香港そして台湾で活躍した数少ない日本人の倉田さん。
倉田さんはなぜ邵氏にはいったのでしょうか?入ったというと語弊がありますがつまり契約のことです。
70年のとある日、帝国ホテルに来ていた邵氏のランランショウが若手の俳優を探していた。そして東映にいた倉田保昭はオーディションを受ける。
自伝には何も書かれていなかったけど、倉田さんは最善を尽くしたに違いない。結果は見事オーディションをパスして香港でのデビュー作『悪客』に出演するのである。
その後、南海影業の二本を経て、韓国ロケした『四騎士』へ出演。これも邵氏の作品です。 その国内盤DVDが発売されたと聞いたときはとても嬉しくなりました。(私はこの四騎士がリリースされたのは倉田さんの出演作だからこそできたのだなぁと確信しています。)ここで倉田さんはしばらく邵氏から離れることになります。
呉思遠関連については以前記事を書きました。
それにしても73年頃が一番多忙な時期だったんじゃないでしょうか。
ここに一枚の写真があります。
呉思遠と契約する倉田さん
この時、富国影業と契約して、呉思遠が熱望した『餓虎狂龍』に出演しました。
この契約が倉田さんの映画人生でとても大きな出来事だったんじゃないかなと思っています。倉田さんが過去共演したスターを振り返ってみると本当に凄いメンツなのです。その共演スターを再確認にしながら70年代の凄さを総まくりしてみたいと思います。
『悪客』(1971) いきなりデビッド・チャンとティ・ロンと共演。チェン・チェ監督とも共演できましたね。
これが倉田さんの香港映画初出演シーンだ!
『小拳王』(1971) メンフェイ、ラウ・コンと共演。
倉田さんのヌンチャク・アクション!!
『四騎士』(1972) チェン・カンタイと共演。
四騎士劇中でテレビに映った倉田さん
『方世玉』(1972) メンフェイ、王青と共演。子供のころ見たこの倉田さんの悪役は強烈だった。
古いファンはやっぱりコレですね。
『餓虎狂龍』(1972) 陳星とはじめて共演。
まだやっぱり若いね。
『猛虎下山』(1972) 続いて陳星と共演。
白の衣装がビシッと決まった倉田さん。この頃眼光が鋭くなる
『麒麟掌』(1972) ユニコーン・チャン共演
麒麟掌で倒される倉田さん
『爬山虎』(1972) 「子連れドラゴン女人拳」の孫嘉林と共演。
両手両足で壁のぼりしちゃう倉田さんが登場
『英雄本色』(1973) そして、台湾でついにジミーさんと共演!!!
濃い3人(笑)。薄い、濃い、中くらいの順。
『[走旱]盡殺絶』(1973) 陳星、上官霊鳳、エディー・コー共演。
銀行のトップの倉田さん
『死對頭』(1973)金剛と共演
この金剛との作品、結構好きかなぁ。
『女英雄飛車奪寶』(1973)上官霊鳳と共演。
この時の上官霊鳳とってもかわいらしいので一番好き。
『怒髮衝冠』(1973) アラン・タン共演
先日亡くなったアランタンとも。
『大小通吃』(1973)これは豪華。 黄元申、フーチン、シー・フォン共演。(黄元申の”申”は甲羅の甲によく勘違いされます。)
黄元申とのバトルがインパクト大。
『黒豹』(1973) 陳星と共演
港で陳星とバトル
『除暴』(1973) 江彬共演。 出番殆ど無し。
多忙だったんでしょうねぇ。スーツでチラッと出演。
『強中手』(1973) マニアックな田野と共演
自伝に貴重なカラー写真が載ってましたね。
『飛虎小霸王』(1973)王冠雄、シルビア・チャン共演作。
シルビア・チャンのデビュー作。
川原を投げる、投げまくる倉田さん。
『雙面女殺星』(1973) 上官霊鳳と金剛と共演
この組み合わせも多いですね。
『虎拳』(1973) 陳星との共演。 出演シーンは少ないけど龍飛を魯平と一緒にブンなぐっていました。
ちょっと笑顔の倉田さん
『両虎悪鬥』(1973) 金剛と共演。
Tシャツ姿が印象的でした。
『大小游龍』(1973) 上官霊鳳、金剛と共演。おなじみの鄭富雄なんかも。
最近、知野さんもブログを書いてましたね。
『狼對狼』(1973) 陳強と共演。
倉田さんの出番少ない。陳強と戦う。
『神龍小虎闖江湖』(1973) ブルース・リャン共演。この「帰って来たドラゴン」のブルース・リャンがやっぱり有名ですねぇ。
黄韻詩さんとツーショット
『金三角龍虎門』(1974) チャンリーと共演。フィリピンでの撮影。
ナイトショーのぼよよーんにうっとり
『香港小教父』(1974) またまたブルース・リャン
大舞台・ローマでの格闘!!
『大追蹤』(1974) ハン・インチェと共演。これはうれしかったのかな。
長い顔のチョイ・ホンさんとも。
『神拳飛龍』(1974) もちろん、ブルース・リャン。(あと、ヤン・スエなど)
得意の素早い蹴り。これが好き!!
『方世玉大破梅花椿』(1977) メンフェイとラウ・カーウィンと共演。
日本人らしい日本人役
『旋風方世玉』(1977) メンフェイ、譚道良と共演。クレジットはしっかりあるけど、冒頭だけチラッと出演
挿入だから共演とは言えないかも。
『傳奇方世玉』(1977) 同じくメンフェイ、譚道良と共演。
これも復讐のドラゴンからの流用
『中華丈夫』(1978) 劉家輝、そして劉家良とも共演。劉家輝の話は確か倉田さんの著書・交友録にも無かったね。
カニ拳を見せた倉田さん
『撈家撈女撈上撈』(1978) ブルース・ライと共演。カンロク出てきた高遠も目立ってましたけど。
龍方と対決する倉田さん(右:龍方)
『猛男』(1978) チャーリー・チャンと共演。at インドネシア
この頃もなかなかかっこいい。
以上、80年代以降も倉田さんの活躍は続きますが、とりあえず70年代までをざっと書いてみました。