昨日池袋まで山手線に乗ったという話を書きましたが、そこから私は大宮に向かい、鉄道博物館・スペシャルギャラリーで開催中の「大機関車展」(来年1月29日まで)を観てきました。年の暮れにてっぱくに行くのがこのところ恒例になっております。
鉄道博物館を入ると
EF58-61号機もこちらのヘッドマークでお出迎えです。ちなみにこちらのマークは12月13-28日まで限定だったようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/c4/8cb2209fb42411204423b15296ee929b.jpg)
1988(昭和63)年のオリエント急行のマークです。私も品川に見に行ったっけ。
日本の鉄道の歴史は蒸気機関車が牽引する列車とともに始まり、そういう意味では鉄道の歴史=機関車の歴史でもあります。本展示では戦後の動力近代化以降の歴史にスポットをあてつつ、もちろん鉄道開業からの機関車の歴史も含め概観できるようになっています。館内に展示され、また最近では模型も発売されたEF55-1の履歴簿も展示されていました。履歴簿というのは一両ごとに作られ、配置はもちろんのこと、故障や部品の交換など細かな記載がなされており、特に昔の機関車は「生き物」であることを感じさせます。
解説についても詳しく、戦後導入された交流電化による機関車の開発が、国鉄では長らく主流だった直流機関車にもフィードバックされた話などはなかなか興味深いと感じました。また、電気機関車に限らず悲運のディーゼル機関車と呼ばれたDD54について、本線を走る主力機の部品は国産品で賄う、という方針を曲げてまで外国製の部品を多用した機関車が入ってきたのはなぜだったのかなど、考察が試みられています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/33/74c5a0bf409ad704746b90d3b8c8f954.jpg)
(DD54のNゲージ模型・カトー製品。模型では故障知らずですから、思う存分活躍させてあげたいです)
ディーゼル機関車については第一次世界大戦の戦時賠償という形でドイツから試験的に機関車を導入しており、そこから国産機も開発されましたが量産の域には達せず、広く投入されたのは昭和30年代以降です。DD51、DE10といった「働き者」たちが活躍を続けましたが、日本が採用して使い続けた液体式機関車は決して世界の「主流」ではなく(海外では「電気式」と呼ばれる内燃機関で発電機を回す仕組みが一般的)、それ故に中古車輌を海外に輸出するといったことも容易ではなかったというあたりに、日本の工業製品の特質が透けて見えるように感じました。また、大きな幹線以外ならどこでも、という役割を果たしているDE10について、1台で入換からちょっとした列車の牽引までこなしてしまう多才ぶりも、海外なら用途に合わせて何種類も機関車を開発するのに・・・というわけで日本独特の進化だったということがわかる話ではあります。
ただ、日本の場合戦後10年余りで東京⇔大阪間の電化を完成させていますし、昭和30年代以降電化、無煙化の流れは加速します。人の流れだけでなくもの(貨物)の流れもスムーズになったことでしょうから、日本の経済成長がこうしたインフラ整備という下地が整っていたからこそ実現できたのだな、ということが分かります。インフラの整備、そして生産人口が増加したことなど、日本の成長には理由があったわけです。
それまで蒸気機関車をはじめさまざまな車輌によって行われていた冬の雪かきについても、ディーゼル由来のロータリー除雪車が大きく貢献しているとしてスペースを割いての展示がありました。また、EF58-61についてもトリビア的な話も含めて解説がありました。私にとっては「へぇ」な話もありましたが、人気の機関車ですから多くのファンにとっては知っている話もあるでしょう。
会場では博物館おなじみの大型模型も集められており、こちらも壮観でした。展示室が撮影禁止ですのでカメラを向けることができませんが、間近で見られますのでお勧めです。
会場とは別にコレクションギャラリーの中でこんな展示もありました。大型ロータリー機関車、DD53の正面扉やナンバー、銘板等です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/46/3e18d1b72dc7ee62c6434090e756565c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/5b/2d5d0cb65be1563da74e13acde711019.jpg)
DD53の正面扉とはナンバープレート下の扉部分です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/4a/86157c8f2f6bb2e280b312978e41afd8.jpg)
なお、DD53は除雪用の大型機関車で、ロータリーヘッドを付けた状態がこちらです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/8a/538916fc7e225c0daaba2bfe9c807fc4.jpg)
(模型はワールド工芸のNゲージ製品です)
館内の機関車たちです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/d4/b7e66748f8b69fee3fc83d40fec9c378.jpg)
もう1輌のEF58ですが、東海道本線全線電化を記念したマークをつけています。
C51はお召機の装飾ですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/81/922c8a20dbc7efcdec58f19c946b82f1.jpg)
図録も充実しており、購入して帰りました。動力近代化以降の機関車の流れがつかめる内容となっているほか、コラム類も充実しています。
