じており今も封印したままだった。陳師匠は空中を舞う力を持つ”月影剣”を持つが高朋を信じられずその剣を授けようとはしなかった。高朋が幾日も張三を付いて回ると張三に挨拶をして酒杯を交わした。二人は友好関係を築いていく。仕事の為には酒を手放せない剣の達人・青衣(劉松仁)は金で動く殺しのプロ。酒を浴びる毎日だ。萬香楼の芸妓・秀秀(魏秋華)はそんな青衣にいつしか惚れ込んでしまう。張三と青衣は妓楼に出入りし彼女の琴音に酔いしれていた。白扇を持つ安天命(馮克安)は神刀を狙って名を高めようとする剣士。その剣に触れようとする者は容赦なく斬り捨てる。高朋はその安天命に何やら儲け話があると吹き込む。野心の強い高朋は悪業な計画を密かに進めていた。安天命は陳の屋敷を襲い高朋の手下を殺し、そして陳師匠を斬った。ついに刀を手にした張三は傷つきながらも安天命を倒す。一方、仇を討てず自害しようとする高朋の姿を見た張三は白忠堂打倒を決心する。しかし倒す自信を持てない張三は噂好きな青衣から様々な情報を聞く。そんな二人は酒を交わし友情を深めるのだった。陳師匠は高朋の悪巧みに感づくが傷を負い臥せていた。そこに現れた高朋は月影剣を奪い師匠の命も奪った。その晩、敵の根城へ攻め込んだ張三と青衣の二人はカンフー使い(徐忠信)、睡仏狂刀(錢月笙)を倒し白忠堂に迫る。二人は力を合わせ弱点の喉を切り込み、白忠堂を倒した。が、青衣の剣は張三に向い突き刺した。青衣が裏切ったのだ。青衣は報酬金500両を受け取りに高朋のもとへ向かう。しかし青衣はワナに掛って敵に囲まれ高朋の一撃を浴び、命を落とす寸前の所まで追いやられる。丁度その時、死んだはずの張三が草陰から飛び込んで来るのだった…。



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一昔前になりますが98年頃、この映画を最初に観た当時は日本の時代劇みたいなものかとさらっと流していました。その後、DVDの発売を待っていたりしましたが結局スパイクからはDVDが発売されていなかったように思います。
さて、キネ旬のジョン・ウーの特集などでも全く無視されていた「豪侠」。
今回はこの映画を振り返ってみたいと思います。この映画には間違いなく次のようなストーリーが根底に流れています。前半部分は司馬遷の『史記』の刺客列伝から引用していると思えます。つまり張徹の『大刺客』でも描かれたように、王羽演じる聶政が喧嘩で人を殺してしまい、母親と姉と共に身を隠していたが、聶政のような義士を探していた厳仲子が大金を贈ったり、その後母親が亡くなり姉も嫁いで一人身となった聶政が自分を見込んでくれた厳仲子の為に尽くすことを決め、厳仲子を失脚させた韓傀を討つ…という展開が非常によく似ているのです。
ここの聶政を張三、厳仲子を高朋に、そして韓傀を白忠堂に置き換えれば何となくそれらしく感じなくもありません。
また、そう考えればなぜ韋白がはじめに刀を使わなかったのかという事も見えてくると思うのです。(劇中、韋白が剣を封印した理由は説明されなかった)
本当にそんなストーリーがジョン・ウーの頭にあったのかどうか分かりませんが、この映画のシナリオを書き、構想18年なんて言われていた『レッドクリフ』の遥か以前にこんな映画を完成させていたんですね。簡単に言えばのちの英雄片「男たちの挽歌」や「狼」の武侠片版になるのでしょうが、スローモーションや蝋燭を使った演出など自らのテイストを映画に盛り込みつつ上手く作っちゃいましたね。(『摩登天師』のような印象もやや受けましたけどね・・(笑。
新作『剣雨江湖』も武侠片になりますが、またいつか「男たちの挽歌」のようにわくわくするような映画を低予算でもいいので製作して欲しいですね。

感想ですが、青衣を演じたダミアン・ラウも豪雨の中で名前を名乗り合う名シーンがあってとても良かったですが、たまたま着ていた服が青いからっておまえは椿三十郎かいな(笑。
あと『老鼠拉龜』でも活躍した徐忠信と錢月笙も出演し、武侠片に敢えて徐忠信らカンフー使いを登場させるといった離れワザもよく言えば香港ぽくてとても嬉しかったと思う。ちなみにこの映画のフォン・ハクオンのインタビューでは、錢月笙が武術指導の助手を務めていたと語っていて(黄哈と徐忠信はクレジットされていたが錢月笙はノンクレジットである)眠りながら相手を切りつける秘技・睡剣は酔拳の影響だったというから新しいものは取り入れようとする傾向が見られました。ジョンウーだって酔拳の影響を受けていたのです。

また、この映画には本編には使われていない白バックでウェイペイが演舞する映像もあるようですね。ここでウェイペイに目を向けてみると、彼は張家班六小将の一人とまでいわれた人物でしたが、邵氏で『五毒』『金臂童』などに出演。その後、ハーベストへ移籍。なぜ突然移籍したのでしょうか。
監督のジョン・ウーは当初主役にはTVで活躍していた劉松仁が最も相応しいと思っており、もう一人の主役を誰にするか悩んでいた。一説によると、そのもう一人をハーベストのプロデューサー蔡永昌が邵氏から連れて来たという。 それがウェイ・ペイだったのです。彼は移籍後すぐさま主役になる待遇やフォン・ハクオンにきっちり武術指導をしてもらえる条件に満足して78年秋、ハーベストと正式に契約した。この契約は彼にとって凶と出たか吉と出たのか、ハーベストとは3年契約をし、その間に『豪侠』『壞小子』『師弟出馬』『林世榮』『粉髑髏』『敗家仔』の6本に出演した。これが当時の経緯になると思います。
今回はジョン・ウー作品を取り上げてみました。そういえば予告編などではロマン・タム(羅文)が歌う主題歌「豪侠」が流れますが、本編でも随所に流れるインスト・バージョンもなかなか良かったのではと思います。(終)

コメント (4)
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