なお、EF58-61については新年はお召仕様の飾りつけになるそうです。
鉄道博物館を入ると
EF58-61号機もこちらのヘッドマークでお出迎えです。ちなみにこちらのマークは12月13-28日まで限定だったようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/c4/8cb2209fb42411204423b15296ee929b.jpg)
1988(昭和63)年のオリエント急行のマークです。私も品川に見に行ったっけ。
日本の鉄道の歴史は蒸気機関車が牽引する列車とともに始まり、そういう意味では鉄道の歴史=機関車の歴史でもあります。本展示では戦後の動力近代化以降の歴史にスポットをあてつつ、もちろん鉄道開業からの機関車の歴史も含め概観できるようになっています。館内に展示され、また最近では模型も発売されたEF55-1の履歴簿も展示されていました。履歴簿というのは一両ごとに作られ、配置はもちろんのこと、故障や部品の交換など細かな記載がなされており、特に昔の機関車は「生き物」であることを感じさせます。
解説についても詳しく、戦後導入された交流電化による機関車の開発が、国鉄では長らく主流だった直流機関車にもフィードバックされた話などはなかなか興味深いと感じました。また、電気機関車に限らず悲運のディーゼル機関車と呼ばれたDD54について、本線を走る主力機の部品は国産品で賄う、という方針を曲げてまで外国製の部品を多用した機関車が入ってきたのはなぜだったのかなど、考察が試みられています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/33/74c5a0bf409ad704746b90d3b8c8f954.jpg)
(DD54のNゲージ模型・カトー製品。模型では故障知らずですから、思う存分活躍させてあげたいです)
ディーゼル機関車については第一次世界大戦の戦時賠償という形でドイツから試験的に機関車を導入しており、そこから国産機も開発されましたが量産の域には達せず、広く投入されたのは昭和30年代以降です。DD51、DE10といった「働き者」たちが活躍を続けましたが、日本が採用して使い続けた液体式機関車は決して世界の「主流」ではなく(海外では「電気式」と呼ばれる内燃機関で発電機を回す仕組みが一般的)、それ故に中古車輌を海外に輸出するといったことも容易ではなかったというあたりに、日本の工業製品の特質が透けて見えるように感じました。また、大きな幹線以外ならどこでも、という役割を果たしているDE10について、1台で入換からちょっとした列車の牽引までこなしてしまう多才ぶりも、海外なら用途に合わせて何種類も機関車を開発するのに・・・というわけで日本独特の進化だったということがわかる話ではあります。
ただ、日本の場合戦後10年余りで東京⇔大阪間の電化を完成させていますし、昭和30年代以降電化、無煙化の流れは加速します。人の流れだけでなくもの(貨物)の流れもスムーズになったことでしょうから、日本の経済成長がこうしたインフラ整備という下地が整っていたからこそ実現できたのだな、ということが分かります。インフラの整備、そして生産人口が増加したことなど、日本の成長には理由があったわけです。
それまで蒸気機関車をはじめさまざまな車輌によって行われていた冬の雪かきについても、ディーゼル由来のロータリー除雪車が大きく貢献しているとしてスペースを割いての展示がありました。また、EF58-61についてもトリビア的な話も含めて解説がありました。私にとっては「へぇ」な話もありましたが、人気の機関車ですから多くのファンにとっては知っている話もあるでしょう。
会場では博物館おなじみの大型模型も集められており、こちらも壮観でした。展示室が撮影禁止ですのでカメラを向けることができませんが、間近で見られますのでお勧めです。
会場とは別にコレクションギャラリーの中でこんな展示もありました。大型ロータリー機関車、DD53の正面扉やナンバー、銘板等です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/46/3e18d1b72dc7ee62c6434090e756565c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/5b/2d5d0cb65be1563da74e13acde711019.jpg)
DD53の正面扉とはナンバープレート下の扉部分です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/4a/86157c8f2f6bb2e280b312978e41afd8.jpg)
なお、DD53は除雪用の大型機関車で、ロータリーヘッドを付けた状態がこちらです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/8a/538916fc7e225c0daaba2bfe9c807fc4.jpg)
(模型はワールド工芸のNゲージ製品です)
館内の機関車たちです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/d4/b7e66748f8b69fee3fc83d40fec9c378.jpg)
もう1輌のEF58ですが、東海道本線全線電化を記念したマークをつけています。
C51はお召機の装飾ですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/81/922c8a20dbc7efcdec58f19c946b82f1.jpg)
図録も充実しており、購入して帰りました。動力近代化以降の機関車の流れがつかめる内容となっているほか、コラム類も充実しています。
なお、EF58-61については新年はお召仕様の飾りつけになるそうです。